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一部列車が折り返す佐賀県最南端の県境駅 長崎本線 肥前大浦駅(佐賀県藤津郡太良町)

清水要鉄道ライター
肥前大浦駅

令和4(2022)年9月23日の西九州新幹線開業によりローカル線に転落した長崎本線の江北(旧:肥前山口)~長崎間。そのうち肥前浜~諫早間は新幹線開業前から普通列車の本数が少ない区間だが、途中で折り返す列車も多いため、肥前大浦~小長井間の佐賀・長崎県境を越える列車はわずか8往復しかない。そんな県境を控えた佐賀県側の折り返し駅が肥前大浦駅だ。

駅名標
駅名標

肥前大浦駅は昭和9(1934)年3月1日、多良~湯江間の延伸で長崎本線が全通した際に開業した。新潟県南蒲原郡長沢村(現:三条市)にあった越後鉄道(後の弥彦線)の大浦駅(廃止)と区別するために国名の「肥前」が冠されている。当時の所在地は藤津郡大浦村で、昭和30(1955)年2月11日に多良町と合併して太良町となった。

駅名標のイラストは太良町特産の竹崎ガニ(ワタリガニ)だ。

時刻表と運賃表
時刻表と運賃表

県境を控えた肥前大浦駅は新幹線開業以前から一部の普通列車が折り返す駅で、現在も当駅終着の列車が下り5本、当駅始発の列車が下り1本、上り5本設定されている。かつては当駅始発、門司港行きのロングラン列車もあった。日中は列車の本数が少なく、県境を越える小長井・諫早方面は6時間以上列車が来ない。

ホームへの地下道
ホームへの地下道

駅舎とホームは地下道で結ばれている。駅舎から地下道へは5段の階段を下ってさらに坂道を下るという構造で、あまり他の駅では見かけない構造だ。

ホーム
ホーム

ホームは島式1面2線。停車しているのは折り返し肥前浜方面の列車で、令和4(2022)年9月23日から走りはじめたキハ47形だ。長崎新幹線が開業したこの日、長崎本線肥前浜~長崎間は電化設備が撤去されて非電化路線となり、肥前大浦駅も駅前商店での簡易委託が終了している。

ホーム
ホーム

ホーム上には地元・太良町のPR看板が建てられている。以前は竹崎ガニの看板だったが、現在は「月の引力が見える町」の看板に変わっている。

列車の本数が少なく、訪れるのも容易ではない長崎本線の県境区間だが、有明海の絶景を車窓から楽しむことができる乗って楽しい路線なので、青春18きっぷや旅名人の九州満喫きっぷで旅をして見るのはいかがだろうか。

鉄道ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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