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北海道廃駅跡を行く!石勝線(南千歳ー新得)

宙船乗り物大好きライター・そらふね

JR北海道が無人駅42駅の廃止を検討という北海道新聞の報道(外部リンク)に、石勝線(南千歳ー新得)滝ノ上駅(夕張市)が含まれていました。

石勝線は途中の駅(追分・川端・滝ノ上・新夕張・占冠・トマム)よりも信号場が多い路線。JR発足後の廃駅が3カ所あります。

2023年8月、廃駅3か所に車で訪問してみました。石勝線の車窓を楽しむ、マナーを守って車やオートバイなどでの訪問を楽しむ時に参考になれば幸いです。

1.東追分駅(安平町・2016年3月26日廃止)

北海道道462号・川端追分線を追分駅前から夕張方向に進むと、左側の車窓にシェルターが見えてきます。シェルターとシェルターの間がかつての東追分駅、現・東追分信号場(追分駅ー川端駅)です。

石勝線の駅・信号場は全てポイント(線路が分岐する箇所)がシェルターで覆われています。雪などでポイントが故障するのを防ぐためです。

道道462号を追分駅から進んで最初に見えるシェルター
道道462号を追分駅から進んで最初に見えるシェルター

道路からはシェルター間にはポツンと建物1棟ありますが、ホームや跨線橋は見えません。

東追分駅跡とシェルター(道道462号の路肩から撮影)
東追分駅跡とシェルター(道道462号の路肩から撮影)

かつての道道462号から東追分信号場へ向かう砂利道を線路に向けて進みます。

踏切近くから道道462号を向いて撮影
踏切近くから道道462号を向いて撮影

石勝線・東丘通り踏切が現れます。

石勝線・東丘通り踏切
石勝線・東丘通り踏切

駅時代は踏切の左側を進んで駅に行けたのですが、現在は関係者以外立入禁止。一般人が信号場内を眺めるのは道道462号から眺めるか列車に乗るしかありません。

信号場には立入禁止
信号場には立入禁止

踏切は利用出来るので渡ってみました。

東丘通り踏切を北から道道462号方向へ撮影
東丘通り踏切を北から道道462号方向へ撮影

東追分信号場の北側は広々とした畑が拡がる、眺めが素晴らしい場所。かつてCMのロケでも使われました。

東追分信号場北側に拡がる広い畑
東追分信号場北側に拡がる広い畑

踏切から辛うじて信号場構内の一部が見えます。

踏切手前から東追分信号場を眺める
踏切手前から東追分信号場を眺める

道道462号・国道274号と車を進めました。

2.十三里駅(夕張市・2016年3月26日廃止)

国道274号を滝ノ上駅から新夕張駅方向に進むと再び石勝線のシェルターが現れます。国道の路側帯そばに駅舎かと思える建物(継電器室)周辺が、かつての十三里(とみさと)駅、現・十三里信号場。

十三里信号場の継電器室
十三里信号場の継電器室

かつて国道からホームへの出入りは継電器室前からでしたが、現在は金属製の網がかかっていて立入禁止。

かつてのホームへつながる出入口
かつてのホームへつながる出入口

駅時代は新夕張駅側のシェルター前に跨線橋がありましたが、跨線橋は撤去され、フェンスが設置されていました。

かつて駅跨線橋があった付近
かつて駅跨線橋があった付近

跨線橋があった場所手前にはフェンスがあって鍵がかかっていました。

跨線橋があった場所にあるフェンス
跨線橋があった場所にあるフェンス

ここも一般人が信号場内を見るのは列車の中からと国道274号沿い、あと道東自動車道から一瞬見える程度です。

3.楓駅(夕張市・2004年3月13日廃止)

ここでは石勝線全通時に1981年10月開業した楓駅について取り上げます。

国道274号を新夕張駅付近(国道452号との分岐)から占冠・日高方面へ走ると左側に登川郵便局が見えてきます。

登川郵便局
登川郵便局

登川郵便局のほぼ向かいにある坂道を進みます。

国道274号から延びる坂道
国道274号から延びる坂道

坂道途中の建物左側にはJRが設置した立入禁止ロープが。この場所が以前の楓(かえで)駅、現在の楓信号場(新夕張駅ー占冠駅)です。

信号場の建物と立入禁止ロープ
信号場の建物と立入禁止ロープ

坂道の先にあるのが跨線橋。渡る事が出来ました。

かつての3番ホーム跡から跨線橋を撮影
かつての3番ホーム跡から跨線橋を撮影

跨線橋からはシェルターと本線、行き止まりの線路1本が見えます。写真右側の行き止まりの線路が新夕張駅と結ぶ列車のホーム(3番線)と駅舎があった場所。

跨線橋手前から新夕張方向
跨線橋手前から新夕張方向

更に跨線橋を進むと現在の石勝線線路2本が確認出来ます。特急おおぞら・とかち、貨物列車が走ります。

跨線橋を更に進んで新夕張方向を撮影
跨線橋を更に進んで新夕張方向を撮影

跨線橋から占冠・新得方面はシェルターまで見えます。

跨線橋から見た占冠・新得方面
跨線橋から見た占冠・新得方面

跨線橋の先は行きにくかったので戻ります。登川郵便局から国道274号をわずかに新夕張方向に進み、かつての駅出入口付近に向かいます。

新夕張行き3番ホームの線路には草や小さな木が生えていますが、線路の手入れ状況からたまに保線などで使われている事がうかがえます。

3番ホームの線路行き止まりから撮影
3番ホームの線路行き止まりから撮影

ホームや駅舎はありませんが、駅舎前の敷地は今も舗装されていて、車止を眺める事が可能。

1981年10月開業時は新夕張ー楓間を1日6往復していましたが、利用減で徐々に列車本数が減っていき、廃駅直前は1日1往復・日曜日運休という状態でした。

車止。かつてはここに普通列車が発着
車止。かつてはここに普通列車が発着

かつて夕鉄バスの楓駅前バス停(2017年10月1日廃止)があった場所、現在は国道274号の路側帯に新夕張方のシェルターが目の前に見えます。ここにもJRが設置した立入禁止ロープがあります。

楓信号場付近に住宅はありますが、住んでいる人はわずか。更に夕張メロンが美味しい時期に行きましたが、登川郵便局隣にある阿部商店は経営者の体調不良により休業でした。

かつてのバス停近くから新夕張方のシェルターを撮影
かつてのバス停近くから新夕張方のシェルターを撮影

まとめ

1.石勝線で旅客駅として廃駅になった3カ所は現在、信号場となっている。
2.3カ所とも駅舎・ホームは撤去され、JR関係者以外は立入不可。

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乗り物大好きライター・そらふね

地元北海道を中心に日本を旅するフォトライターです。フェリー・飛行機・鉄道旅が得意分野。船会社で船員管理・港業務・営業を経験後、旅行サイトでライターとなる。船・地方空港・名所・ホテルを紹介する記事を多く掲載しました。乗り物移動をより楽しくがモットー。

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