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つい上の子を厳しく叱ってしまう…きょうだい子育ての難しさ

すくすく情報

児童厚生員/児童館職員/保育士

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落ち込んだ顔で語るAさんは、小2と年長の子どもを育てながらパートに出ているお母さん。

兄弟げんかについカッとなって、小2のお兄ちゃんを厳しく叱ってしまったそうです。



●全くタイプの違う兄弟、それぞれ対応が難しい


きょうだいで性格も合うところはとても運がいいご家庭だと思います。

一緒に遊んでいる時はいいけれどしょっちゅうケンカする…というところも多いのではないでしょうか。


Aさんのお家の兄ちゃんは、頭が良くて口が達者なタイプの子。お家では一人で工作などで遊んでいるそうです。

弟くんは、考えるよりも先に行動するタイプの子。お家でも戦いごっこなど体を動かすことが好きなんだそうです。

Aさんのお家では、弟くんがやんちゃな事もあり、弟くんが悪さをしてお兄ちゃんが告げ口に来る…という構図がよく見られます。

児童館に来ても、2人とも別々の場所で遊びたがるのでお母さんは弟くんと一緒に遊ぶことが多いです。


しかし、お母さんが弟くんを見ているとやきもちを妬いてしまうお兄ちゃん。

その日も、食事の用意ができて2人を呼びに行くと「弟が僕のゲームで遊んでいる」「時間になっても交代しない!」と怒ってお母さんに訴えてきたそう。


子ども部屋は散らかり放題、お菓子は食べっぱなし。

「片付けてって言ったでしょ!?」とお母さんが怒ると「その前に弟を叱ってくれ」と訴えるお兄ちゃん。


常々片付けてほしい、お菓子の袋は食べたら捨ててねと言っているにも関わらず、お母さんの要望は無視してケンカばかりしている兄弟。

さらに、ゲームは宿題をやってからという約束なのに、宿題が終わっていない。

お母さんの限界が来て、ついお兄ちゃんに怒鳴り散らしてしまったそうです。


最初は言い返していたお兄ちゃんが最終的に「なんでいつも僕だけ叱るんだよ!!」「僕なんかいらないんだ!!」と言い出し、その言葉に落ち込んでしまったAさん。


「どっちも大事に思ってるんです。でも上の子にはそうは見えてなかったみたいで…」

難しいですよね。そしてよく聞く話でもあります。




●下の子は怒られる対象になりづらい?要領のいい子が多い?


ご家庭の形はそれぞれなので「うちには当てはまらない」という方ももちろんたくさんいらっしゃるかと思いますが…

どうも見ていると、下の子はお兄ちゃんお姉ちゃんがどういうことをしたら怒られる、どういうことをすれば逃げられるかと間近で一番見てきているので要領のいい子が多いイメージです。


上の子が怒られている時も、どこ吹く風でサッと気配を消すのが上手かったり。

そもそも、自分が怒られても全然平気、上の子に揉まれて生きてきたからか打たれ強い子も多い気がします。


そして、上の子は先に生まれている分「これくらいはできるでしょ?」という期待をかけられてしまったり。

下の子は何かやらかしても「まだ小さいし…」と許されてしまったりもします。


ただ、下の子は下の子でお下がりの服しかもらえない、上の子に言いくるめられてしまうなどの苦労もありますよね。

ご自身が弟妹に生まれたという方には、下の子なりの苦労もよく分かるのではないでしょうか。



●双方とも、2人きりで話す時間を


上の子も下の子も真ん中の子も、それなりにきょうだいに不満を持っていることはあると思います。

不満がないところの方が少ないのではないでしょうか。


たまに、保護者の方がそれぞれと2人きりで話す機会を作って「きょうだいのどちらも大事に思っているよ」と伝えてあげてください。

「僕なんかいらないんだ!」と言ってしまったAさん家のお兄ちゃんも、本心でそうは捉えていないと思います。


「きょうだいで贔屓をしてしまっているかも…」と悩んでいる時点で、どちらも大切に思っている証拠です。

そしてきっと、保護者の方の愛情は伝わっているものと思います。

今は分からなくても、きっと大人になる頃にはそのありがたみが分かることでしょう。


人間ですから、たまにはきつく怒ってしまったり不満を持たれる言い方をしてしまうのも仕方ありません。

言葉でしっかり「あなたを大事に思っている」と伝えてあげられたらいいと思います。






(イラスト/オカヤマ)

※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。