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廃止から10日、能勢電鉄妙見の森ケーブル黒川駅(兵庫県川西市)を見てきた

清水要鉄道ライター

去る12月3日に営業を終了し、翌4日に98年に渡る長い歴史に幕を下ろした妙見の森ケーブル。今回は廃止から10日後の12月14日に撮影した山麓側の黒川駅の模様をお届けする。

駅全景
駅全景

国道477号線から分岐した道の突き当りにある黒川駅。遠めに見るとその様子は現役時代とあまり変わりがないように思える。駅舎に掲げられた駅名も山の斜面を登っていく軌道もそのままだ。

駅舎
駅舎

駅舎に近づいてみると、入口に看板が立てられ、ロープとカラーコーンで入口が封鎖されていることに気が付く。看板に書かれたのは「妙見の森関連事業(ケーブル・リフト・BBQテラス他)は、全ての営業を終了しました。永らくのご愛顧ありがとうございました。」の文字。(表題写真)

改札口
改札口

ロープ越しに駅舎内を覗いてみる。窓口が塞がれたことを除けば、現役当時とあまり変わらない。現役ケーブルカーの営業時間前と言っても充分通用しそうな雰囲気だ。

1号車ほほえみ(ホーム外より)
1号車ほほえみ(ホーム外より)

ホームには1号車ほほえみが停車したままだ。妙見の森ケーブルで活躍していた車両(1号車ほほえみ、2号車ときめき)は昭和35(1960)年4月22日の運転再開に合わせてナニワ工機で製造されたもので、車齢は63年。急傾斜を走る関係から車両やホームも階段状になっている。

ホーム裏手より
ホーム裏手より

ホーム裏手からも黒川駅を見てみる。ホームに架けられた上屋は大正14(1925)年8月1日の妙見鋼索鉄道開業時に建てられたと思われるもので、昔ながらの雰囲気を色濃く残している。山上側の駅・ケーブル山上駅には公道が通じていないため廃止後の様子を確認することはできないが、おそらく同じように閉鎖されてホームには2号車ときめきが停車しているのだろう。駅舎や車両の今後の処遇は未定だ。

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鉄道ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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