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飼い主なら知っておきたい!猫に多く見られる病気6選!

SHIHO元動物看護師・猫好きママライター

猫と暮らす上で、飼い主としてはその健康をなるべく長く守りたいと思います。しかし知らず知らずのうちに、猫が病気にかかっていたというケースも珍しくありません。

そのため飼い主は、少なくとも「猫によく見られる病気」のことを知っておき、早めに対策をうてるようにしたいものです。

そこで今回は、猫がとくに気をつけたい病気を6つを解説します。猫の飼い主ならば知っておきたい病気をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

1.猫に気をつけたい病気6選

猫もとくに12歳ころにもなると、これまで元気だった猫にも不調が現れてくることも…。数ある猫の病気のなかでも、とくに気を付けたい病気は次の6つ。ひとつずつ解説します。

3‐1.がん(悪性腫瘍)

「がん」がどういった病気であるか、なんとなく想像がついている人が多いと思います。人の死因第1位の「がん」ですが猫の死因第1位も同じく「がん」で、猫の平均寿命が伸びた分、高齢猫のがんの罹患率も高まっています。

がんとは「悪性腫瘍」の総称。細胞が異常に増えて塊になったものが「腫瘍」といわれるもので、そのなかの悪性のものをがんと呼びます。

悪性腫瘍のやっかいなところは、周囲に浸みこんだり(浸潤)ほかの組織に飛んだり(転移)することです。そして猫の場合は犬と比較しても、腫瘍のほとんどが「悪性」であることが多いのです。

がんのなかでも、猫によく見られるがんは乳がん・肥満細胞腫・リンパ腫・扁平上皮癌・注射部位肉腫の5つ。

※それぞれのがんの詳しい紹介は、のちに別の記事で紹介します。記事更新までしばらくお待ちください!

初期症状はそれぞれのがんによりけりですが、共通して見られる症状は「体重減少」です。そのため健康診断の受診や、日ごろから猫の体重を測定して、早めに異変に気づけるようにしましょう。

1‐2.慢性腎臓病

慢性腎臓病は猫の死因第2位の病気で、がんに続き猫の健康を脅かしています。なおこの慢性腎臓病というのは、「慢性的で治らない腎臓の病気」の総称です。

「慢性腎臓病」と診断されるのは、次のいずれかの状態もしくは両方にあてはまった場合です。

・3ヵ月以上腎臓の障害(たんぱく尿など)が続いている
・3ヵ月以上腎臓の機能が低下してる

なぜ慢性腎臓病になるのかは不明なことがほとんどですが、砂漠でうまれた「猫」という動物自体おしっこを濃縮する機能が優れているため、あまり水分を摂取せず、腎臓に負荷がかかりやすいのも要因にあります

とくに高齢猫に多く見られ、猫の「現代病」といえる病気です。

慢性腎臓病のやっかいなところは、初期症状がほとんどないことと完治ができないこと。肝臓に続き「沈黙の臓器」である腎臓は、吐く・食欲不振・多尿といった症状が現れるときにはすでに進行してしまっているケースが多いのです。

また一度壊れてしまった腎臓を再生することはできないので、治療は「症状を遅らせる」「体の中の老廃物を貯めない」ことを目的として行います

慢性腎臓病にはこれ!といった予防はありませんが、腎臓に負荷をかけさせないように、日ごろからたくさん水を飲ませてあげることが大切です。

1‐3.肥大型心筋症

猫に非常に多く見られる心疾患に「肥大型心筋症」という病気があります。肥大型心筋症は心臓の筋肉が肥大し心機能が低下する病気で、生後4ヵ月~16歳と幅広い年齢でみられます。

肥大型心筋症を患っていると前触れもなく「血栓症」を引き起こすことがあるため、突然死の原因にもなることが…。原因は不明です。しかし、遺伝が関係していると考えられています。

またこの病気も軽度~中程度まではこれといった症状も現れず、進行して肺水腫といった病気を併発すると呼吸困難・嘔吐・眠いのに横に慣れないといった症状が現れてくるようになるのです。

ただそうなると緊急度は高くなるため、一刻も早く治療をうける必要があります。

根治の方法はありませんが、猫のQOLを落とさないようにたくさんの薬(心臓の血管を拡張させるもの・心臓の収縮力を強めたりするものなど)を飲みながら、生涯つきあっていかなければいけません。

高齢猫だけでなく7歳以下の若い猫でも罹患する病気ですので、症状が出る前に、早期発見するためにも一度健康診断で心臓のチェックをしてみるのが良いです。

わたしの愛猫は昨年突然死でこの世を去りました。原因は不明ですが、知り合いの獣医師に意見をもらったところ「なにかの心疾患だろう」とのこと…。

おそらく持病として持っていたのでしょうが、症状もなく、健康診断にも行かなかったので見落としてしまいました。本当に後悔しています。ですからわたしは飼い主さんたちに「どうか健康診断にいってもらいたい」と発信しております…。

1‐4.尿路結石症

腎臓・尿管・膀胱・尿道のなかに結石や結晶ができて、臓器を傷つけたり詰まったりしている状態のことです。結晶や結石は砂のように細かいものもあれば、数センチほどの大きな塊になっているものもあります。

尿路結石症はオスメス関係なく発生しますが、症状が重くなりやすいのはオスです。尿道が細くて長いために、結石が詰まりやすいのです。

そして尿路結石には2つのタイプがあります。

・ストルバイト結石
尿のPHがアルカリ性に傾き、リン・マグネシウム・アンモニアが結合してできる結石です。主に投薬や食事療法で結石を溶かす治療を行います。

・シュウ酸マグネシウム結石
尿のPHが酸性に傾き、シュウ酸とカルシウムなどのミネラル分が合わさって、結石がつくられます。ストルバイト結石のように融解はできないタイプの石なので、外科的処置で取り除かなければなりません。

尿路結石症が原因でおしっこができない状態が続くと、体に毒素がまわる「尿毒症」を発症し、数日以内に命を落とす危険があります

そのためトイレによく行く・おしっこが少ししか出ない・血尿・おしっこにキラキラしたものがあるといった症状が現れたら、その日のうちに動物病院にかかりましょう。

また日ごろから水を飲ませる・適度な運動をさせる・ストレスを減らすといった生活を心がけて、下部尿路疾患にならないように努めるのも大切です。

1‐5.糖尿病

猫の糖尿病は膵臓が十分な量のインスリンを生成できなくなったり、体が適切にインスリンを利用できなくなったりすることによって引き起こされる代謝性の疾患です。

インスリンは血糖値を正常に保つために不可欠なホルモンであり、その不足やインスリンの働きが阻害されることで体にうまく糖分が吸収されず、血中の糖が増えると「糖尿病」が発症します

糖尿病になりやすい猫に共通する特徴としては、中高年以上の去勢オスや過体重の猫(いわゆる「わがままボディ」)に多くみられる傾向です。

そして猫の糖尿病にも2つのタイプがあります。

・1型糖尿病
自己免疫もしくは特発性の原因によって膵臓のβ細胞(インスリンを分泌する細胞)が破壊されて、インスリン不足になるもの。猫では非常にまれなタイプです。

・2型糖尿病
主に生活習慣や遺伝といった要因で、インスリンは分泌されているものの本来の働きをしなかったり、作用しにくくなったりするもの。猫の糖尿病のほとんどがこのタイプといわれています。

糖尿病の合併症「ケトアシドーシス」という状態になると、重症のケースでは突然昏睡状態に陥り命に関わることもあります。

そのため多尿・多飲・(食べているのに)体重が減るといった症状が現れたら、獣医師に相談してください。また猫を肥満にさせない・ストレスをかけさせないなど、日常でできる予防も行うようにしましょう。

1‐6.甲状腺機能亢進症

猫に多く見られる内分泌性の疾患で、甲状腺ホルモンであるトリヨードサイロニン(T3)およびサイロキシン(T4)が過剰に産生される状態を指します。

甲状腺ホルモンは体の代謝を活発にする働きがありますが、甲状腺機能亢進症になると体の代謝が亢進し、全身にさまざまな症状が現れます

8歳以上の高齢の猫に多く、体重減少・多飲多尿・活動更新・下痢嘔吐・呼吸促進などの症状が見られ、進行すると元気喪失・食欲低下・心肥大などが見られるようになります。

原因は甲状腺の腫瘍や過形成、甲状腺ホルモン薬の過剰投与といったものです。しかし甲状腺そのものを摘出したり、内服薬をつかったりと適切な治療を行えば完治も望める病気です。

2.まとめ

猫が気をつけたい病気はさまざまで、今回紹介したもの以外にも猫が罹患する病気は多々あります。

しかし飼い主は定期的な健康診断や毎日の健康セルフチェックなどを行い、これらの病気をできる限り予防するように努めることが重要です。

飼い主としてのできる役目を果たし、猫が幸せで健康な生活を長く送れるようにサポートしてあげましょう。

元動物看護師・猫好きママライター

こんにちは!元動物看護師・フリーライターSHIHOです。これまでの経験を活かし、ペットの健康や気持ちなどペットに関する情報を発信! 愛猫家で自宅では老猫2匹と楽しく過ごしています!男の子二人の育児にも奮闘中…!ペット好きさん、ぜひ気軽に覗いてみてください!個人ブログも運営してます SHIHOのサイト一覧:https://lit.link/Shiho2kidsmama

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