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蔵前のカフェでうどんを食べると奄美の猫が幸せになる?!ナリうどん・ナリガイが食べられる8日間

satochin旅行・グルメ・おでかけライター

“ナリ”とは奄美大島の言葉でソテツの実のこと。奄美大島では150年以上前から食べられてきた伝統食です。お洒落なカフェや雑貨屋が多く、最近人気の蔵前で、ナリを使ったお料理が8日間だけ食べられます。しかも、食べると保護猫が幸せになるというオマケつき。

あまみのねこひっこし応援団

奄美ノネコのナリ(左)とやんばるノネコの鯖(右)
奄美ノネコのナリ(左)とやんばるノネコの鯖(右)

最初にノネコと呼ばれている猫たちについて簡単に説明します。

2021年にユネスコ世界自然遺産への登録が決定した 奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島。世界的にも希少な動物が多く、生物の多様性が豊かであることが評価されての登録でした。

その希少動物の天敵とされたのがノネコです。野良猫ではなく野生化した猫をノネコと呼び、捕獲されると1週間で殺処分となります。元々は人間が飼っていた猫が増えた結果なのに。

奄美大島では、2018年から島内5市町村でつくる「ねこ対策協議会」と環境省がノネコの捕獲・譲渡を行っています。

「あまみのねこひっこし応援団」は、ねこ対策協議会と協力し、捕獲された猫を都内に輸送。ノネコたちに新たなに里親を探して、命を繋いでいます。

奄美のノネコパネル展開催中

和漢カフェ無花果 (イチジク)
和漢カフェ無花果 (イチジク)

蔵前駅から徒歩3分、和漢カフェ無花果 (イチジク)は、女性薬剤師が厳選したスパイスで作る薬膳カレーのお店。

こちらで今、開催中なのが「奄美のノネコパネル展」です。
あまみのねこひっこし応援団が今までひきとった猫は420匹以上。そのほとんどの猫が、今はイエネコとして幸せな日々を送っています。里親さんに協力してもらい、送ってもらった猫たちの写真は、どれもふくふくと幸せそうで、見ているだけでこちらも幸せな気分になります。モニターでは動画も配信中。

和漢カフェ無花果のオーナー古谷さんは、先住猫が亡くなって暫くして、新たに猫を飼おうと思い立ったときノネコのことを知りました。

あまみの応援団の中の「譲渡型猫カフェ CAIT SITH」のホームページやインスタグラムを見たり、実際にカフェに行って遊んだりして、やんばるノネコの鯖と奄美ノネコのナリの里親となりました。

かわいい2匹の様子を見て、もっとノネコのことを知って欲しいと、あまみのねこひっこし応援団に協力してもらい、カフェで奄美ノネコパネル展を開催しています。

7月27日(木)・28日(金)・29日(土)・30日(日)・8月24日(木)・25日(金)・26日(土)・27日(日)の8日間、お店で奄美ノネコの幸せな様子が見られます。

島民の命を救ったナリ

左の実がナリ(ソテツの実)
左の実がナリ(ソテツの実)

期間中は通常のメニュー以外に、ナリを使った特別メニューがいただけます。

薩摩藩の圧政や戦争で島に食べ物がなくなったとき、島民の命を救ったのがソテツの実、ナリです。そのままでは毒があって食べられないため、3週間かけて毒抜きします。貴重なタンパク質として、お米と混ぜて作ったナリガイというお粥のおかげで、奄美の人たちは生き延びることができました。

偶然ひきとったノネコの名前がナリ。奄美大島に出かけた古谷さんは、現地でナリ粉を使ったレシピを教わり、パネル展の期間中自分のカフェで提供することにしました。

今では奄美大島でもあまり食べられないというナリ料理。とても貴重な機会です。

ナリうどんセット

ナリうどんセット
ナリうどんセット

奄美の郷土料理がいろいろいただけます。

ナリはデンプン質が多く、水で練るともっちりとした塊になるとか。食べ物がない時代に食べていたものなので、そんなにおいしくないと聞いていました。でも、すいとんだって戦時中の食べ物。今はおいしく食べるレシピもたくさん出ていますよね。古谷さんも都内では手に入らない食材もあるので、若干東京風にアレンジしているとのことでした。

ナリガイ。お米とナリ粉のお粥ですが、言われなければトロミの強いお粥だなで終わってしまいそうなほど。ほんのりとしたナリの甘味が感じられます。

ナリ味噌で味付けしたゴーヤと豚肉、玉ねぎの炒め物。甘めの味付けでご飯がすすみます。ビールにもあいそう。他のお客さんは「ゴーヤチャンプル苦手だけど、これはゴーヤが苦くないから食べられる」と、喜んで食べていました。ナリガイにもあう。

島味噌にピーナッツを加えた奄美大島のお菓子ヤマアみそピーナッツ。カリカリとした食感も心地よく、箸が止まらなくなります。

ナリ粉に小麦粉を混ぜて作ったナリうどん。ナリ粉がもっちりするので、普通のうどんよりコシが感じられます。

スープは鶏飯と同じく鶏で出汁をとっているそうです。むね肉に干し椎茸と、全体的にヘルシー。

お好みで自家製の陳皮とみじん切りの葱を入れます。陳皮を手作りするのは、薬膳カレーのお店らしいですね。

これに奄美大島の飲みものミキがついています。

1,500円から一部がケット・シーに寄付されます。

寄付型スイーツはパネル展以外でも食べられます。

ふぃにゃんセ 300円
ふぃにゃんセ 300円

ナリ粉と米粉を使った「ふぃにゃんセ」は、もっちりとした、今までないおもしろい食感!なるほど、デンプン質の多いナリ粉を使うと、こんな食感になるのね。小麦粉アレルギーのある人も食べられるスイーツ。こちらも売り上げの一部が寄付されます。

コーヒーは松崎珈琲。スイーツによくあいます。

ノネコの幸せのために

保護されたときは、ガリガリに痩せて毛並みもボサボサだったナリ。

今は古谷さんのもとで、ふっくら艶々に育っています。

奄美大島でも今はなかなか食べられないナリ料理を食べて、猫さんも幸せにしましせんか?

和漢カフェ無花果
住所 東京都台東区蔵前3-16-3 
電話番号 090-9104-1149
営業時間 12:00~18:00
定休日 不定休
公式ホームページ:和漢カフェ無花果(外部リンク)

旅行・グルメ・おでかけライター

おいしいものが大好きで、ご当地グルメをもとめて日本全国47都道府県を制覇。食べログの地図を塗りつぶした旅行ライター。海鮮丼マニアとしてテレビ出演経験あり。 旅先の飲食店以外にもローカルスーパーや道の駅、SA・PAで見つけたご当地グルメを中心に、温泉やホテルも紹介しています。普段のサービスや味を知りたいため、事前許可を取らず、気に入ったら後から掲載許可をもらい、紹介している記事が多いです。許可をもらえるまでしつこいです(笑)。 リアルな旅の記録はXで発信中。 温泉ソムリエマスター/サウナ・スパ健康アドバイザー/銭湯検定4級/チェコ親善アンバサダー

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