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【泉佐野市】ある中華料理店に届く温かいメッセージの理由。「夢にまでみた…」ファン待望の再オープン

旅する日々の記憶と記録。matka08ライター(泉南市・泉佐野市)

ある中華料理店のインスタグラムが、温かいメッセージであふれています。

「夢にまでみた」

「待っていました」

「すぐに食べたい」など、再オープンを待ち望み、よろこぶ声。

そのお店は、「チャイナキッチンMunch(まんち)」

泉佐野市高松西にある真っ赤な屋根の小さな「中華料理店」です。

南海本線「泉佐野」駅から徒歩15分、決して好立地とは言えない場所にある“中華料理店の再オープン”によろこびの声が後を絶ちません。その理由が知りたくてお店にお伺いしました。

やわらかい光が差し込む明るい店内は、ログハウスのような雰囲気。「ここが本当に中華料理店?」と目をこすりたくなるほど。

厨房を覗くと店主と思われる男性が調理をしている様子。

そこにある調理道具はがっつり“中華”です。

正真正銘、「中華料理店」のようです。

「チャイナキッチンMunch(まんち)」店主の 野田 正三(のだ まさかず)さんは、2020年9月に胃がん宣告を受け、2021年4月に胃の三分の二を摘出。その後、肝臓への転移が見つかり手術を受けるなど、現在も通院治療を続けていらっしゃいます。カラダに僅かながんが残る中、昨年11月に2年3カ月の休業を経てお店を再オープン。「まんちのごはんが好き」「はやく食べたい」「おめでとうございます」など、再オープンを待ち望む声や、よろこびのメッセージが続々と野田さんのもとへ届き、心を奮い立たせていらっしゃいます。

「今も4週間に一度、抗がん剤治療を受けています。治療を受けた日はしんどいですね、でも普段は元気ですよ。早くお店を再オープンさせたかった。僕の料理を食べて、地域のみなさんによろこんでもらえることが一番うれしい」。

そんな野田さんが現在提供している中華料理は、“中華弁当”のテイクアウト

これが、おいしい!と評判なんです。

ボックスランチ 各1200円(税込)

「まんちおかずランチ」

・豚肉ときくらげと玉子の炒め*

・揚げワンタン*

・揚げナスの香味甘酢*

・蒸し野菜の豆鼓ねぎソース*

・インゲン豆の黒胡麻和え*

・フレッシュ野菜のサラダ

・白菜と人参の甘酢漬け*

・ライス(自家製醤油ごま)

「唐揚げランチ」

・鹿児島産若鶏の唐揚げ(五香スパイス付き)

・肉焼売

・揚げナスの香味甘酢*

・蒸し野菜の豆鼓ねぎソース*

・インゲン豆の黒胡麻和え*

・フレッシュ野菜のサラダ

・白菜と人参の甘酢漬け*

・ライス(自家製醤油ごま)

*印は1か月ぐらいで変更します。

「麻婆飯ランチ」

「天津飯ランチ」

「醤油焼きそばランチ」

上記、各飯ランチにプラス

・若鶏の唐揚げ

・フレッシュ野菜のサラダ

・肉焼売*

・ブロッコリーのネギ油和え*

・白菜と人参の甘酢漬け*

*印の内容は変更する場合がございます。

ほかにも保温庫には、「肉まん」260円(税込)「栗と叉焼(チャーシュー)のちまき」380円(税込)「中華バンズ」480円(税込)「叉焼(チャーシュー)まん」280円(税込)などもあり、どれもおいしそう。

こちらの冷凍庫には、「肉まん」4個 1040円(税込)「割包(カーポウ)」4個 380円(税込)「若鶏ともち米のハスの葉包み蒸し」2個 800円(税込)「叉焼(チャーシュー)まん」4個 1120円(税込)「小籠包」9個 1480円(税込)「栗と叉焼(チャーシュー)のちまき」2個 760円(税込)など、お店の味がいつでもお持ち帰りできるようにスタンバイされていました。

店内には、ほかにも野田さん手づくりの調味料や、本場中国から仕入れたお茶大人気の「マーラーカオ」など、魅力的な品々が並んでいます。

写真左から、「辣油」400円(税込)、「朝天辣油」400円(税込)、「香錯」120円(税込)
写真左から、「辣油」400円(税込)、「朝天辣油」400円(税込)、「香錯」120円(税込)

「中国茶」左から、「プーアール茶」580円(税込)、「ジャスミン茶」480円(税込)、「東方美人」480円(税込)、「ライチ紅茶」480円(税込)
「中国茶」左から、「プーアール茶」580円(税込)、「ジャスミン茶」480円(税込)、「東方美人」480円(税込)、「ライチ紅茶」480円(税込)

「マーラーカオ」250円(税込)~
「マーラーカオ」250円(税込)~

(写真提供 「チャイナキッチンMunch(まんち)」)
(写真提供 「チャイナキッチンMunch(まんち)」)

(写真提供 「チャイナキッチンMunch(まんち)」)
(写真提供 「チャイナキッチンMunch(まんち)」)

ぷっくり可愛らしい「マーラーカオ」「Munch」の焼き印がかわいい!

商品のパッケージやデザインを手掛けるのは奥様の美沙絵さん。中華料理店らしからぬ可愛さは、女性にもよろこばれそう。

店頭に並ぶ「マーラーカオ」は、日によって変わるそうです。

この日は、「プレーン」「リンゴ」「チョコチップチョコ」「黒糖」が並んでいました。シンプルな「プレーン」が一番人気なんだそう。

今回は、野田さんおススメの3種類の中華弁当をオーダーしました。

ご用意いただいたのは、「まんちおかずランチ」「麻婆飯ランチ」「天津飯ランチ」。どれもボリュームたっぷりでおいしそう。

「まんちおかずランチ」のホイコーローは、コクのある甘味噌で味付けされ、豚肉、キャベツ、ピーマン、きくらげ、など具だくさん。きくらげの歯応えがいいアクセントになっています。こっくりとした風味豊かな甘味噌は、中華料理店ならではのおいしさ。家庭で作ると、なかなかこうはいきません。ほかにも、オーロラソースのような甘さがどこかホッとする「エビマヨ」や、ピリ辛さっぱり味の「ナスと蒸しキノコの*ユイシャンソース」など、目にも鮮やかで、味のバリエーションも豊富な7品のおかずとご飯がたっぷり入った大満足ランチです。晩ごはんにも〇。

*ユイシャンソースとは

ユイシャン(魚香)は、赤唐辛子、ネギ、生姜などを使用し、塩味、辛味、甘味、酸味が調和した味付けが特徴的。

こちらは、見るからにずっしりとした「麻婆飯ランチ」「天津飯ランチ」

それもそのはず、上には唐揚げメインのおかずボックス、下には“丼もの”が入っています。

「麻婆飯ランチ」
「麻婆飯ランチ」

「天津飯ランチ」
「天津飯ランチ」

各飯ランチにプラスされる唐揚げメインのおかずボックス
各飯ランチにプラスされる唐揚げメインのおかずボックス

「麻婆飯」は、一口食べるとガツンとしたコクと肉感に驚きます。麻婆豆腐ではなく、麻婆肉?といった感じ。こってりとしたコクの後に追いかけて来る辛さも程よく、辛いのが苦手という方でも食べやすいと思います。

「天津飯」は、たまごのまろやかさを邪魔しないやさしい塩味が印象的。潔く「“たまご”が主役です」と言われているような、でも“たまご”ってこんなにまろやかだっけ?と感じる不思議なおいしさ。

五香スパイスで味変できる唐揚げや、手づくり肉焼売、野菜などもたっぷり入って育ち盛りのボーイズにもうれしい、そしてパッケージもかわいい「ランチボックス」です。

店主の 野田 正三さん
店主の 野田 正三さん

今回の取材で、“がんの闘病中”であることを公にすることに抵抗はないかと尋ねると、

「同じような境遇で苦しんでいる人に僕の元気な姿を見ていただき、少しでもその方の励みになればうれしい。先日、“がんの宣告を受けた”という方から相談のお電話をいただきました。この経験が人のお役に立てるなら幸いです」。

肌の色つやも良く、見るからにお元気そうな野田さん。なによりも料理を作って食べてもらうことが好き”という「料理人魂」が、病気にも勝るパワーを発しているのかもしれません。3歳から泉佐野育ちという野田さん。地域の人によろこんでもらいたいという想いもひしひしと伝わり、取材中もふらっと現れた年配の方に「がんばりや~!」と声を掛けられるなど、みんなから愛されているんだなーと感じました。

「実は僕、辛いのが苦手なんです…笑」とお茶目な一面も。

なるほど、そういえばどのお料理も辛さ控えめ。辛さ調節ができるように…と、辣油などの調味料が販売されているのも納得です。そのやさしい味と、前向きな野田さんを応援するファンがたくさんいることを取材を通じて痛感いたしました。

現在、「チャイナキッチンMunch(まんち)」では店内飲食はおこなっておらず、テイクアウトのみ。お店にお弁当を並べていた時期もあったそうですが、“作りたてを食べてほしい”という想いから、予約制にしたのだとか。

ある中華料理店に届く温かいメッセージ、それは、がん闘病中にお店を再オープンさせた「チャイナキッチンMunch(まんち)」の店主 野田さんとご主人を支える奥さんへの地域のみなさんからの素敵なエールでした。

【基本情報】

店名:「チャイナキッチンMunch(まんち)」
公式インスタグラム(外部リンク)
公式フェイスブック(外部リンク)
住所:泉佐野市高松西1丁目2072-12
Tel:072-425-1807
営業日:木曜・金曜・土曜・日曜 11:00~15:00 
*テイクアウトのみの販売
駐車場:あり(店前1台、ほか5台*インスタグラムハイライト参照)
取材協力・写真提供 「チャイナキッチンMunch(まんち)」店主 野田 正三様、美沙絵様
*ご予約はインスタグラムのDM(前日まで) or お電話で、メニュー、お名前、お電話番号、お時間をお知らせください。
*記事内容は取材当時のものです。最新の情報、営業日はインスタグラムでご確認ください。

ライター(泉南市・泉佐野市)

なんでもない日々を旅するように暮らす日常写真家。「ローライ35s」という小さなフィルムカメラでささやかな日常を記録しています。私たちの町のちょっとうれしくなるあんなことこんなこと。皆様の日常がもっともっと楽しくなりますように。

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