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【京都/福知山】蕎麦を注文したら大きな盃(さかずき)でやって来た!? 「鬼そば」の魅力

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。今回は京都府福知山市から食レポです。

福知山市と言えば、明智光秀ゆかりの地として知られていますが、他にも ”鬼伝説” が残る地としても有名です。大江町には「日本の鬼の交流博物館」があります。

そんな大江町にある「食堂 大江山」に来てみました。

福知山城からは車で約20分、JR大江駅を過ぎ「鬼そば」の文字が見えたら到着です。

お店の中に入ると、いわゆる地元の食堂って感じ。

お世辞にもお洒落とは言えない庶民感たっぷりのお店、これが実に感じ良く、初めて利用する店なのにホッと落ち着きます。

とっても元気で明るいお姉さんがいて、親身な接客がココにあります。近所になれば、即常連決定!と断言したいハナマル級の食堂です。

店内も広々して、常連のお客さんが次々とやって来ます。

同じように ”いつもの” とか ”日替わり定食で” と行きたいトコロですが…観光やビジネスなど、遠方から来ているなら…やっぱり名物料理を注文したい。

その名物料理と言うのが、この「鬼そば」です。

「鬼そば」(温かい方で注文)
「鬼そば」(温かい方で注文)

そして注文すると、驚きの展開に…

テーブルの一角を占領するビックリするような大きさの器、そして黒い麺のお蕎麦。これが噂の鬼そば!? それにしても…”まるでお酒を飲む大盃” ではないか。

あっ…なるほど!そうゆう事か…。

この大盃の意味が分かると、その洒落の効いた発想に、思わず心の中で拍手したくなりますが、この意味分かりましたか?

答えを言うと…

注文したメニューは「鬼そば」、店の名前は「大江山」です。そして、この地域に古くから伝わる鬼伝説と言えば…酒好きの鬼、酒呑童子ですね。

つまり、だから大盃で蕎麦というワケ。

地元に伝わる民話を上手にイメージした素晴らしい演出。すごい!

演出も見事ですが、お蕎麦もメチャクチャ美味しい。

アツアツの昆布と鰹節の風味ただよう出汁、湯気の立ち方も「鬼」のイメージピッタリ。そして黒い麺は、三番粉を使用した特注麺など特別配合の練り合わせなんだとか。

赤い大盃に黒い麺が見事に映え、山菜がたっぷり入っているのも嬉しい。

観光スポットの周辺には、色々と趣向をこらした料理や演出があるのは当然と言えば当然なのですが、この店に関して言えば、ちょっと違う。料理の美味しさが先に立ち、そこに見事な演出が加わったと言った感じ。

きっと、私だけは無いと思うのですが…。蕎麦の麺をすすり、最後に大盃を両手に持ってお蕎麦の出汁を一滴残さずゴクンと大胆に飲み干してハッと気が付く!

「今、まるで酒呑童子が大盃でお酒を飲んでいる姿」みたいではないか…と。それが何だか、愉快で地味に面白い。

最後に、酒呑童子の伝説に関して、物語には諸説ありますが、酒好きの鬼(酒呑童子)が大江山を拠点として悪行を働き、帝の命により源頼光を中心とした6名の討伐隊によって退治されたストーリー。

ところが、それは、ある意味だまし討ち、頼光らに対し、首となった童子は「鬼に横道はない」と頼光を激しくののしったとも…。

一般的に怖いイメージの強い鬼も、酒呑童子は不思議と別格。憎めない愛されキャラ。そんな魅力を「日本の鬼の交流博物館」で見出すのも面白いかもしれません。

酒呑童子の伝説ある地域に来たら、おすすめですよ!

<店舗情報>
食堂 大江山
住所:京都府福知山市大江町河守1956
電話番号:0773-56-0595
営業時間:11:00~22:00(蕎麦が売り切れ時点で閉店)
定休日:毎週月曜日
公式ホームページ(外部リンク)
日本の鬼の交流博物館(外部リンク)
地図(外部リンク)

はらぺこライター

アメリカや東南アジア、インドなどへの一人旅、タイの首長族の村に泊まった体験談など2005年から始めたブログをキッカケに旅行サイトから声がかかる。トラベルjpでは新人賞、年間アクセス1位賞、SNSで拡散されたソーシャル賞を受賞。またグルメサイトで連載、吉本興業の公式ライターなどを経て現在に至る。 当Yahoo!ニュース エキスパートでは主観的な目線で旅やグルメをテーマに記事を書いている。

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