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【姫路市】キューブ型パンのパン舗、4月2日オープン。明治初期の金物商の佇まいをそのままに新たな息吹を

千姫文筆家・ライター講座講師・モデル(姫路市)

明治初期に創業した金物商が、新たな息吹を注がれて今よみがえる――。網干区新在家の橋本町商店街に「鍛冶六」がオープンしました。この地は9年ほど前まで永尾金物店として商いを続けていた場所。春から順次、パン舗、書店、酒店の3本柱で展開していきます。

広さは約35平方メートル。地下1階、地上2階建て
広さは約35平方メートル。地下1階、地上2階建て

開放感あふれる古くて新しい空間

屋号は金物商創業者で鍛冶屋の永尾六兵衛さんにちなんで。すぐ近くのレストラン「旧網干銀行 湊倶楽部」のマネージャー、濱田大規さんが代表を務めるD.graphが運営。4代にわたって地域の人々の暮らしを支えていた店内に活気を呼び戻しました。

コンセプトは「継往開来(けいおうかいらい)」。先人の事業を受け継ぎ、発展させながら未来を切り開くという意味です。濱田さんは「4代目にあたる方の息子さんにも金物店の変遷を聞き、背景を踏まえたうえで構築していきました」と話します。
内装も小下がりを作ったり、土間を改装したりする以外は、ほぼ往時のまま。回廊や吹き抜けがあって、開放感があふれています。

金物店が取り扱っていた釘やドアノブも展示されていました。五つ玉そろばんも。会計時に使われていたのかなぁ。

パンを買う、本を読む、お酒を飲む、以外に屋内のしつらえや小物に触れることで、独特の雰囲気に浸れます。

定番パンは「ひじき」と「あんバター」

書店、酒店に先立ち、パン舗が4月2日にオープン。パンをプロデュースするのはD.graph取締役で「旧網干銀行 湊倶楽部」のグランシェフ・鵜鷹絢(けん)さん、パン作りに携わって10年です。

濱田さん(左)と鵜鷹さん。2人は姫路育ちで幼なじみ
濱田さん(左)と鵜鷹さん。2人は姫路育ちで幼なじみ

パン4種類とパンに合う牛乳とコーヒー、りんごジュースがそろいます。

パン舗は1階
パン舗は1階

パンはキューブ型。「手に取りやすく、インパクトがあるから」と鵜鷹さん。可愛くて、人気のウェーブがきそう!
定番が「ひじき」と「あんバター」で、4月限定品は「さくら」と「ジャーマンポテト」。甘いの2種としょっぱいの2種でバランスがいいですね。

パン4種。イートイン各330円、テイクアウト各324円
パン4種。イートイン各330円、テイクアウト各324円

中身はこんな感じ。

左から「ひじき」「あんバター」「さくら」「ジャーマンポテト」
左から「ひじき」「あんバター」「さくら」「ジャーマンポテト」

鵜鷹さんが特に思い入れがあるのが「ひじき」。東京のベーカリーで出合い、衝撃を受け、後にその店で修業をしたそう。「いつか地元の姫路で販売できたら」と今回、自家製のひじき入りパンが定番に決定。千姫も「和惣菜とパンはこんなにも相性がいいなんて」と気づけました。

「あんバター」は、兵庫県神戸市の製餡所の餡を使用。北海道の小豆で作られたたっぷりの餡にバターの塩味が絡んで、良き。

桜餅のような「さくら」。葉入りの桜餡と求肥が入っています。口内にも春がやってきました。上には桜の花の塩漬けがちょこん。

「さくら」
「さくら」

コショウを利かせた、ちょっぴり大人味の「ジャーマンポテト」も千姫は好き。

生地はシンプルで、具材の味が際立ちます。定番以外の2種は5月以降、2カ月に1回のペースで変更する見込み。営業日は月に4日ほどなのでスケジュールを調整して訪ねたいですね。

カウンターやベンチでイートインできますよ。

パンといえばコーヒーか紅茶、牛乳といただくイメージですが、テイクアウトの場合、ここのパンに限っては日本茶でもハーブティーでもいいのでは。

箱に入れると、お土産用に。

パン舗のほか、棚ごとに書店主が異なる書店、地下に角打ちスペースを設ける酒店もまもなく開店予定です。

To be continued.

鍛冶六パン舗
住所:兵庫県姫路市網干区新在家644
電話番号:079-280-4347
営業日:4月は13、16、27日。基本的に第1・3日曜、第2・4木曜 ※パン舗のインスタグラムで確認を
営業時間:11:00~19:00 ※売り切れ次第終了
駐車場:あり

文筆家・ライター講座講師・モデル(姫路市)

大好きな姫路のまちを、さらに元気に―。その一心で執筆をしています。千姫自身の率直な感想と取材で得たこぼれ話などを通して「ここに行きたい!」と心が動く場所を紹介していきます。元新聞記者、モデルとしてはファッションショー・ヘアショーに出演。 Yahoo!ニュースエキスパート2023年10月、11月、2024年3月 地域クリエイターMVA受賞

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