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詳説!知床遊覧船の安全管理規程

宙船

乗り物大好きブロガー

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2022年5月4日に知床遊覧船事故で注目!安全管理規程とはという記事を書きました。あれからカズワンが引き揚げられ、更に海上保安庁や国土交通省などの発表、各マスコミの報道が続いております。マスコミ報道はどうしても断片的になりがち。今回は有限会社知床遊覧船の安全管理規程と運航基準について、管轄する国土交通省の発表から多くの報道とは別の視点で掘り下げます。

国土交通省の発表詳細は海事局HP!

国土交通省のトップページ(外部リンク)を見ても、国土交通省が取り扱う範囲が広いせいか、知床遊覧船関連の大半の発表はすぐに見つける事は出来ません。報道・発表(外部リンク)を探しても情報は少な目。

実はマスコミ各社など国土交通省から直接資料を受け取れない、一般の我々が現時点で知るのに役立つのは担当の

国土交通省海事局のホームページ(外部リンク)

です。

詳しく!知床遊覧船の安全管理規程

国土交通省海事局のHPに、有限会社知床遊覧船安全管理規程の全容(外部リンク)が発表されました。以前私が書いた記事で書いた通り、安全管理規程には国土交通省が定めるひな形(外部リンク)があります。ここでは最初から最後まで読んでいきましょう。

*注:下記第〇条の〇は有限会社知床遊覧船の安全管理規程に合わせています。

第1・2章

「第1章 総則 (第1条から3条)」

「第2章 経営トップの責務 (第4条から6条)」はひな形と同じ。

第3章

「第3章 安全管理の組織 (第8条)」はほぼ同じですが、知床遊覧船ならではの表現があります。

ウトロ営業所又は船舶に安全統括管理者、運航管理者、運航管理補助者を置くという内容。

第4章から10章

「第4章 安全統括管理者、運航管理者等の選解任並びに代行の指名(第9条から第13条)」

「第5章 安全統括管理者及び運航管理者等の勤務体制(第14条から第16条)」

「第6章 安全統括管理者及び運航管理者等の職務及び権限(第17条から19条)」

「第7章 安全管理規程の変更(第20条)」

「第8章 運航計画、配船計画及び配乗計画(第21条から23条)」

「第9章 運航の可否判断(第24条から28条)」 

「第10章 運航に必要な情報の収集及び伝達(第29条から31条)」

も基本は同じなのですが、運営人数が少ないので下記の表現が所々で出て来ます。

「経営トップが(安全統括管理者及び運航管理者を)兼任している場合を除く」

「船長が運航管理者を兼任している場合を除く」

「安全統括管理者が運航管理者を兼任している場合を除く」

「船長が運航管理者を兼任している場合は、運航管理補助者が行う(把握しておくものとする)」

公表文書の最後に出て来ますが、安全統括管理者・運航管理者は桂田社長となっており、運航管理補助者の名前を書いた形跡は見る限りありません。

第11章

「第11章 輸送に伴う作業の安全の確保(第32条から37条)」ではひな形で出て来る、第32条(作業体制)の項目がありません。甲板で車両などを積み下ろしする作業がある船では必修ですが、知床遊覧船では旅客と船員の乗降なので削除となります。

あと船長一人での乗務があるので、第35条では「船長以外に乗組員が乗船していない場合は除く」が追加。それら以外はひな形と同じです。

第12・13章

「第12章 輸送施設の点検整備(第38条から40条)」

「第13章 海難その他の事故の処理(第41条から48条)」はひな形と同じ。

第14・15章

「第14章 安全に関する教育、訓練及び内部監査等(第49条から53条)」と「第15章 雑則(第54・55条)」では少人数なので、

「安全統括管理者が運航管理者を兼任している場合を除く」

「陸上作業員がいない場合は除く」

「経営トップが(安全統括管理者及び運航管理者を)兼任している場合を除く」

という表現が再び出て来ますが、それ以外はひな形と同じ。

知床遊覧船の社内事情が分かる表現があるけど、第1章から15章の詳細についてマスコミの報道ではそれほど触れられませんでした。

報道されたのは運航基準の一部!

安全管理規程に関するマスコミの報道で大きく取り上げられたのは、結局運航基準の一部だけでした。報道を再び見る前にここでは最初から検証。敢えて要約中心に進めます。

第1章 目的

第1条(目的)はやはりひな形とほとんど同じ。

第2章 運航の可否判断

第2条(発航の可否判断)は、

1.ウトロ漁港内の気象・海象が風速8m/s以上、波高0.5m以上、視程300m以下
2.発航前において、航行中に遭遇する気象・海象(視程を除く)が風速8m/s以上、波高1.0m以上

のいずれかなら発航(多くの人が想定する出港)中止という意味です。

第3条(基準航行の可否判断)は発航したけど、船体動揺等で基準航行出来ない場合は中止。その時の対応と目安となる数値を記しており、目安は

気象・海象が風速8m/s以上、波高1.0m以上、視程300m以下

第4条(入港の可否判断)は発航してしまい、ウトロ港に戻りたいのに港内の条件が悪い時の数値基準、及びとるべき方法。数値基準は第2・3条と同じです。

第4条の2(運航の可否判断の記録)はひな形と同じ。最後に「記録は適時まとめて記載してもよい」とありますが、記録方法や内容について問題となりました。

第3章 船舶の航行

第5条(航海配置等)は狭水道が知床遊覧船の航路にないので、ひな形の(5)はなし。

第6条(運航基準図等)はひな形と同じ。

第7条(基準経路)と第8条(速力基準等)は、ひな形と比較すると知床遊覧船の記載ミスに気づくと思いますが、言いたい事は判ると思います。

第9条(特定航法等)はひな形と違い、事情に合ったオリジナル表現。

第10条(通常連絡等)、第11条(入港連絡等)、第12条(連絡方法)、第13・14条(機器点検)はひな形とほぼ同じですが、実際にどれだけ出来ていたかが問題となりました。

続いて航路基準図が示されていますが、かなりローカルかつ専門的なので省略します。

まとめ

1.国土交通省の発表詳細は海事局HP。

2.有限会社知床遊覧船の安全管理規程も国土交通省が定めるひな形に沿って作成されている。

3.運航基準に運航の可否判断が明確に定められている。

4.マスコミの報道は運航基準の一部が中心。

続きには作業基準、事故処理基準もありますが、詳細の解説は後日書きます。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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