昔から多くの文豪に愛された温泉地湯河原。高級旅館が立ち並ぶ中、リーズナブルに宿泊できる、温泉にこだわった源泉宿を紹介します。

湯河原駅からバスで約18分

神奈川県の西南端に位置する湯河原町。湯河原温泉が開湯したのは約1300年前、万葉集にも登場しています。海と山に囲まれた、昔から多くの文豪に愛されてきた温泉地です。

今も老舗旅館が多く営業していますが、一般庶民が気軽に利用するには若干料金がお高い。それで、熱海や伊豆に行ってしまう人も多いかもしれません。でも、実はお手頃価格で泊まれる旅館もあるんです。それが今回紹介する「源泉宿ゆっくり」。

伊豆箱根バスで湯河原駅から約18分。温泉場中央バス停を下りると目の前です。

車は事前に予約すると建物の隣に500円（1日）で停められます。

たぬきの置物が目印。

古いけれど清潔感のあるお部屋

今回利用したのは6畳の小さなお部屋。2人で利用すると1人4,800円から宿泊できます。1人利用だと6,300円から。でも、宿の公式ホームページから予約すると1人250円引きに！4,800円が4,550円、6,300円が6,050円になります。

他にも6畳＋3畳の広縁、10畳＋3畳の広縁、ベッドのある洋室があります。ただしエレベータなどはありませんので、ご注意ください。

古い建物ですが、お部屋はきれいに掃除してあって、安心して畳にごろりと横になれます。冷蔵庫もテレビもあります。

Wi-Fiもサクサク使えます。

歯ブラシ、タオル、バスタオル、浴衣、丹前はお部屋に用意されていました。

布団は自分で敷きます。パリッとアイロンがかかったシーツや枕カバー、掛布団カバーもありました。

トイレ、洗面台は共用です。自動販売の飲み物はとっても良心的なお値段。電子レンジは無料で使用できます。

そうそう、夕ご飯の提供はないので、外食か自分でなにか買ってきてお部屋で食べることになります。一番近いコンビニは、徒歩11分ほどの場所にあるローソン。ローソンの少し手前に地元スーパーがあります。

4種類から選べる朝食

朝ご飯は4種類。チェックインの時にお願いします。

・【数量限定】旨すぎる鮭のカマ定食　1,500円

・味わい深い　金目鯛の干物定食　　1,200円

・大きすぎない　アジの干物定食　1,100円

・極旨　鮭定食　1,200円

1階の和室で7時45分と9時の2部制。

筆者は金目鯛で。大きくて、隣のテーブルの人も驚いていました。「次はそれにするわ～」と。でも、鮭カマも脂たっぷりで、とってもおいしそうでした。

ご飯とお味噌汁はおかわり自由。豆腐とわかめのお味噌汁がシンプルだけど、お出汁がきいてておいしかった～。

こだわりの源泉かけ流し

建物の裏には源泉やぐらがあります。地下300メートルから汲み上げた源泉を、加水・加温・ろ過・塩素なしでかけ流しにしています。気温にあわせて源泉を出す量と扇風機で温度を調整、しかも1日2回お湯を総入れ替えするというこだわり。

浴室は1階に2ヶ所。朝と晩で男女が入れ替わります。

シャワーの水やお湯が浴槽内に入らないよう、最初にそれだけは注意するように言われます。お湯にこだわってますからね。

一度に3人ほどしか入れない小さな浴槽ですが、2階のモニターから浴室前のスリッパが見えるので、1階まで降りたのに入れなかったということはありません。

シャンプーやボディソープ、洗顔料は用意されているので、特にブランドにこだわりがなければ、身軽に出かけられます。

こちらの浴室が朝女性用になっていることが多いのだとか。窓が東を向いているので、朝日を見ながら入れるのだそうです。朝、一緒になった方が教えてくれました。

お湯の良い宿に泊まると、温泉に詳しい人が宿泊しているので、いろんなおすすめ温泉を教えてもらえて楽しいです。

こちらの宿は女性向けサービスは特に行っていないのですが、なぜかとても女性に人気があり、筆者が利用した日は男性は2人だけでした。

しかも、ひとり旅の女性が多く、神奈川県内という人も。近場の人がふらりと訪れる温泉にハズレはないですよね。

さらにこちらの宿、実は温泉マニア絶賛の「ままねの湯」のすぐ近く！「ままねの湯」は、とても良いお湯なのですが、なにぶんにも温度が高い！この日の温度計は48度を示していました。

あつ湯なので長湯ができませんが、ゆっくりのお湯は適温になってるので、文字通りゆっくりと楽しめます。源泉が近いので成分もあまり変わりないような気がします。人によっては、ゆっくりの方がミネラル豊富な気がするという人も。

都心からのアクセスも良い湯河原で、気軽に湯治ができる宿です。