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【泉佐野市】築100年の秘密基地。あなたならどう使う?最大利用料一日1000円の自由な『居場所』とは

旅する日々の記憶と記録。matka08ライター(泉南市・泉佐野市)

築100年の古民家が、コワーキング&シェアオフィスとして再び時を刻みはじめました。

南海泉佐野駅から徒歩8分のところにある『.COMMUNE(コミューン)』は、古民家×コワーキングスペースという“素敵な居場所”を提供してくれる全国的にもめずらしいスポット。

一見すると通り過ぎてしまうほど町に馴染んだ建物。グリーンの旗が目印です。

地域での暮らしをより豊かに。人と人が繋がる『居場所』づくりに挑戦

代表の渡辺さんは、ご自身がさまざまな活動をする中で、人とのご縁や、そこから繋がる新たなチャレンジを目の当たりにし、コミュニティの存在が地域での暮らしを豊かにすることを実感したそうです。そのことがきっかけとなり、『コミュニティのための拠点』『空港の街としてのビジネス拠点』という地域が求める場所づくりのため、クラウドファンディングで『COMMUNEプロジェクト』に挑戦し、なんと200%の達成率でコワーキング&シェアオフィス『.COMMUNE』のオープンが実現。

Wi-Fi完備フリードリンク付き、最大利用料一日1000円の“古民家×コワーキングスペース”とは、一体どのような『居場所』なのでしょうか?

古いものが今を生きる心地良い空間

木の香りに包まれた玄関でお出迎えしてくれたのは、時代の流れの中で手放してしまったものたち。

築100年の古民家にそっと寄り添う木材や建具は、一度役目を終えたものたちなのだそう。スタッフのDIYによって再び命が吹き込まれ、凛とした佇まいで新たな役割を担っています。

港町をイメージしてもらえるようにと、ドイツの漆喰で塗られた淡い海色の壁。マリンライトがとてもお似合いです。

1Fコミュニティスペースは、個人利用をはじめ、多人数でのミーティングや会議、子育て団体のイベントなど、さまざまな目的で利用されている方がいらっしゃるそうです。

どこか懐かしいおばあちゃん家のような雰囲気。こんな場所で会議をしたら、素敵なアイデアが浮かびそう。

広々とした室内は、間つづきで3エリアに分かれています。こちらは、6席ある大テーブル。会議やミーティングなど、大人数の利用によさそう。

丸テーブルを囲んで4席ある和室エリアは、ゆったりくつろげる雰囲気。お弁当の持ち込みや、受付の向かいにあるドリンク(無料サービス)利用など、飲食OKなのもうれしいポイント。

植物好きのメンバーが床の間を演出。訪れた人をホッと和ませます。
植物好きのメンバーが床の間を演出。訪れた人をホッと和ませます。

縁側もあり、まるで旅館のようです。
縁側もあり、まるで旅館のようです。

芝生のクッションカーペットが敷かれたこちらのエリアは、子どもたちの憩いの場。実はココ、もとは土間だったそうです。

土間だった場所をこんな使い方をするなんて、素敵なアイデアですよね。『.COMMUNE』は、子どもを連れての利用も◎梅雨の時期に公園のように利用してみてはいかが

子育て団体がイベントに利用することもあるそうですよ。

隣で遊んでいる子どもを見守りながらくつろげる部屋。

お母さん同士でお弁当やスイーツを持ち込んで、ランチを楽しむのもいいですね♪

真鍮の配線カバーや、木の電源プラグなど、いたるところにぬくもり溢れる心遣いが施されています。

ビジネス利用も『.COMMUNE』なら、 “リラクゼーション×ビジネス” という、新たな過ごし方が実現しそうです。

渡辺さんに2Fも案内していただきました。

(代表の渡辺 葉一さん)
(代表の渡辺 葉一さん)

本格的に改装をおこなったという2Fは、すこし照明が落とされムーディーな雰囲気。落ち着いて作業に集中できそう。

カウンターブースは、まるでおしゃれな“自習室”。個人的には、ここで読書や映画鑑賞などをして過ごしたいなと思いました。もちろん学生さんのお勉強にも◎

学生さんは、なんと3時間500円!それもフリードリンク付きで。格安です☆

「空」をイメージしたというブルーの椅子は、座り心地抜群! 

「長時間過ごしていただくことも想定し、特に椅子にはこだわりました」と渡辺さん。たしかに椅子は大事。この椅子なら一日中快適に過ごせそうです。

2F集中スペースでは、学生さんが勉強をされていました。

100年生きた天井の梁に見守られながら未来へむかって歩みを進める姿は、人生の大先輩からエールが贈られているようで「合格まちがいなし」とおもわずつぶやいてしまいました。

こちらの椅子はグリーンで「山」をイメージしているそう。随所に施された心憎い演出は、『.COMMUNE』で過ごす人への大切なメッセージ。

利用する側もしっかりそれを受け止め、有意義な時間を過ごしたいですね。

取材をした日は、朝伺ったのですが午後から利用される方が多いそうです。

お仕事や学校が休みの日は、“平日の午前中” が空いているのでおススメです。

コピー機(有料/A3まで・スキャン可)やシュレッダーもあるので資料作りもはかどります。

ホッと一息つける窓からの景色。清々しい風が吹き抜けます。

2F奥には半個室ブースが4席ありました。

こちらは、まるで “自分の部屋”。とことん集中したい方はこの “部屋” がおススメ。

締め切りが迫った作業に没頭されたい方や、テスト前の学生さんの“おこもり”にもぜひ。 

デザイン動画編集用のデュアルモニターも完備

その他の設備として、高速フリーWi-Fiはもちろんのこと、複合機プロジェクターラミネータースクリーン、ホワイトボード各種充電器なども用意されていますので利用の際はお声掛けを。各スペースにはコンセントも設置されています。

施設内は1Fと2Fで利用シーンを完全に分けているとのこと。

1Fはグループでの打ち合わせや、会議、イベントなど、多人数の利用が多いのに対し、2Fは集中して勉強したい学生や、フリーランスの方の利用も多いそう。利用スタイルの好みは人それぞれで、中にはあえて1Fで仕事をする方もいらっしゃるのだとか。

『.COMMUNE』では、利用時間中は部屋の移動もOK。1Fで打ち合わせをした後、半個室の2Fスペースでデスクワークに集中…など、気分転換ができるから一日中でも心地よく過ごせそうですよ。

利用目的にあわせて選べるプランで思い思いの“居場所”づくりを

(店長の原 絢加さん)
(店長の原 絢加さん)

『.COMMUNE』では、ふらっと立ち寄り利用できるドロップイン(時間利用)【日額500円~1000円】から、お仕事や勉強にしっかり取り組みたい方向けの月額利用プラン【月額10000円】、イベントや会議で利用したい方向けのレンタルスペースなど、利用目的にあわせて、プランを選ぶことができます。

また、会社員の方や学生さんにおススメの新たなプランとしてアフター5&週末プラン(平日夜利用+土日祝利用し放題)【月額7000円】アフター5プラン(平日夜利用し放題)【月額5000円】週末プラン(土日祝利用し放題)【月額3000円】学生ドロップインプラン【3時間500円】もあるのでスタイルにあわせてお得に利用したいですね。

(プランやその他詳細は『.COMMUNE』公式HP(外部リンク)でご確認ください)

各プランの初回利用の際は、受付で申込書に記入。

また、月額利用をご希望の場合は身分証明書(免許証、保険証など)が必要ですので、訪れる際はお忘れなく。

受付向かいのフリードリンクスペース。夏に向けて“冷たいドリンク”を準備中とのこと。暑い夏は、“駆けつけ一杯”飲みほしたいですね 笑。

こちらは荷物を収納するロッカー(月額2000円) 。毎日訪れる受験生の方が、参考書などを置く場所として利用しているそうです。我が家にも受験を経験した二人の息子がいます。膨大な参考書を持って塾に通っていた姿を想い出しました。もちろん塾に参考書は置いて帰れませんし、ファーストフード店にも置いて帰れませんからね。

一日65円ほどで、あの行き帰りの辛さが解消されるならロッカー利用を検討してみても良さそうです。

こちら、何でしょう?

代表の渡辺さんに尋ねてみました。

「それは、綿花の種です。メンバーが関わっている『いずみさのコットンチャレンジ!』という取り組みで、畑づくりから綿花栽培をおこない、採れたコットンを使ってタオルづくりを計画しているんです。近頃の子どもたちは、タオルが何で出来ているのか知らない子もいるんです。『羊の毛?』なんて答える子もいるんですよ 笑。

簡単に育てられるので、気軽にチャレンジしてみてください!」

いずみさのコットンチャレンジ苗植え体験 参加者募集!

【6月5日(日) コットンチャレンジ苗植えをおこないます!】

COMMUNEメンバーも関わっているプロジェクト『いずみさのコットンチャレンジ』では、今年の綿花栽培に向けて前回の活動で耕した畑に苗植えをおこないます。

参加を希望される方は@cotton_challengeにコメントかDMでご連絡を。

COMMUNEの受付でのお申込みでも◎。

日時:6月5日(日) 10:00~14:00ごろ(昼食は各自持参)

場所:泉佐野大木地区 小さなコットンフィールド

作業内容:苗植え、水チューブ据え付け、マルチカバー

( 写真提供 『.COMMUNE』)
( 写真提供 『.COMMUNE』)

『.COMMUNE』のメンバー左から、川島栄剛さん(美術担当)、渡辺葉一さん(代表)、原絢加さん(店長)、御厨つかささん(DIY担当)。

『.COMMUNE』のメンバーは、古民家のオーナーの方も含め全員が “地域コミュニティ” を通じて知り合った仲間なのだそう。こうしたコミュニティが自分たちを面白く素敵にしていることを強く実感したと言います。コミュニティの存在が、地域での暮らしを豊かにし、それが土台となり、互いの連携や新たなチャレンジが生まれていく。そんな気付きを得たものの、泉佐野駅周辺には、Wi-Fiや電源が利用可能で気軽に使える施設(ワークスペースやカフェなど)がほとんどなく、地域コミュニティがスムーズに活動できるシェア拠点が必要だと感じたそうです。

まちの居・職・住を豊かにする拠点へ

『.COMMUNE』が地域の人達にとってどのような“居場所”になって欲しいか、代表の渡辺さんにお話しを伺いました。

これまで暮らしに欠かせないものは「衣・食・住」とされてきましたが、現代の私たちの暮らしでは「居・職・住」こそが必要と考えています。COMMUNEは、利用する人たちにとって居心地の良い場所(居場所、コミュニティ)時代にあった多様な働き方が快適にできる(職)の拠点、そして人とつながることで地域での暮らしを豊かにする(住)という、居・職・住の拠点を目指しています。利用者もフリーランスの方だけでなく、学生さんや主婦の方、ご近所さんなど多様な人たちが集う場所として、地域の暮らしを豊かにし、まちが活性化して欲しいです。

『.COMMUNE』の持つ意味、それは「親しく交わる」「共同体」

ここに集まる人たちが織りなす未来が何色に染まるのか、今後の展開が楽しみです。

渡辺さんは、COMMUNEだけでなく、前回『まちば日和』の記事でお伝えした“築200年の古民家リノベーション”活動にも家守メンバーの一員として参加されています。

わたしは幼い頃、おてんば娘で親によく叱られていました。隣の家の庭には使っていない物置があり、近くの空き地には人気のない納屋が・・・。

そこにお菓子やマンガを持ち込み、家とは違う環境で過ごした“非日常体験”が今も忘れられません。そこに友達が一人 訪れ、二人訪れ…。いつしか “いつもの場所” と称したその場所に、たくさんの仲間が集まるようになりました。もうお気づきでしょうか? そう、そこは『秘密基地』だったのです。きっかけは違うけれど、居場所を求めて集まった人々が繋がっていく感じ、なんかあの頃と似ています。

『.COMMUNE』は、現代版『秘密基地』。でも、秘密なのは最初だけ。きっと瞬く間にその居心地の良さは広まってしまうだろうから。

あなたならどう使う? まずは気軽にドロップイン(2時間まで500円)から試してみては?

【基本情報】

店舗名:「コワーキング&シェアオフィス.COMMUNE」(通称COMMUNEコミューン)
住所:〒598-0043大阪府泉佐野市大西1-17-4
アクセス:南海本線「泉佐野駅」から徒歩8分、「りんくうタウン駅」から徒歩15分
Tel:050-8884-1222
営業時間:9:00-21:00(スタッフ常駐・ドロップインは18:00まで)
座席数:26席(フリーアドレス)
駐車場:無料Pあり(2台)、駐輪場あり
公式ホームページ(外部リンク)
公式インスタグラム(外部リンク)
E-mail: commune.rinku@gmail.com

取材協力 「コワーキング&シェアオフィ.COMMUNE」代表 渡辺 葉一様、店長 原 絢加様

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ライター(泉南市・泉佐野市)

なんでもない日々を旅するように暮らす日常写真家。「ローライ35s」という小さなフィルムカメラでささやかな日常を記録しています。私たちの町のちょっとうれしくなるあんなことこんなこと。皆様の日常がもっともっと楽しくなりますように。

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