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上田城址の堀の中にある廃駅 上田丸子電鉄真田傍陽線 公園前駅(長野県上田市)

清水要鉄道ライター

真田氏の居城として有名な上田城の城跡の堀の中には半世紀前に廃止になった電車の駅跡が残されている。上田丸子電鉄真田傍陽線(さなだそえひせん)の公園前駅だ。

石積みのホーム
石積みのホーム

真田傍陽線は電鉄上田駅と真田氏発祥の地にある真田駅・傍陽駅を結んでいた路線である。昭和2年11月20日に伊勢山までが開業したが、建設工事と同時期に上田城跡の整備工事が行われたため、あまり難航せずに上田城の二の丸堀に線路を敷くことが出来たそうだ。

二の丸橋
二の丸橋

路線開業にあたっては二の丸橋との交差地点に「公会堂下」駅が設置された。これは上田市民会館の位置にあった上田市公会堂にちなんだ駅名であったが、昭和23(1948)年に上田城跡公園にちなんだ「公園前」に改称されている。

二の丸堀
二の丸堀

真田傍陽線は堀に敷かれた線路を45年に渡って走り続けたが、昭和47(1972)年2月19日に廃止となった。廃止後、線路跡はけやき並木遊歩道として整備され、地元の人々の生活通路や散歩道として使われている。上田城跡を訪れた際は、遊歩道を歩いてかつてここを走っていた電車に思いを馳せてみるのもいいだろう。

鉄道ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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