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うつ病だった私が親の応援から学んだ、育児で大切にしたいこと

保育士ごんちゃん保育士/チャイルドカウンセラー

こんにちは!保育士ごんちゃんです。

現在、保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。

今回は2回うつ病を経験した私が、両親がしてくれたサポートから学び、現在自分の育児で大切にしていることのお話です。

▼私がうつ病だった時の親のスタンス

私は10年前に1回、4年前に1回うつ病を経験しています。はじめてうつ病になったのは大学生の時、就職活動がキッカケでした。

そして2回目のうつ病は、フルタイムの仕事をしていたころの激務によるものでした。

就職活動をキッカケに初めてうつ病になった時は、社会に出て自分が何をやりたいのか、そしてこれから何をして生きていきたいのか分からなくて、生きている意味さえも分からなくなってしまいました。

就職活動で出会う初対面の人に自分をどう説明していいのか分からず、面接などで人から評価されることもとても怖かったのを覚えています。

そして当時私を一番苦しめていたのは「価値のある人間、何か貢献できる人間でないと社会に求めてもらえない」という思考でした。

気づけばうつ病になっていた私は心身ともに疲弊していて、本来の自分であればなんなくこなせることもできないことが増えていて自信が全くなくなっていました。

そんな時、私の両親は「何もできなくていいから、そこにいてくれるだけでいい」とありのままの私を受け入れてくれました。

この応援やサポートのスタンスが、私に本来の自分を取り戻させてくれましたし、がんばりすぎてしまう私を止めて救ってくれたと思っています。

もしも両親が「甘えたことを言うな。就職活動は辛いものだ。みんながんばっているんだから。」など、私にがんばり続けることを求めていたら、私は人生に絶望していたでしょうし、今元気にここにいるかどうかもわかりません。

「がんばらなくていい。そこにいるだけで価値がある。大切な存在なんだ。」と何もできなくなっていたありのままの私を両親が認めて受け入れてくれたことを本当に感謝しています。

そして私もいま親となり、そういってくれていた両親の気持ちに自分の気持ちが重なるようになりました。自分の子どもが産まれてから、「そこにいるだけでいい存在」の意味が分かりました。

子どもは産まれてから自立していくまで、自分だけではできないことがたくさんあります。でも、何か意味のあることや生産的なことができないと価値がないわけではなく、そこにいるだけでかわいくてとても大切な存在です。

▼親がありのままの子どもを受け入れることの大切さ

私がこの親からの応援のスタンスで学んだ育児で大切にしたいことは「子どもをありのまま受け入れる」ということです。

子どももこれから学校や集団生活などの社会生活が始まると、さまざまな「できること」や「貢献すること」を求められるようになります。

例えば、宿題ができていなければ怒られたり、生活習慣がきちんとしていることを求められたり、学校で優等生でいることを求められたりなどです。

そして大人になって社会に出て仕事をするとなれば、自分に役割が与えられてその責任を果たしていかなければなりません。

でも私がうつ病になってしまった時のように、他者の期待に応えようとがんばりすぎてしまうと、心身の健康を損なうことがあります。できることや完璧であることを求められすぎると、できない自分を責めてしまうこともあります。

私は家族、特に親子という関係は、できないことや不完全を受け入れて補い合う存在だと思っています。

子どもの不完全な状態を受け入れて、何ができなくてもいいから、それでもそこにいてくれるだけでいいと言ってあげられるのが親なんじゃないかと思うのです。

私は自分が子どもとして親からしてもらった応援のスタンスに本当に感謝していて、それがあってこそ今の元気な自分がいると思っています。

そのため、自分の子育てでも「子どもに求めすぎずありのままを受け入れること」を大切にしています。

▼子どもを褒める時、応援する時に大事にしたいこと

みなさんは育児本などで「結果より過程を褒めましょう」と言われているのを見たり聞いたりしたことはありませんか?

その理由としてよく言われるのは、結果を褒めすぎてしまうとがんばれない子になるとか、できることにこだわってできないことへの恐怖心から挑戦しなくなるとか、自己肯定感が下がるとかです。

また「すごいね」や「えらいね」など、親が評価するような声かけをしないほうがいいと言われることもあります。

でも、がんばりすぎる人生を歩んできた私が思うのは「がんばるのは果たしていいことなのか?」という疑問です。がんばりすぎて人生をあきらめそうになったことがある私は、「がんばること=美徳」とは思えないのです。

もちろん仕事や社会や集団から与えられた役割で責任を果たすことは大切です。でもがんばりすぎることやボロボロになるまで努力をし続けてしまうことは、心身ともに健康な人生を歩むうえであまりいいこととは思えません。

ですから私は、子どもの声かけで気をつけているのは「子どもができるようになったことや嬉しい体験を一緒に喜ぶ」ということです。子どもを評価するより共感することを意識しています。

「できるようになってすごいね」「がんばってえらいね」というよりは「できたね!うれしいね!」と子どもの気持ちになって一緒に喜ぶイメージです。

そしてできないことがあっても、それでもいいと思うこと。ありのままの子どもを受け入れることが、他の誰でもない親だからこそ取れる子どもに寄り添う姿勢なのだと思います。

ただ育児をしていると日々子どもにやってほしいことや教えたいことなどがあって、イライラしたり要求が出てしまうこともありますよね。ありのままを受け入れるって、簡単なことじゃないです。

でも意識しているかしていないかでは、子どもへのまなざしが変わってきますし、求めることも減るので回り回って親の自分がイライラすることも減ってラクになります。

そしてもし今「ありのままの子どもがかわいいと思えない」という方は、がんばりすぎな可能性があると思っています。

親にとって子どもが「そこにいてくれるだけでいい存在」なのと同じように、子どもにとって親も「そこにいてくれるだけでいい存在」なはずなんです。育児で「こうしなきゃ」と思うことをなるべく手放して肩の力を抜いて無理せず過ごせるようになると、人生も育児も本当にラクに楽しくなります。

一人でがんばりすぎないで、周りを頼ってくださいね。親も人間なので完璧じゃなくていいんです。不完全でできないことがあっていいし、それを補い合ったり応援し合ったりできるのが親子であり家族であれば素敵だなと思います。

<その他SNSでも子育てに関する情報発信をしています>
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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

保育士/チャイルドカウンセラー

専門は保育、幼児教育、家庭教育。九州大学教育学部卒。2019年2月に女の子、2021年11月に男の子を出産した2児の母。HSP(Highly Sensitive Person)の気質を持ち、人生で2度のうつ病を経験。現在はがんばりすぎるのをやめて「無理せず自分らしく」がモットー。育児のお役立ち情報やライフハック、子どもと楽しく過ごすための遊び心などを発信。

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