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猫にも血液型がある!?猫の血液型の秘密3選を紹介!調べたほうがいい?

SHIHO元動物看護師・猫好きママライター

猫の血液型についての情報は、一般的にはあまり知られていません。わたしが動物看護師時代に関わった飼い主さんでも「愛猫の血液型を知っている」という人は数人程度でした。

しかし実は猫にもさまざまな血液型が存在し、それが医療面では大切なポイントにもなっています。

そこで今回は猫の血液型についての秘密と、調べる必要はあるのかどうかなど詳しく説明します。猫の飼い主さん必見の内容です。

1.猫の血液型の秘密3選

1‐1.猫の血液型は3種類

ヒトと同様に、猫にも血液型が存在します。猫の血液型はA、B、ABの3つに分類され、O型はありません

そしてこのなかでもA型がいちばん多く80%以上、次いでB型20%前後、ごくわずかのAB型の順に存在数が少なくなっています。

人と同様子どもの血液型は親からの遺伝で決まりますが、血液型自体は猫の赤血球の表面に存在する抗原(血液型抗体の標的となる物質のこと)の違いによって決定されます。

たとえば猫でいちばん多いA型は抗原Aを持ち、B型は抗原Bを持っています。AB型は両方の抗原を持つ、いわばダブルで珍しい型。なお人間でもAB型の人の割合は、約10%程度だそうです。

1‐2.猫も血液型によって性格は決まらない

人ではよく血液型による性格診断などがありますが、それらは実際に科学的根拠に基づいたものではありません。

血液型と性格の関係については不明な点が多く、人と同様猫も「性格は血液型で決まる」という科学的根拠はありません

性格に影響を与える要因として大きいのは、育ち方と環境です。厳しい扱いをされ社会性が芽生えにくい環境だと神経質な性格になりやすく、愛情豊かな触れ合いが多ければ人に親しい性格になる傾向もあります。

そのため「A型の猫はこう」といった、性格と血液型の関係性は今のところないと推測できるでしょう。

1‐3.血液型は地域差や品種の差がある

猫の血液型は、地域差や品種の差が見られることがわかっています。

たとえば日本の猫では90%以上の割合でA型の血液型を持っているのですが、オーストラリアやイングランドではB型猫の割合が少し増えるそうです。

また品種をみてみると、アメリカンショートヘアはほぼ100%の割合でA型、日本猫やシャム、ロシアンブルーもA型の個体が多いといわれています。

全体的に割合の少ないB型でも、ブリティッシュショートヘア・エキゾチック・デボンレックスといった品種が、約30%以上の割合でB型をもっているのだとか。

数が少ない型(BやAB)を持っていると、非常時に適合する血液が少なくなるのがデメリット。

ただB型が多い品種の猫はあらかじめ調べておくと、ドナーとして「猫助け」がしやすくなります。もちろん助けてもらう時も、同様です。

2.猫の血液型は調べておいた方がいい?

猫の血液型は調べないよりも、調べたほうが良いといえます。しかし猫の妊娠を希望しないのであれば、絶対にやったほうがいい!わけではなく、飼い主の任意で決めても問題ありません。

というのも血液型の指標が必要となるのは、猫の産後の授乳時と非常時(大量出血など)です

授乳時は、B型の母猫がA型の子猫に授乳すると子猫の赤血球が壊れて死んでしまう「新生児溶血」を防ぐために必要となります。

もう一つ必要となるのは、大量出血や貧血などをして輸血をするとき。

しかしこのときは「血液型が一緒だから輸血しましょう」となるわけではなく、あらかじめクロスマッチテストという「患者の猫にドナーの血液を輸血しても問題ないか」を確認するためのテストをします

血液型が一緒でも、クロスマッチテストの結果が悪いと輸血は行えません。つまり非常時の輸血は、血液型を知っているだけではダメなのです。

基本的に同一血液型であればクロスマッチテストも問題ないことがほとんどですが、まれに反応がおきるケースも世界中でいくつか報告されているようです。(参考:A型でもB型でもない猫の新しい血液型を発見か

とはいえあらかじめ血液型を知っていれば、非常時の備えやドナーとしても役たつもの。実際検査する猫は人間ほど多くないですが、やっておいて損することはないでしょう。

なお血液型は、動物病院で調べることができます。費用は病院ごとに異なりますが5,000円~ほど、少量の血液で判定可能です。興味があれば、かかりつけ獣医師にお願いしてみましょう。

ドナーを必要とする動物病院は数多く見られます。ドナーにも年齢など条件がありますが、愛猫と一緒に「猫助け」をしたい!気持ちがあれば、ドナーについて調べてみてくださいね。

3.まとめ

猫の血液型に関する研究はまだまだ進んでおり、今後さらに多くの情報が明らかになることが期待されます。

血液型と性格や病気の関係、より安全な輸血方法など、猫の健康を守るための研究が進むことで、猫の寿命が延びQOL (生活の質) が向上していくかもしれませんね。

元動物看護師・猫好きママライター

こんにちは!元動物看護師・フリーライターSHIHOです。これまでの経験を活かし、ペットの健康や気持ちなどペットに関する情報を発信! 愛猫家で自宅では老猫2匹と楽しく過ごしています!男の子二人の育児にも奮闘中…!ペット好きさん、ぜひ気軽に覗いてみてください!個人ブログも運営してます SHIHOのサイト一覧:https://lit.link/Shiho2kidsmama

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