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【泉佐野市】店内に中国語が飛びかう「四川家庭料理店」辛さ選べる“本場の味”に「こんな店はじめて」の声

旅する日々の記憶と記録。matka08ライター(泉南市・泉佐野市)

ちょっと何言っているのかわからない…。

これがこのお店の第一印象。店内に充満する芳醇なスパイスの香りと、中国人と思われる女性の大きな掛け声。

まるで日本人観光客の気分。

11時30分に取材の約束をしていたにも関わらず、オーナーは配達中。

帰って、帰って、と言わんばかりの中国人女性の様子は、わたしを何かの営業と勘違いしているみたい。さて困ったぞ・・・。

「わたし、たべるよ」と片言で話してみたところ、「たべるの? いらっしゃ~い」と一気に歓迎ムードに。なんだ?この店。

まるで中国を訪れているかのような本場さながらの「四川家庭料理店」泉佐野市上町にあります。

場所は、国道旧26号線(大阪方面向かう)「市役所前」交差点を左折してすぐのところ。店の名は「中国四川家庭料理 蘭梅(らんめい)」

店前の駐車場にまで漏れ出たスパイスの香りが空腹を刺激します。

異国情緒漂う明るい店内には、4人がけテーブルが3つと、4、5人がけターンテーブルが2つ配され、“おひとり様”のわたしはターンテーブルへ案内されました。

店内装飾や置物も本場感たっぷり。

この写真だけを見ると、店内にはゆったりとした時間が流れているように感じると思いますが、いやいや “中国人 おかあさん” の怒号のような中国語をBGMに撮影をしています 笑。

でも、怒っているわけではなく、厨房とやり取りをしている様子で愛嬌たっぷりです。

日本人のスタッフの方に尋ねてみたところ、この女性はオーナーの奥さんなのだとか。片言の日本語も話せますのでご安心を。

そして、なぜか「北国の春」も流れています…

超ユニーク。

メニューが素敵!

単品、セット共にどれも1000円~2000円(税込)ほどの低価格にびっくり。

*セット内容はメニューにより変わります。

そして「ランチメニュー」がこちら。

*11時~15時

おススメを尋ねてみたところ、「麻婆豆腐」が大人気とのことなので、「大人気麻婆豆腐定食」1100円(税込)をオーダーすることにしました。

「辛いのが苦手」と伝えると、「わかたよぉ~」とおかあさん。

果たしてどんな辛さで出てくるのか…すこしドキドキです。

ちなみにランチタイムは「コーヒー一杯無料」「お茶塩卵」サービス*一人一個(限定毎日20個)と、なんとも太っ腹。白ご飯は一回までおかわりもできます。

待つこと8分、「大人気麻婆豆腐定食」が運ばれてきました。

わ、すごいボリューム! 

麻婆豆腐、唐揚げ、サラダ、スープ、ごはん、お漬物、杏仁豆腐、

これに、“コーヒー一杯”と“お茶塩卵一個”がサービスでついて1100円(税込)はお得すぎます。

見た目からして本格派の麻婆豆腐は、芳醇なスパイスの香りが食欲をそそります。

「麻(しびれ)」「辣(辛味)」「酸(酸味)」「甜(甘味)」「苦(苦味)」「香(香り)」「鹹(塩味)」七つの味を巧みに操る四川料理は、花椒八角ほか、数十種類のスパイスをブレンドした風味豊かな無二の味を楽しめるのが魅力とも云われています。

一口食べるとぎゅっと凝縮された旨味が口いっぱいに広がり、花椒の香りがす~っと鼻から抜けていきます。辛さ控えめでお願いしたからか、辛さが悪目立ちすることなくコクと旨味とスパイスの風味にあとからピリリと辛さが追いかけて来る感じがたまらなくおいしい。もう一つ辛さレベルを上げてもいいかも?と思えるくらい、コクと旨味のパンチがすごいです。この“辛さレベル”を尋ねると「普通」と言われ、メニューに「普通」はなく、「小辛でもちょっと辛いよ!」という声が聞こえたので、これは「塩味」というレベルなのかもしれません 笑。

本場四川料理店の麻婆豆腐が辛すぎて最後まで食べきれなかった苦い経験があり、好きなんだけど躊躇してしまう“本場の味”も、「中国四川家庭料理 蘭梅(らんめい)」なら気軽に試すことができます。ちなみに添えられていた「杏仁豆腐」もミルク感たっぷりで、香りも強すぎずやさしい味でした。

12時前に店内はほぼ満席に…。

「泉南市からはじめて来た」という女性二人組にお話を伺いました。

「入店直後から、大きな声の中国語が飛びかっていて…もう、おもしろくて、おもしろくて...こんな店はじめてです。味は本格派です!本場の味!まちがいなくおいしい!」とすこし半笑いの様子。

半笑いの意味がわかるから、こっちまでにやにや。そう、まさに日本人観光客がしどろもどろしている感じや、安くておいしい料理にありつけた“海外旅行気分”を共有しているような、そんな雰囲気。ターンテーブルの向かいに座っていた男性とも“にやり笑顔”を共有し、大満足のランチとなりました。

待てど暮らせど帰ってこないオーナー。ふと見上げると壁には「表彰状」が…。

        感 謝 状 
            李 建華 様
    あなたは本市と中華人民共和国
    成都市新都区との友好交流の
    進展に多大なる貢献をされました
    よってその功績を称えここに
    感謝の意を表します

      平成29年6月5日
    泉佐野市長 千代松 大耕

結局この日、オーナーは帰ってこられませんでした。

後日お電話でお話をお伺いしたところ、

オーナーの李 建華(り げんふぉあ)さんは中国 重慶市(じゅうけいし)のご出身で、もともとは千葉で働いていたとのこと。

その後泉佐野市へ転勤となり、仕事を辞めて「中国四川家庭料理 蘭梅(らんめい)」をはじめられたそうです。

泉佐野市に移り住んで21年。四川料理店をはじめて17年の李 さんが、泉佐野市と中華人民共和国の友好交流に尽力されてきた方と知り、こんなにおいしい四川料理を日本人にも食べやすく工夫し、しかも低価格で提供されている意味がわかったような気がします。

穏やかなオーナー 李 建華さんと、強烈な個性で茶目っ気たっぷりのおかあさん(オーナーの奥さん)。

「こんな店はじめて」という声も納得の“本場さながら”の「中国四川家庭料理 蘭梅(らんめい)」に、旅行気分で足を運んでみてはいかがでしょうか。

“にやり”とすること間違いなしですよ。

【基本情報】

店名:「中国四川家庭料理 蘭梅(らんめい)」
住所:泉佐野市上町1-8-26
Tel:072-463-1658
営業時間:11:00~15:00 17:00~22:00
定休日:月曜
駐車場:店前6台駐車可
取材協力 「中国四川家庭料理 蘭梅(らんめい)」オーナー 李 建華様

ライター(泉南市・泉佐野市)

なんでもない日々を旅するように暮らす日常写真家。「ローライ35s」という小さなフィルムカメラでささやかな日常を記録しています。私たちの町のちょっとうれしくなるあんなことこんなこと。皆様の日常がもっともっと楽しくなりますように。

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