【泉佐野市】ユニークな発想におもわず笑みがこぼれる~障がい者アート『YELLOW展』開催中!
写真は、泉南市にお住いの有田京子さんの作品「ケガしているサメ」。
一体どこをケガしているのでしょう? わたしには楽しそうに泳いでいるサメのように見えますが…。
ひとつの作品の前に立ち止まり、あーでもない、こうでもないと頭を悩ませ、作家さんの頭の中に入り込み想像する。
『障がい者アート』は、そんな楽しみ方もあるようです。
なんと、この作品は「点」だけで描かれているそうですよ。
南海本線「鶴原駅」より徒歩3分のところにある『カフェギャラリー 家でのこづち(うちでのこづち) 』で、障がいのある人たちが描いた個性豊かな作品の展覧会『YELLOW展~レモン風味~』が5/24(火)まで開催されています。
株式会社 YELLOWが手がける『カフェギャラリー 家でのこづち』は、利用者の作品を地元の方に見ていただく場として、アトリエで制作した作品の展示や、オリジナルグッズの販売などをおこなっています。
本格的な手打ちそばや、北海道の焙煎技術日本一で有名な「丸美珈琲」の本格珈琲が味わえるなど、ランチやカフェ利用にもおススメのお店です。
店内は、カフェギャラリーの名にふさわしく明るくシンプルな内装。
圧倒的なパワーを放つ色鮮やかな作品は、訪れる人の目を惹きつけます。
街にたくさんの人や車、○○星人?みたいなキャラクターもいます。一人一人の服や表情、登場するキャラクターもユニークです。
やっぱり! 福原さんは人が好きなんですね! おやじギャグの達人ですって 笑。
作品の横に掲示されている作家さんのひととなりが伝わる手書きのメッセージがなんとも温かい。絵と照らし合わせて見るのがおススメです。
どういう想いで描かれたのか、作家さんと心が繋がるような気がします。
たくさんの虫が描かれていますね。この虫たちは、縦一列種類がおなじとのこと。
虫たちの表情もどこかユーモラスで愛嬌がありますよね。
自宅で飼っている昆虫を大切にされているんですね。自然体の彼女の性格が垣間見える、ほんわかとした作品です。
こちらは一風変わったプログラミング? のような作品。何かが配列されていて、文字がびっしり書き込まれています。Lv50最難関候補? どうやらゲームの世界のようです。大輔さんの作品は、コアなファンもいるのだとか。
みなさん、それぞれ好きなことを作品にしているのですね。
春にポンポンのような黄色い花を咲かせるミツマタ。先日、里山で見かけ、独特な花姿は風情があり愛らしくもありますよね。それにしても、ミツマタをこう描くとは…。
色からは想像できませんが、ミツマタに見えるから不思議です。光が反射してしまい斜めからの撮影となりましたが、実物は迫力ありますよ!
穴瀬さんは、絵描きというより木彫り職人なんだそう。こちらの作品は、彼の「変身アイテム」♪
このトゲトゲを通過したら「最強」になれること、まちがいなし!
穴瀬さんは、ほかにもユニークな作品を生みだしているそうです。
木と、機械部品とのコラボレーション作品。この作品、どこか今の時代を象徴しているように感じるのはわたしだけでしょうか? IT産業が急速に発展する中、“自然” がちゃんと残されていてよかった…、そんな風に思える穴瀬さんの作品。
穴瀬さんから、未来への大切なメッセージなのかもしれませんね。
何度も、何度も色を塗り重ねる石垣さんの作品。はじめは、まちがいなく「コツメカワウソ」だったとか 笑。
石垣さんの技法は、紙ではよれてしまうため、キャンバス(帆布)に描かれているそうです。
YELLOWの管理者 永橋さんと、和歌山のRemon(アトリエ)で講師をつとめる辻野さんにお話をうかがいました。
「利用者さんの制作過程では、ほとんど口出しはしないんです。好きなものを、好きな時間に描く。その様子をわたしたちはそっと見守ります。中には、ずっと絵を描かずに本を読んでいる方もいるんですよ。
ただ、ひとつだけ、技法に合わせた画材選びはアドバイスすることはありますね。石垣さんのように、技法にあった画材選びがされていないときなどは、画材の変更を提案します。キャンパスを使用してからは、何度塗り重ねてもよれたりすることなく描けるようになりました。まだ重ねるの? なんて驚くこともあるんですよ」
お話をうかがって、そばで見守るスタッフの方々の温かいサポートがあって “ユーモアあふれる自由な作品” が生まれるのだと実感しました。
会場には、ほかにも魅力的な作品が多数展示されています。ここでしか手に入らない “作家さんのオリジナルグッズ” の販売コーナーもあり、おみやげや、訪れた記念に買い求めてみてはいかがでしょうか?
どれも素敵な絵ですね!
黒瀬さんは、テキスタイルデザイナーもされているんですね。
色の組み合わせ方が斬新!
北海道「丸美珈琲」のドリップコーヒーや、地元パン屋さんのラスクやマフィンなども販売していました。
『カフェギャラリー 家でのこづち』では、ランチタイムに本格手打ちそばを食べることができます。
取材に訪れた日は、蒸し暑かったため「すだちそば」単品(1045円税込)を食べてみることにしました。
わ! すごい量のすだちです。芸術的な盛り付け方は見た目にもたのしい♪
つるつるのお蕎麦は弾力があって、食べ応えも◎。
すだちの多さに酸味が強いのかとおもいきや、香りゆたかな出汁の甘さと掛け合わされて、ちょうどいい塩梅に。
あー、これ本当においしいです。大好きな味。
食事をすると220円でジュースやミニ珈琲を飲むこともできます。
焙煎技術が日本一という「丸美珈琲」のスペシャル珈琲は、酸味がすくなくコクのある味わい。珈琲好きのわたしも大満足の味と香りでした。
あっという間の『カフェギャラリー 家でのこづち』での時間。
でも実は、入店から2時間も経っていたことにびっくり。
出展されている作家さんの中には、多方面でご活躍されていて、たくさんの賞を受賞されている方もいらっしゃるそうです。○○推しなど、ファンもいるそうですよ。
それぞれの作家さんの作品は、どれも個性豊かなものばかり。でも、なにか共通点があるようです。
「みんな仲良し」「平和」。こんなワードが脳裏をよぎります。
それも、圧倒的なパワーでメッセージを送ってくるのです。技法は違いますが、描くテーマは、楽しそうな人や、いきもの、自然、食べもの…ときにはキラキラとした光の輝きや、変貌を遂げる自分への期待感、未来へ伝えたいことなど。
心のフィルターが透明じゃないと受け止められないようなメッセージは、躊躇する心すらも見透かされ、ユーモアというスパイスをふりかけてきます。
精神的に豊かに生きるという意味を、あらためて教わったような気がしました。
『障がい者アート』に触れたことがない方にも、ぜひ見てほしい。
『YELLOW展~レモン風味~』は、5/24(火)まで開催しています。