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オートバイのあれこれ『高性能より好感触を。ヤマハ初の大型バイク』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今回は『高性能より好感触を。ヤマハ初の大型バイク』をテーマにお話ししようと思います。

1970年(昭和45年)、ヤマハは初めてとなるビッグバイクをリリースしました。

その名も『XS-1』。

▲XS-1〈1970/画像引用元:ヤマハ発動機〉
▲XS-1〈1970/画像引用元:ヤマハ発動機〉

排気量650ccのバーチカルツイン(並列2気筒)エンジンに、端正&スリムなボディデザイン。

ホンダのCBやカワサキのZが男性的な迫力・力強さをまとっていたのに対し、XSはどこか女性的な、華奢な雰囲気を醸し出していました。

▲スペックではなく、扱いやすさを重視した2気筒エンジン
▲スペックではなく、扱いやすさを重視した2気筒エンジン

乗り味の面でも、XSは「剛」ではなく「柔」のテイスト。

「いくら高性能で迫力があっても、乗り手が安心して扱えなければ意味が無い」

という考えの下、ヤマハは絶対的なスペックよりも馴染みやすいフィーリングを優先してXSに持たせたのでした。

「スペックや先進性だけで、バイクの良し悪しは語れない」という信条を、ヤマハはXSを通じて主張していたのです。

▲女性的なスリム&柔らかいデザインも魅力
▲女性的なスリム&柔らかいデザインも魅力

XSは登場後、CBやZの人気を凌駕するには至りませんでしたが、その親しみやすさが受けて一定の人気を獲得しました。

▲CBやZとは違い、誰でも“気軽に”乗れる大型車だった
▲CBやZとは違い、誰でも“気軽に”乗れる大型車だった

ヤマハには「人機官能」という独自の設計思想があります。

以下、ヤマハ公式ウェブサイトより

「人機官能」とは、「人」と「機械」を
高い次元で一体化させることにより、
「人」の悦び・興奮をつくりだす技術です。

この「人機官能」が分かりやすく映し出された最初のオートバイが、XS-1だったといえるでしょう。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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