子どもの言葉づかいが気になる。育児をしていると自分の対応はこれで合っているのかも不安になる。
こんにちは!保育士ごんちゃんです。
現在、子育て支援保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。
そしてわたしも現役の子育て世代で、2人姉弟の育児に日々奮闘しています。
おたよりフォーム宛に、お子さんの言葉づかいに関するこんなお悩みをいただきました。
【ペンネーム/ほしうめさんより】
子どもの言葉遣いについてご相談です。
4歳の息子が、保育園でいろんな言葉を覚えてくるようになりました。
一時期、何を言っても『めんどくさーい』というようになり、どうしたのか聞くと、保育園で○○くんがよく言ってるんだとのこと。
他にも下品な言葉や語尾が乱暴(くさい→くせぇなど)な言葉を覚えてきます。
そういう年頃なのかな、とは思いますが、私としてはそういう言葉が苦手であまり使って欲しくないと思っています。
『そんな言葉使わないよ』と伝えていたところ、正義感のある息子はお友達に"そんな言葉つかっちゃいけないよ!"と言っていることが分かりました。
ご家庭それぞれの方針があると思うので、私は他人のお子さんの言葉遣いを否定することはするつもりはないです。
そこで最近は、『お母さんはその言葉ちょっと嫌いだなー』と伝え、『他のお友達が使っていてもそのおうちの言葉だから、注意はしなくていいんだよ』と伝えています。
そうしたら、注意することはやめたようですが、家で、『○○ちゃんがお母さんの嫌いな言葉つかってたよー』と報告みたいに言ってくるようになりました。
本当は自分も言ってみたいけど、我慢しているということなのかなと思ったりすることもあります。
子育てしていると、私の伝え方や言っていることは良いのか迷うことがたくさんあります。
私自身が考えすぎる性格で、子供に口を出し過ぎなのかなとも思ったりもします。
子どもの性格によって対応は変わると思いますが、しゃーごんさんならどう対応されますか?
今回はこちらのご相談内容をもとに、お話をしていきたいと思います。
▼気持ちを伝えて見本を見せる
「子育てしていると、私の伝え方や言っていることは良いのか迷うことがたくさんあります。」とおっしゃっていますが、今回のおたよりの内容をお伺いして私はとても素敵な関わりをされていると思いました。
私は子どもにしてほしくないことを伝える時「アイメッセージでお母さんの気持ちを伝えてほしい」ということをよく言います。
まさにご相談者さんは「お母さんはその言葉ちょっと嫌いだな〜」というアイメッセージで伝えていらっしゃいます。
アイメッセージは、自分を主語にして相手にお願いしたいことややめてほしいことを伝えることができる方法で、アンガーマネジメント等でも言われている相手を尊重したコミュニケーションです。
「(お母さんは)悲しいからやめてほしいな」「(お母さんは)してほしくないんだよね」「(お母さんは)乱暴な言葉は聞きたくないな」など、自分を主語に置いた言い方をすることで、相手を否定することなくやめてほしいことを伝えることができます。
さらに、ご相談者さんは「めんどくさーい」という言葉が出た時、「どうしたのか聞く」とおっしゃっていますが、これも素晴らしい関わりです。
頭ごなしに注意するよりは、なぜそんな言葉が出たのかの背景や子どもの気持ちを知ることはとても大切だからです。
「まず受け止める」という関わりをされていることや、アイメッセージで伝える関わりはこのままぜひ続けていただけたらと思います。
もうすでに素晴らしい関わりをされていますので、そのままで良いと思うのですが、せっかくおたよりを送っていただいていますので、さらにできることがあるとすれば…という気持ちで少しご提案させていただきます。
できるときから試してみてほしいことは、「してほしい言動を、具体的に見本を見せて伝えること」と「子どもに望ましい行動が見られた時はスルーしないで褒めること」です。
してほしい言動を、具体的に見本を見せて伝える
子どもの発達段階を考えても「走らないで」=「歩くこと」などのように、否定語の注意からするべき行動を即座に判断するということは、とても難しいです。
そのため、実際にしてほしい言動を大人が見せながら具体的に伝えていくことが大切になってきます。
今回のご相談のケースでは、お母さんが使わないでほしい言葉の代わりに使ってほしい言葉は何なのかを具体的に伝えてみてほしいと思います。
例えば、乱暴な言葉を使ったとしたら、「乱暴な言葉は使ってほしくないよ」と伝えたうえで、その言葉に変わる言葉を実際に言って「こんなふうに言おうね」と教えます。
子どもが「返せ!」と言っている場合に「返してと言おうね」と教えるようなイメージですね。
しかし「してほしくないだけ」という場合もありますよね。今回のご相談のケースでいう「めんどくさいという言葉を言わないでほしい」という場合などです。
「めんどくさい」という言葉の代わりに言える言葉があればいいのですが、最適な言葉が見つからない時は「代わりにしてもいい行動を教える」ということも方法のひとつです。
例えば、めんどくさいと言いたくなったら「左の手のひらに右の指でぐるぐると丸を描く」などのように、周りの人に影響がなく子ども本人で解決できる行動を教えます。
よく「緊張したら人の文字を3回手のひらに書いて飲み込むといい」と言いますが、そんな感じですね。
ちなみに私が子どもたちと関わる時に意識していることとして、「触らないで」という言葉で注意する時は「見るだけね」というしてもいい行動を付け加えるようにしています。
そうすると、「触らない」と「見るだけ」は同じ行動ですが、子どもは「触らないで」だけ言われた時よりも行動が変わることが多いです。子どもたちにとっても「見るのはいい」とやってもいいことがあるというのは行動に移しやすいんですね。
しばらくすると子どもたちのほうから、触らないほうがいいものを見た時に「見るだけだよね〜!」言うようになることも多々あります。
望ましい行動はスルーしないで褒める
子どもが望ましい行動をしている時は、大人にとっても特に困ることがないので何気なく見て終わりということがよくあります。
しかし、日頃から伝えている望ましい言動を子どもが実際にすることができた時は、褒めるチャンスです。
「できたね!」「ありがとう!」「お母さん嬉しいよ」など、子どもを認める声かけができるとその行動が継続する可能性が高まります。
乱暴な言葉を使った時に注意する頻度よりも、望ましい言葉を使えたときに褒める頻度を高めていくことがポイントです。
子どもは自分に注目してもらうことを望んでいます。そのため、注意だとしても自分に注目が集まるならその行動を取ってしまうのですね。
ですからできるだけ、望ましい行動をスルーしないで褒めるということを意識してみてくださいね。
▼自分の対応がこれでいいのだろうかと不安になったら
育児をしていると「これでいいのだろうか」と思うことはたくさんあると思います。私自身も日々思いますし、おそらくそう感じながら育児をされている方は多いのではないでしょうか。
しかし、育児の正解は自分が決めるしかありません。そして子どもにとっていいことばかりが育児の正解とは限りません。親が自分の人生や日々の生活を楽しむことも大事だと思っています。
私は、育児は子どもが将来困らないように正しく育てていくことではないと思っています。
子どもが子どもである今しかない時間を、親子でいかにしあわせな時間にしていけるかが大切だと感じています。
世間でよく言われる「こうするべき」という正しさよりも、家庭での正解やしあわせな時間を過ごすことを大事にしてもいいんじゃないでしょうか。
子どもは育つ力を持っているので、親子でしあわせだと感じられる時間を積み重ねていければ良いのだと思います。
今回のご相談者さんは、お子さんのことを想うからこそ悩んでいらっしゃりこうやっておたよりを送るという行動をしてくださいました。その気持ちがあれば、十分すぎるくらいだと思います。
もうすでにできていることがたくさんありますので、自信を持ってお子さんとの時間を楽しんでいってくださいね。
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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!