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HSPだと自覚して変わったこと〜HSPやHSCを自覚する意味〜

保育士ごんちゃん保育士/チャイルドカウンセラー

こんにちは!保育士ごんちゃんです。

現在、保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。

今回はHSPを自覚している私の体験談や、HSPやHSCを自覚する意味についてのお話です。

▼自分がHSPと知ってどうなった?

HSPという言葉を聞いたことがありますか?私は自分がHSP(Highly Sensitive Person)だと自覚しています。

HSPとは、Highly Sensitive Personの頭文字を取ったもので、ひといちばい敏感で繊細な気質を持つ人の総称です。最近では日本でもメディアやSNSなどで目にするようになってきており、「繊細さん」という呼ばれ方で見聞きすることも増えました。

そしてその概念の中で、子どもはHSC(Highly Sensitive Child)と呼ばれています。

<関連記事/しゃーごんダイアリー>
HSCを知っていますか?〜ひといちばい敏感な子ども〜

このHSPやHSCという概念は心理学の用語であり、生まれながらにある気質で、背が高い人、足が速い人、のような位置付けにあるものとされています。

そのため、医学用語ではなくて病院でHSCや HSPと診断されるようなものではないですし、あくまで自覚や自称にすぎない概念ということになります。

しかも5人に1人、人種や国籍などを問わずどんなコミュニティにも存在するとされています。

ただ、繊細で敏感という性質は共通していても性格は一人ひとり全然違います。繊細だからみんな内向的ということではなく、繊細でも刺激を求めてアクティブに行動する人もいます。私はどちらかというと後者のタイプ(HSS)です。

ちなみに私がこの概念を知ったのは、HSCのほうが先でした。子どもに関わる仕事をしているのもあって、「こんな子がいるんだよ」というのを何かの機会に知りました。

それでその特徴などをよく知っていくうちに、「私の幼少期もそうだったんじゃないか」と特徴に当てはまることが多いことに気づき、今ではHSPを自覚しているという状況です。

私は大人になってからこれを自覚しましたが、今日本でHSPを自覚している大人の人は大半が大人になってからだと思います。

というのも、この概念はアメリカで25年前ほど前に提唱されたもので、日本で広まったのはごく最近だからです。

私自身これを知ってどうなったかというと、すごく楽になったんですね。自分を責めることが減りました。

今までなんとなく抱えていた生きづらさが説明されたような感覚もありましたし、無理して変わらなくていいんだと思えたことも大きかったです。

私は人生でうつ病を2回経験しているので、自分はあらゆる刺激に敏感で多分うつ病にもなりやすいと自覚することもできたので、今の無理しないというスタンスになりました。

そのため、私にとってHSPを自覚したことは大きいし意味があったなぁと思ってます。

▼HSPであることを人に理解してもらう必要はあるのか?

そんな私ですが、HSPであることをリアルで会った人にわざわざ言うかというと、それはあまり言いません。

こういう発信の場だからこそこんな風にHSP、HSCとか言ってはいますが、初対面の人と会った時はこれまでの人生でやってきたのと同じように、傷つきやすいこととか繊細さは悟られないようにふるまいます。

あんまり気をつかわせたくもないし…とか思って話す気にはならないんですね。

関係性がある人や、話して大丈夫かもと思う人には「実はね…」という感じで、これまで数人に話している程度です。

私の場合はこうですが、他のHSPを自覚してる方はHSPを知ってどう感じたか、それを日常でどう扱ってるかは人によって異なるかもしれません。

私は今のところ、自覚する意味としては自分の中で自分の生きやすさを変えていけることが一番大きい気がしています。

だから人に理解してもらうとかはあまり関係なく、自分の中で「私は私でいいから、この気質とうまく付き合えるように物理的に工夫しよう」とかそんな風に自分の繊細さと向き合っています。

HSPを知って自覚するというのは、あくまで軸は自分であって他人に理解されるかどうかは関係ないというのが私の思うところです。

そのため、他人からの「あなたはHSPじゃないのでは?」といったような指摘も関係ないってことですね。

それを言われたところで、自分がHSPだと思うし思ったほうがラクになるならそれでいいし、人にわかってもらおうとするものじゃないと考えています。

病気でもないし、診断されるものでもないから、あくまで自己理解なんですよね。HSPを自覚してラクになったり生きやすくなるなら、自覚する意味が大いにあると思います。

ただ、HSCの子どもの場合は、自分で自覚して気持ちを整理して工夫するのが難しいので、そこはHSPと違って親や近くにいる大人など周りの理解が必要だと思っています。

▼HSCを知る意味

HSCは多くの場合、親や保育園の先生など、関わる大人の違和感からまず大人が自覚します。

生まれたばかりだとしてもその特徴というのはあって、物音に敏感だったり、寝てもすぐ起きたり、よく泣いたりするので、最近だと育てにくさから「HSCかな?」と思う人も増えています。

ちなみに私自身も赤ちゃんのころはよく泣く子で、親戚などから「よう泣くね〜」と言われていたと母は言っていました。

HSCの場合は、親が子どものHSCを自覚することによって、自分の育て方が悪いとかそういうことじゃないと思えて子育ての考え方が変わったり、子どもに無理させない、自分も無理しないことで少しラクになったりするのであれば、自覚する意味が大いにあると思います。

ただ気をつけないといけないと思っているのが、HSCの子ども本人にHSCを自覚させるときです。

そもそも子どもにHSCじゃないかと伝える必要性は、親の方針や子どもの性格などによっても変わってきます。

例えば、繊細がゆえの生きづらさを抱えていて、自分を責めているような状況であれば

「それはあなたのせいじゃなくて、生まれつき繊細な人もいるみたいだよ。一緒にできることを工夫してみよう、繊細な感性があるからこんないいところもあるよね?」

のように言ってあげられるかもしれません。

しかし、子どもによってはそのHSCであるということをプレッシャーに感じてしまったり自分の限界を決めてしまったりする可能性もあります。

これはHSPに限らずではありますが、心理学の用語に「ラベリング効果」というものがあります。周囲から勝手な固定概念や先入観だけで「この人はこんな人だ」とラベリングされる心理効果のことをいいます。

もしHSCの子どもに「繊細だからこれはできないかもしれないね」のように否定的なラベリングで繊細さを強調していくと、子ども自身も繊細さを否定的に思い込むようになる可能性があります。

そのため、HSCを自覚させることになったときは、一緒にポジティブな言葉かけができるといいんじゃないかなと思います。

例えば、「繊細な感性があってすてきな絵をかくね」などそんな具合にです。

私は、子どもが小さいうちにHSCを知る意味として、大きいのは親にとっての効果だと感じています。

子どもが自分で自分の気持ちを整理できるようになるまでは、まずは親や近くにいる大人が理解をしてあげられるといいですよね。

特に小さい子ども、小学生くらいまでは自分で自分の気持ちを整理するのは難しいです。

HSPの大人なら、何かあった時に「HSPの自分とうまく付き合っていこう」といろんな対策や工夫ができますが、子どもが自分だけでそれをするのはハードルが高すぎます。

私自身も、もし幼少期にHSCを自覚していたとしても、大人になった今のようにうまく自分の気持ちを整理することはできなかったと思います。

そういうわけで、HSCを自覚する意味には、大人が自分自身のHSPを自覚するときとは違ったものがありますね。

親や周りの大人がHSCの子どもと関わる際、HSCの特徴を理解しておくことが少しでも子どもの育ちを支えるヒントになればいいなと思います。

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最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

保育士/チャイルドカウンセラー

専門は保育、幼児教育、家庭教育。九州大学教育学部卒。2019年2月に女の子、2021年11月に男の子を出産した2児の母。HSP(Highly Sensitive Person)の気質を持ち、人生で2度のうつ病を経験。現在はがんばりすぎるのをやめて「無理せず自分らしく」がモットー。育児のお役立ち情報やライフハック、子どもと楽しく過ごすための遊び心などを発信。

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