【京都市東山区】東山三条の「大将軍神社 東三條社」。京都市内に大将軍神社が他にもある理由とは?
京阪三条駅から三条通りを東に200mほど行ったところにある「大将軍神社 東三條社」。
京都市内には北区に「大将軍」という地名があり、大将軍神社の名前の神社が各所にあります。
「同じ京都市内に同じ名前の地名や神社があるのはなぜ? 将軍と何か関係があるの?」と思い、お参りがてら見学させていただきました。
境内は整備されて掃き清められており、手入れが行き届いています。
人の往来や車通りが多い三条通に近いのに、人がおらず静かで不思議な雰囲気でした。
こちらの看板には素戔嗚尊が祀られており、1月1日に元旦祭、2月17日に祈年祭、5月17日に大祭、11月23日に新嘗祭が行われていると書かれています。
平安時代の陰陽道の考えに方位神というものがあり、吉方や凶方を司る神々が鎮座される方角が年や日によって変わるというもので、凶方に行くのはよくないとされました。
そのため、例えば東が凶方なのに行かなければいけない場合は、一旦南に行ってから北東に進む「方違え」が行われており、古文には「方違えのために、牛車を遠回りさせた」というような記述もあります。
京都では吉方を司る年神様を祭る風習が残っており、毎年方向が変わる年神様の方向に向けられるように、360度回転する神棚を置かれている旧家もあるそうです。
同じ方位神でも大将軍神は荒ぶる神として知られ、3年毎に鎮座される方向が変わるため、京都では御所を中心として東南・北西・南西・北東の4カ所に大将軍神社を建立して、神を鎮めていました。
大将軍神社は天皇の居住地である大内裏に邪霊の侵入を防ぐという役割があり、大将軍神社 東三條社は東南隅の神社に当たります。
大将軍神が素戔嗚尊と同一視されたため、こちらでは素戔嗚尊が主祭神になっています。
平家物語の中で、源頼政が鵺退治をした鵺の森もこの地にあり、雄々しい由縁がたくさんある神社です。
境内には軍馬なのか神馬なのかわかりませんでしたが、馬の像もありました。
大内裏の霊的な守護のためとはいえ、3年毎に鎮座される場所を変える大将軍神のために、4つ神社を建立したという事からも、当時の人々から畏れ敬われていたことがうかがえました。
【施設情報】
住所:〒605-0019 京都府京都市東山区長光町640
拝観時間:24時間拝観可能
社務所の開所は不定期で、ツイッターで開所日・時間を告知されています