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【相模原市】無料見学できる最強スポット「JAXA相模原キャンパス」が凄すぎる

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。

2020年12月6日、「はやぶさ2」が小惑星リュウグウのサンプルを地球に帰還させ、世界に偉業を届けたニュースを覚えていますか?

今回は「はやぶさ2」の故郷、神奈川県相模原市にある「JAXA相模原キャンパス」について、その魅力の一部を紹介しましょう。

この「JAXA相模原キャンパス」へのアクセスは、JR横浜線「淵野辺駅」から歩いて約20分、「宇宙科学研究所」の文字が見えたら到着です。

ちなみに、その正門前には『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するキャラクターやモビルスーツなどがデザインされたマンホール蓋があります。

ここは見逃してはいけないポイントです。

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⇒ どこにある!?『機動戦士ガンダム』のマンホールを探せ

さて、正門から奥に進んで行くと、ロケットが2つ展示されています。

M-3SII ロケット原寸模型展示
M-3SII ロケット原寸模型展示

こちらは「M-3SII ロケット」、1985年に打ち上げられたロケットの原寸模型です。

案内によると、日本では1985年の時点で、既に沢山の人工衛星が打ち上げられており、地球の引力を脱出し、他の天体へ行くロケットの開発が進められていたそうです。

その打ち上げに成功したのが、このM-3SII ロケットで、ハレー彗星の探査として「さきがけ」「すいせい」の探査機が大活躍しました。

さらに、このM-3SII ロケットは「ぎんが」「あけぼの」「ひてん」「ようこう」「あすか」といった探査機を打ち上げ、日本の宇宙科学の発展に大きな力を発揮しました。その後、より能力の高いM-V ロケットに引き継がれています。

M-V ロケット実物展示
M-V ロケット実物展示

そして、こちらが「M-V ロケット」の実物展示です。

一般的にロケットは打ち上げてしまうと回収するのは困難で、実物展示と言うのは珍しいのだとか。このロケットに関しては、偶然にも打ち上げようとしていた探査機が完成しなかったので展示に回されたのだとか。

M-V ロケット実物展示
M-V ロケット実物展示

少し具体的に見てみると…

ロケットの下の辺り、上2枚の画像で例えるなら「M」と書かれている所が1段目のロケット、そこから先端に向かって2段目のロケット、3段目のロケット、4段目のロケットと続いていると教えてもらいました。

そして、探査機が入るのは先端の白い部分。ただ、野外展示の先端部分は原寸模型、実物は「宇宙科学探査交流棟」に展示されています。

では、宇宙科学探査交流棟に入ってみましょう。

入場は無料です。

館内に入ると、SF映画の小道具でも置いているのかしら?

と言った雰囲気ですが、ココにあるモノは驚くなかれ!実物のロケットの他、人工衛星や探査機など実物展示や原寸模型だらけ…。本当にスゴイ!

まず目に入るのは、こちらですね。

先ほど野外展示で見た「M-Vロケット」の先端部分の実物です。実際に手で触ることも出来ます。そして中には実寸模型の探査機も見られます。

この中に入っている探査機は「はやぶさ」の実寸模型となります。ただ、この実物展示のロケットは、前述のとおり探査機が完成せず打ち上げられずに展示となったもの。本来は月に行く探査機を搭載されるはずだったのだとか。

つまり、実物展示のロケットですが、中に入っている探査機は実際とは異なる探査機(「はやぶさ」)の原寸模型が入っています。

「はやぶさ」の模型で展示されている理由としては、展示品はM-V-2号機でしたが、「はやぶさ」はM-V-5号機で打ち上げられたので、同じ機体で打ち上げたという理由から、ロケットに搭載するときの、コンパクトに収納されている様子を示すためでもあります。

その奥には「はやぶさ2」の実物大の模型があり、宇宙で「はやぶさ2」が移動している時の様子が分かります。

また、ここでは3段目のロケットエンジン、4段目のロケットエンジン、そして切り離しに使われるベルトにも注目しましょう。

説明もしっかりとあり、ロケットの仕組みが分かって面白いです。

ロケットと言えば、巨大なイメージがありますが、ロケット開発の歴史を見る中で、糸川英夫博士のペンシルロケットに関しては、特に注目しておきたい。

ここには日本初のロケット「ペンシルロケット」も展示されています。実験用とは言え、最初のロケットって、鉛筆のように小さかったんですね。

これは日本初の人工衛星「おおすみ」の実物大模型です。第4段目のキックモーター(球状のもの)は実物です。

丸いボールのようなモノは4段目のロケットエンジン、「おおすみ」を打ち上げたロケットは1号機から4号機まで打ち上げに失敗し、5番目にやっと打ち上げに成功しました。

ここで展示しているモノは5番目が失敗した時の為に作られていた6番目のロケットエンジンで、5番目で成功したので展示となったという。

焦げ目がついているのは、これは燃焼試験のものと言われています。

こちらは「ひてん」の実物模型です。

1993年にアメリカ、旧ソビエト連邦に次ぎ、世界で3番目に衛星を月面到達させたという。

尚、これらの展示は見るだけではなく、宇宙科学探査交流棟では「展示解説ツアー」に参加すると細かく教えてくれますので面白さは10倍ほどアップします。

この「展示解説ツアー」のスケジュールに関しては、公式サイト(外部リンク)にて確認しておくと良いでしょう。

また、実験棟見学ツアーもあります。

こちらは、JAXA相模原キャンパスにある大型室内実験施設「宇宙探査実験棟」を交流棟解説員がご案内する見学ツアーです。

例えば、この砂場は「宇宙探査フィールド」、ここでは実物大のロボットを使って、着陸機の試験や月や火星に行った時にきちんと動くかなどの実験をしています。

照明環境が変わると、そこはまるで月面の世界。

これは太陽光度の低い所の照明環境を模したもの。見学内容は、その時によって異なり、照明変化やロボットが見られるとは限りませんが、見学ツアーに参加することで、2階の廊下からガラス越しにこの砂場を見ることができます。

他にも、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から持ち帰った微粒子も宇宙科学探査交流棟で公開展示されています。

JAXA 相模原キャンパスって本当にすごい所だと思いませんか?

最近では火球や流星群、また月食など話題になりますが、宇宙に興味が沸いたら、ぜひ行ってみてください。そこには驚きの連続が待っています。

また、子供たちを対象とした「JAXA宇宙教育センター」の活動も面白いですよ。

⇒ JAXA宇宙教育センター公式サイト(外部リンク)

宇宙航空研究開発機構 JAXA(ジャクサ)
相模原キャンパス、宇宙科学探査交流棟
住所:神奈川県相模原市中央区由野台3-1-1
電話番号: 050-3362-3540
開館時間:10:00~16:00
休館日:公式サイトのカレンダーでご確認下さい
公式ホームページ(外部リンク)
公式Twitter(外部リンク)
地図(外部リンク)
取材協力:宇宙航空研究開発機構 JAXA 相模原キャンパス

はらぺこライター

アメリカや東南アジア、インドなどへの一人旅、タイの首長族の村に泊まった体験談など2005年から始めたブログをキッカケに旅行サイトから声がかかる。トラベルjpでは新人賞、年間アクセス1位賞、SNSで拡散されたソーシャル賞を受賞。またグルメサイトで連載、吉本興業の公式ライターなどを経て現在に至る。 当Yahoo!ニュース エキスパートでは主観的な目線で旅やグルメをテーマに記事を書いている。

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