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【6時47分】日本一終電の早い駅!? 日豊本線 重岡駅(大分県佐伯市)

清水要鉄道ライター

大分県佐伯市にある重岡駅は日本一終電の早い駅だ。下り延岡方面の列車の発車時刻はなんと6時47分。下り列車はこの一本のみで、これを逃すと翌日まで待たねばならない。

重岡駅の時刻表
重岡駅の時刻表

一方、上り佐伯・大分方面の列車は一日三本で、6時47分・18時21分・20時43分の3本だ。こちらも本数は少なく、日中は11時間以上も普通列車がやってこない。この他に佐伯方面から重岡止まりの下り列車が2本あり、18時00分着と19時36分着だ。ちなみに6時47分の上下列車と20時台の上り列車はいずれも特急電車の間合い運用のため、特急に使われている787系電車に普通料金のみで乗ることのできる乗り得列車である。

重岡駅を通過する特急にちりん
重岡駅を通過する特急にちりん

とはいえ、駅があるのは九州東岸のメインルートである日豊本線。普通列車の本数こそ少ないが、特急列車や貨物列車が何本も行き交っている。これらの列車は行き違いのために停車することがあるものの、もちろん乗り降りすることはできない。

重岡駅構内
重岡駅構内

重岡駅の利用者数は、少し古いデータだが平成27(2015)年度の平均乗車人員が16人となっている。利用は学生が中心で、6時47分の上りで佐伯方面へ向かい、18時または19時36分の列車で帰ってくるという利用をされているようだ。

重岡駅 駅舎と駅前
重岡駅 駅舎と駅前

重岡駅は大正11(1922)年3月26日に神原(現:直川)から伸びてきた豊州本線の終点として開業。当時の所在地は大野郡重岡村であったが、駅は村の中心から離れた大平地区に設置された。重岡村は後に合併と町制施行を経て南海部郡宇目町となり、平成17(2005)年3月3日の合併で佐伯市の一部となった。宇目町は歴史的にも地理的にも佐伯よりも豊後大野との方が結びつきが強く、宇目の人々が大分に出るには豊肥本線の三重町駅を利用するそうだ。実際、車を使えば重岡の集落からだと、佐伯駅よりも三重町駅の方が近い。そうした事情も重岡駅の利用の少なさに影響しているのだろう。

重岡駅で折り返し発車を待つ列車
重岡駅で折り返し発車を待つ列車

鉄道ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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