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兄が弟をかわいがらない。きょうだい関係に親はどう関わればいい?

しゃーごん

保育士/チャイルドカウンセラー

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こんにちは!保育士母さん、しゃーごんです。

現在、保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。

先日、おたよりフォームにこんなご相談をいただきました。

【ペンネーム/mayuさんより】
我が家の兄弟関係のことで 相談させて頂きたくて お便りしました。
5歳なりたて、1歳なりたての4歳差兄弟なのですが、長男が次男を あまり可愛がりません。
友人宅の姉妹や兄弟 を見ていると 上の子が 赤ちゃんを 可愛がったり抱っこしたり しているのに、長男は次男が 生まれた時から ドライ というか...。オムツ替えや遊びを一緒にしようとしているのですが、よしよししたり ギュッと抱きしめたりはなく、想像していた 兄弟の姿と全然違っています。
出先で ベビーカーを押したがるくらいですが、それは次男のお世話をするというより、動く車を動かしたい、という感じです。
加えて、次男のハイハイ、伝い歩きが始まってから、長男のおもちゃを口に入れたり 絵本を読んでいたり、おやつを食べていたりする長男のモノに興味を持ち 手を伸ばすからでしょうか。次男が近づくと「おかーさん!◯◯ を押さえといて!」「こっち こないようにして!」「◯◯が来たー!」 と次男を拒否するような事を言うようになりました。
おもちゃを貸してあげたり、絵本を一緒に読んであげたり、という姿を期待すること、 5歳だとだんだんとできるようになって欲しい、と期待することは 無理があるのでしょうか。
私が、こうしてあげたら? と促すと ますます 「次男が 取りに来るから イヤ!」と言われ 困ります。
次男が産まれてから 1年、これといった赤ちゃん返りはなかったのですが、ここにきて 弟と交わろうとしない長男を見ていると、次男のことが好きでないのか、これから長男との関わりをどのようにしたらよいのか と悩みます。
とりあえず 交わると ケンカのようになるため、長男のスペースを ベビーサークルで区切り、次男が中に入れないように スペースを分けています。
2人で関わりながら 、人との折り合いの付け方、モノの貸し借りなど、他人との関係を学んでほしいのに、関わらないように スペースを分けることが良いことなのか モヤモヤしています。
夫が家にいて余裕があるときは できるだけ 皆で 遊んで、長男と次男が 一緒に遊べるような 遊びをしたり 心がけていますが、兄弟関係、随分想像と違っていて...。
こんなものなのでしょうか。これについて お考えがあれば、お聞かせいただけたら と思いました。
もし いつか お応えいただけたら 幸いです。

今回はこちらのご相談内容をもとに、兄弟の関わりについて親ができることを一緒に考えていきたいと思います。

▼兄弟の仲良さを望むのは親として自然な感情

今回のご相談は、5歳と1歳のお子さんを子育てされているお母さんからいただいた、兄弟関係に関するお悩みです。

5歳のお子さんが、1歳のお子さんに対してドライな感じがして、ご相談者さんが想像していた兄弟像と違っているということですね。

自分の子どもが兄弟仲良く育ってほしいと願うのは親としてごく自然な感情ですから、まずはその気持ちを否定することなく兄弟の関わりを見守ってほしいなと思います。

▼乳幼児期は「個」を育んでいる時期

ご相談者さんはおたよりの中で「おもちゃを貸してあげたり、絵本を一緒に読んであげたり、という姿を期待すること、5歳だとだんだんとできるようになって欲しい、と期待することは無理があるのでしょうか。」とおっしゃっています。

これに関して無理ということはないですが、兄弟関係に限らず他者と関わろうとしたがるかどうかには、子どもの持った感覚の違いや個人差があります。

さらに大前提として、乳幼児期(0〜6歳)は「個」を育んでいる時期であるということを頭に入れておくと見え方が随分と違ってくると思います。

子どもは2〜3歳で第一次反抗期(イヤイヤ期)を迎える頃、自我が芽生えて「自分はこうしたい」という気持ちが強くなりますよね。

おたよりの中で、「次男が近づくと「おかーさん!◯◯ を押さえといて!」「こっち こないようにして!」「◯◯が来たー!」 と次男を拒否するような事を言うようになりました。」とおっしゃっていますが、まさにこの行動が「自分はこうしたい」という気持ちが現れた行動です。

乳幼児期に「自分がやってみたい」と思っていることを自分の力で叶える経験を積むことはとても大切で、その経験を通して子どもは主体性や創造性など、自分が個として生きていくうえでまず必要な力を育んでいきます。

そして次の段階として、個人差はあれどもう少し年齢が上がって周りのことが見えるようになってくると、協調性や社会性などの他者と関わって生きていく力を徐々に身につけていく成長段階がきます。

まず自分の気持ちや好奇心からくる行動が満足にできなければ、自分より他者を優先して行動し続けることはなかなかできません。

1歳と5歳を比べると、5歳のお子さんの方ができることが増えている分、親として望むことが増えてしまいがちですよね。しかし、まだまだ「個」を育んでいる時期なんだと認識することがひとつ大切なことです。

そのためおたよりの中で「次男のことが好きでないのか」とおっしゃっていることに関しても、そういう気持ちからの行動というより、発達段階からくる行動である可能性が高いということになります。

▼兄、弟というフィルターで見ないようにすることが大事

そしてもうひとつ大事なこととしては、子どもを「兄」「弟」というフィルターで子どもを見ないようにすることです。

親は「お兄ちゃんなんだから」と意識的に子どもに言っていないとしても、無意識にきょうだいを「上の子だから」「下の子だから」というラベリングで見てしまうことがあります。

今回のご相談のケースでも、もしも5歳のお子さんががひとりっ子で、その空間で黙々と集中して遊んでいるだけなら気にならないかもしれないことも、1歳のお子さんがいるからこそ「お兄ちゃんなのになんで…」と思ってしまうんですよね。

しかし、この「上の子だから」「下の子だから」というフィルターは、子どもにとっても親にとってもあまりいいことがありません。

上の子もたまたま先に生まれただけで、望んでお兄ちゃんになったわけではありませんよね。実際に私自身も長女なのできょうだい関係で言えば「お姉ちゃん」ですが、望んで先に生まれたわけでもなく、たまたま長女だっただけです。

私は3つ下に妹がいる2人姉妹なのですが、親は私のことを「お姉ちゃん」と妹に呼ばせることをしませんでした。妹からは「◯◯ちゃん」と名前で呼ばれるんですね。名前の呼び方に限らず、親から「お姉ちゃん」である私を強要させられなかったことに、私は今でもとても感謝しています。

「お姉ちゃんである以前に、ただの私という人間である」ということが日常で肯定されていたのが、とてもありがたかったのです。

結果的に私と妹は今でもとても仲が良く、お姉ちゃんだから上、という上下関係もない対等な関係として人間関係があるように感じています。

このように私の親がきょうだいのラベリングをしなかったことには、母自身が長女で「お姉ちゃんだから」をよく言われていたという経験があったそうです。それがとても嫌で、「好きでお姉ちゃんやってるわけじゃない!」と思ってそれを自分の子育てにいかしたのだそうです。

私はこの母の経験からくる育児の方針にとても救われましたし、感謝している部分が大きいこともあり、きょうだいを「上の子」「下の子」というふうに見ないことの大切さを実感しています。

▼上の子に望む行動があるときに親ができること

今回のご相談のケースでは、ケンカになるので兄弟2人の空間を分けて過ごしていて、ご主人がいらっしゃるときはみんなで関わって遊ぶようなことをされているとおっしゃっています。

私はこれもひとつの工夫としていいなと思いました。

子ども本人が他者と積極的に関わって遊びたいと思っていないのに、無理矢理させることがいいわけでもありません。いつか関わろうとする成長段階が来ますので、その時々の2人の関係性を見て臨機応変に対応していけたら良いのだと思います。

そして、もし上の子にこんなふうに下の子と関わってほしいと望む行動がある時は、その行動を上の子自身にしてあげるのがおすすめの方法です。

つまり、下の子をかわいがってお世話してほしいなら、まず上の子を親がかわいがってお世話するということです。

例えば、下の子を優しくなでてほしいなら、上の子を親が優しくなでます。もし下の子にこんな声かけをしてほしいと思うなら、その声かけをまず上の子にします。

場合によっては(おむつ替えなど)下の子にやってほしいことを「こんなふうにするんだよ」と下の子にやりながら見本を見せることも一つの方法として良いのですが、基本の考え方としては上の子に対して親がお兄ちゃんお姉ちゃんになったつもりで接するようなイメージです。

子どもは自分が与えてもらったことでなければ、人にも与えることができません。つまり日常的にかけられている声かけは自分でも言いやすくなります。例えば人から「ありがとう」と言われていれば自分も言えるようになるし、「ごめんね」と言われていれば「ごめんね」が言えるようになりやすいということです。

(もちろん例外はあります。例えば、親が叩いていなくても子どもが叩くことはあります。これは発達段階や特性から来る行動の場合が多く、また別の話です。)

一説に、学ぶの語源は「真似ぶ」だと言われます。子どもは身近な大人の行動や自分に与えてもらったものを真似して他者に行動することがあります。

上の子にこうなって欲しいと望むときは、まずは親がその行動を上の子自身にやってみることを、できるところから取り入れてみてくださいね。

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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

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