Yahoo!ニュース

【岐阜/瑞浪】まるで秘境!”鬼岩公園”に伝わる鬼が住んでいた洞窟と巨岩と奇岩を巡る

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。今回はマイナスイオンたっぷりな鬼伝説の地を紹介しましょう。秘境感たっぷりでハイキングが楽しめるトコロです。

ここは鬼岩公園。岐阜県瑞浪市と可児郡御嵩町の境に位置しています。

いわみ亭 吉田さま(鬼岩観光協会)
いわみ亭 吉田さま(鬼岩観光協会)

鬼岩公園といえば「岩穴くぐり」で有名です。これは天然記念物である巨岩の隙間(岩穴)をくぐる秘境ツアーのこと。(要予約)

興味のある方は、公式サイトにてご確認下さい。

鬼岩温泉観光ナビ(外部リンク)

鬼岩公園を散策!鬼の岩屋へ

さて、鬼岩公園のルートは主に3つ。

どのルートも自然に満ちた散策路は爽快ですが、巨岩や奇岩を見て歩き、鬼が住んでいたと伝わる「鬼の岩屋」を目的にするなら「渓谷・岩巡りコース」がおすすめです。

このコースの魅力は変化に富んでいます。

まずは、渓流がとっても美しい。

春先から夏にかけては水量が豊富で、岩の間を激しく流れゆく迫力も楽しめます。

ちなみに、この鬼岩公園では、常時 1,000個 /c以上 の大量のマイナスイオンが発生しているのだとか。心と体のリフレッシュにも最適ですね。

しばらく歩くと…

大きな岩がゴロゴロと見えてきます。これらは花崗岩が数百万年にわたって浸食し、このような巨岩や奇石が出来上がったもの。

大きな岩の間を行く、まるで秘境のような景観です。

ここは鬼の名が付く地、鬼伝説が残る場所。

古来より、鬼が居たとされる場所は、おどろおどろしい異様な景色が多いですが、まさにそんな雰囲気が漂っています。

では、鬼伝説について見てみましょう。

鬼の岩屋

この地に古くから伝わる伝承によると…

正治元年(1199年)の頃、この岩山にかつて「関の太郎」と呼ばれていた恐ろしい鬼(野盗・山賊とも)が洞窟に住み着き、乱暴狼藉をはたらいていたそうです。

その洞窟は今も残り、中に入る事が出来ます。

ここが「鬼の岩屋」です。

洞窟の中は約5分間、自動点灯でライトが付きます。

これは余談ですが、私は洞窟の中で写真を撮ってる最中、時間が過ぎてしまい真っ暗になりました。一人の場合は少し気を付けましょう。

センサーまではスグに戻れます。とは言え、一瞬でも暗くなると…やっぱり怖い。

奥まで進むと…

そこには関の太郎の姿!

この岩屋に入れば魔除けのご利益があるとも…

ところで、関の太郎とは何者か?

鬼岩公園に伝わる鬼伝説について、深堀りしてみると…

関の太郎は不破の関(現在の関ヶ原)の生まれから「関の太郎」と呼ばれていたという。子供の頃から乱暴者で、体は大きく、力も強く、足も速かったとか。

そして、親の言う事を聞かず、家を追い出され、諸国を放浪したあげく、この洞窟に住み着いたと言われています。

ここだけ見ると、鬼と言う感じはしませんね。

「鬼岩観光協会 関の太郎物語絵図」
「鬼岩観光協会 関の太郎物語絵図」

鬼岩に住み着いた太郎は村人に乱暴狼藉でやりたい放題。

困り果てた村人は、領主さまに相談します。時の領主、纐纈源吾盛康は京都御所の警備の任に当たっていたので、スグには戻って来る事が出来ません。

そこで、纐纈盛康は武勇にすぐれた四人の家来(川原三郎、末国四朗、浦野宗行、長岡兵衛)に太郎の逮捕を命じます。

ところが、太郎はなかなか捕まりません。

「鬼岩観光協会 関の太郎物語絵図」
「鬼岩観光協会 関の太郎物語絵図」

この四人は困り果て、蟹薬師如来さまにお祈りします。

すると、ある夜お告げがあり「薬師の祭礼の日に太郎は必ずやって来る」、そして「村人の手のひらには朱印を押して通らせるように」と。

祭礼の日、何も知らない太郎は変装してやって来ます。しかし、手のひらに朱印が無く、変装は見破られてしまいます。

慌てて逃げ出すが、薬師如来の神通力で足が動かなくなった太郎は捕まります。

「鬼岩観光協会 関の太郎物語絵図」
「鬼岩観光協会 関の太郎物語絵図」

そして、太郎は打首に…。

その首を桶に入れ、京にいる領主に報告すべく出発すると、少し行った場所で急に重くなり、首は桶を飛び出したという。

仕方なく、そこに首を生めて「鬼の首塚」としました。

その後、首塚となった太郎は…

「我が塚の上の草が青い時は守護神となって、この土地を守るであろう」と。このようにして関の太郎の首を祀る事で平和が訪れたと伝わっています。

この首塚は国道21号沿い、鬼岩公園から車で約10分の御嵩町で見られます。

鬼の首塚の地図(外部リンク)

これが「関の太郎」のお話です。

伝説には諸説あって、村人が太郎に酒を飲ませて酔いつぶれのを待って首を取ったという話、後白河法皇の命により派遣された兵士、纐纈源吾盛康が首を取ったなど。

いずれにせよ、鬼とされる悪党がこの地域に住み着いて、退治され、そして最後には土地の守護神となって安寧をもたらす。悪人が善人となる日本各地に伝わる鬼伝説の共通点など、やはり興味深いものです。

マイナスイオンたっぷりなハイキング、巨岩奇岩をみて、鬼の岩屋に入るなど、その土地に古くから伝わる昔話も一緒に巡ってみては如何でしょうか。

<関連記事>
鬼の伝説が残る地で「ハート鯉」を見つけると良いことあるかも!?

鬼岩公園
住所:岐阜県瑞浪市日吉町
電話:0574‐67‐0285(鬼岩観光協会)
地図(外部リンク)
鬼岩温泉観光ナビ(外部リンク)
鬼岩温泉 いわみ亭(外部リンク)
取材協力:いわみ亭 吉田さま

はらぺこライター

旅が好き、歴史も好き、食べるのはもっと好き ”はらぺこライター”です。 2005年にスタートしたYahooブログが全ての始まり。アメリカや東南アジア、インドなどへの一人旅、タイの首長族の村に泊まった体験談などを綴っていた。次第に旅行サイトから声がかかり、トラベルjpで新人賞、年間アクセス1位賞、SNSで記事が最も拡散されたソーシャル賞を受賞。またグルメサイトで連載、吉本興業の公式ライターなどを経て現在に至る。 最近は地域に古くから伝わる伝承や伝説、ちょっと変わったスポットに興味津々。旅と歴史、地元で人気のグルメなど幅広く紹介したい。

旅人間の最近の記事