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【かつらぎ町】世界遺産高野山の麓にある手網焙煎コーヒーが飲める、世界遺産のようなコーヒー専門店

スピカJターンライター(かつらぎ町・紀美野町)

今年5月27日で7周年を迎える「手網焙煎 歩里人珈琲」。「コーヒーのことならポリトさんに聞け!」ということで、初訪問してきました。

田園の小径を少し登って行くと、眺望の開けた場所にお店があります。店舗前の駐車場からは、のどかな里山の風景が広がります。

店内は靴を脱いで、スリッパに履き替えます。床の木材が気持ち良くて、寝転がれそうなほどの清潔感です。店に入ると目に飛び込んで来たのが、木の箱?と網?店主の岩本克也さんが手作りした、背負って移動できる折り畳み式カウンターテーブルと、焙煎網。初めて見る手作り焙煎網にコーヒーへの探究心が刺激されます。

手作り焙煎網の横にかけられているのは、「Q Arabica Grader」というコーヒーの国際資格です。生豆の評価ができる技能者として認定されています。

店の入り口から、コーヒーの奥深い世界に引き込まれます。

店内の真ん中にはグランドピアノが置かれています。茶色の木の椅子とクッションも手作り。クッションは新幹線のシートなどにも使われている高野口パイル生地を使用。

メニューの内容も、手作りが目につきます。コーヒーは世界中のスペシャルティなコーヒーを扱っています。

今回はランチタイムなので、手作り窯で焼く和歌山のアカイカと地魚のピザマヨ醤油ベース1,500円と、ドリンクセットのブレンドコーヒー300円を注文しました。

地魚とアカイカは店主の岩本さんの父が釣って来たもの。地魚は4種類あり、バーコードを読み込むと魚の紹介を見ることができます。筆者は田辺高校出身なので、田辺の白甘鯛にしました。白甘鯛は期間限定で、時期により2〜3種類から選べることが多いそうです。

釣りだけでなく、ピザ焼きも父が担当。父が自ら焼いて運んできてくれます。「おっさんずラブ」の部長のような丁寧でにこやかな対応にハートを掴まれます。ピザにのせるスライストマトも自家栽培されています。

手作りにこだわった手網焙煎コーヒー

コーヒーは淹れたてを店主の岩本さんが運んできてくれます。大きなカップに並々と注がれているコーヒー。ピザとコーヒーの親子コラボも店内の温かい空気を作り出しています。

店主の岩本さん手作りのピザ釜で父が自ら釣った魚でピザを焼き、店主の岩本さんはこだわりのコーヒーを淹れます。フレンチプレスというコーヒーの淹れ方です。

注文したコーヒーを飲み終える頃に、店主の岩本さんの奥様が試飲のコーヒーを運んできます。エチオピアコーヒーから始まり、アフォガードまで、結局3,4杯の試飲を頂きました。居心地良すぎて居着いてしまいそうです。

居心地の良さは、このご家族の和かさも大きいです。

帰る前にトイレに行っておこう。と店の外にあるトイレに入ると、更にハートを掴まれます。海をイメージして、タイルを割るところから手作りしたという世界観はトイレの枠を超えています。

外履き用のスリッパもお気に入りになりました。

店主の岩本さんは、研究者への憧れを持ちながらも、理想とする自己表現を社会の中で見つける難しさ、もどかしさを感じながら数年過ごしました。その後、塾講師の仕事に携わり、その頃出会った農家兼ライブハウスマスターや、アルバイト先のイタリアンレストランオーナーに影響を受け、珈琲と手作りフルーツソーダのお店をイベントなどで出すようになりました。

「塾講師をしていた時の生徒たちにも、お金がないからできないじゃなくて、知恵を使って自分の理想を実現できることを伝えたかった」と話します。

今後の抱負を伺うと「家族が生活できること。和歌山県、かつらぎ町を紹介する入り口として、人を呼べる場所を作りたくてお店を始めました。これからは、世界遺産を目指して人が来るように、関西空港からも人を呼びたい」とも。足元を固めながらもグローバルな視野もつ岩本さん。カウンターに座って何時間でも話ができそうです。

【店舗情報】
名称:手網焙煎 歩里人珈琲
住所: 和歌山県伊都郡かつらぎ町移218
アクセス:西笠田駅から車で約6分、徒歩約21分
営業時間:月・金曜11:00〜16:00(LO 15:00)土・日曜 11:00〜19:00(LO 18:00) 定休日:火・水・木曜
電話: 070-4015-6741
公式サイト:こちら
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Jターンライター(かつらぎ町・紀美野町)

白浜町出身→東京→かつらぎ町へとJターン。地域の暮らしの面白さを発信していきます。食べる事、きれいなものを見る事が大好きです。

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