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翻訳者が選ぶスティーブ・ジョブズの名言4選(英語&和訳)【伝説のスタンフォード大学スピーチ】

鈴木隆矢翻訳家

こんにちは!ほんやく検定1級翻訳士の鈴木隆矢です。

今回はスティーブ・ジョブズの名言をご紹介します。

スティーブ・ジョブズ(1955~2011年)は米カリフォルニア州サンフランシスコ出身の実業家で、Appleの共同設立者の一人としても有名です。

今回はスティーブ・ジョブズ氏が2005年に米スタンフォード大学の卒業式で行った伝説的なスピーチを取り上げます。

スタンフォード大学スピーチの冒頭、ジョブズ氏は次のように語っています。

Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.

「今日は私の人生から3つの話をしたいと思います。それだけです。大したことありません。たった3つの話です」

スティーブ・ジョブズ(2005年、スタンフォード大学卒業式辞より)

今回はこの「3つの話」で、ジョブズ氏が何を伝えたのか見ていきます。

この「3つの話」の1つ目では「点を繋ぐこと(connecting the dots)」、「3つの話」の2つ目では「愛と敗北(love and loss)」、そして「3つの話」の3つ目では「(death)」が、それぞれテーマになっています。

スティーブ・ジョブズの名言【スタンフォード大学スピーチから】その1「点を繋ぐ」

You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something -- your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

「将来を見据えて点と点を繋ぐことなどできません。過去を振り返ったときに初めて点と点が繋がるわけです。ですから、私たちは将来どこかでその点が繋がると信じなければなりません。直感、運命、人生、カーマ、なんであれ、何かを信じる必要があります。私はこの生き方で後悔をしたことは一度もありません、自分の人生を大きく変えてくれたと思っています」

スティーブ・ジョブズ(2005年、スタンフォード大学卒業式辞より)

1つ目の話では、ジョブズ氏が大学を退学したときのことや、マッキントッシュを設計したときについて語っています。

ジョブズ氏がリード大学で受けたカリグラフィーの講義が、その後マッキントッシュを設計する際に生かされた、と。

カリグラフィーの講義を受けていたときには、その後その知識がそのような形で生かされるとは予想できなかった、と。

スティーブ・ジョブズの名言【スタンフォード大学スピーチから】その2「愛と敗北」

Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven’t found it yet, keep looking. Don’t settle. As with all matters of the heart, you’ll know when you find it.

「仕事はみなさんの生活の大部分を占めることになるでしょう。ですから、心の底から満足できる人生を送るには、自分が素晴らしいと思えることを仕事にしなければなりません。そして、そこで何かを成し遂げたいなら、自分がしていることを愛さなければなりません。もしまだそれが見つかっていないなら、探してください。諦めずに、見つかるまで、探し続けてください。人の心は常にそうですけれども、そういうものが見つかったときは私たちにすぐに教えてくれます」

スティーブ・ジョブズ(2005年、スタンフォード大学卒業式辞より)

2つ目の話では、ジョブズ氏がAppleを解雇されたときのことや、妻との出会いなどについて語っています。

Appleを解雇されたときはとてもつらかったが、それを乗り越えることができたのは自分が好きなことをしていたから。好きなことをしていたから、もう一度やり直そうという気持ちになれた、と。

アップルを解雇された後、ジョブズ氏はNeXTとPixarを創業。NeXTは後にAppleに買収され、ジョブズ氏は再びAppleに戻ることになります。

スティーブ・ジョブズの名言【スタンフォード大学スピーチから】その3「死」

Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma ―which is living with the results of other people’s thinking. Don’t let the noise of others’ opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

「時間は限られています。それを他人の人生を生きることで無駄にしてはいけない。常識にとらわれてはいけない。それは、他人の考えた結果を生きることです。他人の意見によりも自分の内なる声に耳を傾けてください。そして、何よりも大切なこと、それは自分の心と直感に従って生きる勇気を持つことです。どういうわけか彼ら(心と直感)はあなたが真に望んでいることをあなたよりも早く知ることができるんです。それ以外のことはすべて二の次で構いません」

スティーブ・ジョブズ(2005年、スタンフォード大学卒業式辞より)

3つ目の話では、ジョブズ氏が癌の診断を受けたことなどについて語っています。

このスピーチの約1年前に膵臓癌の診断を受け、一度は死を覚悟したものの、検査の結果手術で治せることがわかり、今この場に立つことができている、と。

スティーブ・ジョブズの名言【スタンフォード大学スピーチから】その4「ハングリーであれ」

ジョブズ氏はスタンフォード大学スピーチの最後に次のようなメッセージを残しています。

Stay hungry, stay foolish.

「ハングリーであれ。愚か者であれ」

スティーブ・ジョブズ(2005年、スタンフォード大学卒業式辞より)

これは、1960年代に創刊された雑誌『全地球カタログ』(The Whole Earth Catalog)に記載されていたメッセージだそうで、ジョブズ氏自身も「私も常にそうありたいと願っている」とスピーチの中で語っています。

いかがでしたでしょうか?今回はスティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学スピーチでの名言について解説しました。

私が運営しておりますブログ『ほんやく検定1級翻訳士の【英会話フレーズ集】』の『スティーブ・ジョブズの名言集【英語原文と和訳】』(外部リンク)という記事では今回ご紹介したものを含め、スティーブ・ジョブズ氏の名言を7つご紹介しております。興味のある方は、そちらもご覧ください。

お読みいただきありがとうございました!

翻訳家

JTFほんやく検定1級翻訳士。2014年より翻訳家。英語学習サイト『ほんやく検定1級翻訳士の【英会話フレーズ集】』を運営。中学1年から約10年間ひきこもりを経験、その後土木作業員を経て翻訳家に。静岡県出身。

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