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「何度言ってもやらない夫が片づけた!」片づけアドバイザーの私が夫に試して成功した3つの方法

高桐久恵整理収納アドバイザー

岐阜県で整理収納アドバイザーとして活動している高桐久恵です。

普段は個人のお宅の片づけをしている私ですが、依頼者はほぼ女性でそのお宅の母親の立場である場合が多いです。

中にはご主人には理解が得られないからご主人には内緒で依頼したという方も少なくありません。その中でよくお聞きするのが『夫が全く捨ててくれない』『片づけても片づけても夫が散らかしていく』『家の中のことに夫が無関心』といったご主人問題。

(この問題は妻側が捨てられない、子どもが捨てられないという場合も多いです。)

かくいう我が家の夫も捨てられない性格で、なんでも形から入り次から次へ物を増やしていく厄介なタイプ。

そんな捨てたくない夫と捨てたい妻のバトルはこれまで幾度となく繰り広げられてきました。

今はだいぶお互いがお互いの気持ちを尊重しながら空間もうまく使えているのかなと思っています。

しかしここに来るまでは何年もかかっており試行錯誤の連続。

今回はそんな試行錯誤してきた夫婦のやり取りと私が試してきて成功した方法をお伝えします。

成功への第一歩①まずは彼の気持ちを受け止める

玄関から入ってくるといきなりダイニングテーブル。奥が夫の部屋。
玄関から入ってくるといきなりダイニングテーブル。奥が夫の部屋。

我が家はちょっと変わった間取りで、玄関で靴を脱いで扉を開けるとそのままダイニングという造りになっています。

思い起こせば6年ほど前、夫は仕事から帰ってきたらまず持っているカバンや上着や鍵などをダイニングの椅子にドスッと置き、シャツやズボンをその場で脱ぎ、その辺に置いてあった部屋着に着替えてからダイニングテーブルで夕飯を食べるという動きが彼のルーティンでした。

その度に私は夕飯を出した後に決まって夫が散らかしたモノ達を隣の夫コーナーに戻すという生活。その頃は次男がまだ保育園児でしたから、心にも余裕がなくいつもイライラしていて機嫌が悪い時には「まず自分のところに荷物を置いてきてからご飯を食べてよ!着替えもちゃんと洗濯機に入れて!」と疲れた夫によくぶつけていたものです。

そんな事を言ってもやるのはその時だけで次の日にはまた決まって同じ生活。

その頃、整理収納アドバイザーの資格を取ったばかりの私はモノの場所をしっかり作ればいいんだ!と思いたち、彼専用のカゴを購入し夫コーナーの一角に配置しました。

しかし一向に戻す気配はなく、「せっかく買ってきて場所を作ってあげたんだからちゃんとやって!」と喧嘩になる始末。

今思えばまず彼がなぜそのような動きになってしまうのか彼自身に聞いてあげ理解すること、そして私の気持ちをしっかりと伝えることができていなかったと感じます。

成功への道のり②動線を短くする。

我が家のパジャマボックス。畳まなくても入れればOK。
我が家のパジャマボックス。畳まなくても入れればOK。

なぜ自分の荷物や着替えを自分のスペースに置いておけないのかを問いただすと、なんとその答えは「遠いから」でした。

確かに夫のスペースはリビングダイニングを通ったその奥の部屋の一角にありました。言ってしまえば全然遠いことはなくたった数歩の距離ですが、疲れてクタクタで帰ってくる彼にとってはその数歩がとても遠く感じていたんだという事に気が付きました。

そこで私は彼のために買ったカゴを玄関のそばに置くことにしました。すると翌日からしっかりカゴに入れられるようになったのです。

味をしめた私は、何年もかけてそのカゴを元あった夫のスペースの方へ少しづつ移動させ、今では当たり前のように帰宅したら隣の部屋まで行き荷物を置いて部屋着に着替えてからご飯を食べるようになりました!

子どものカバン収納場所も玄関からスタート。
子どものカバン収納場所も玄関からスタート。

子どものランドセルなども同じやり方で、玄関から一番近いところに定位置を設けました。

動線上に収納場所を設けるというのがポイントです。

成功への道のり③捨てられなくてモノをどんどん増やすタイプには枠を決める。

収納いっぱい夫の私物が…でも外野の私は何も言わないのがルール。
収納いっぱい夫の私物が…でも外野の私は何も言わないのがルール。

次なる課題はモノを次から次に買ってモノを増やす問題です。

どれだけ手放してもその分モノを増やしていては、いつまで経ってもモノは減りません。こういうタイプは目の前に欲しいと思うものがあれば欲求のまま手に入れてしまい、自分がどれだけの量を持っているのか分からなくなっている場合が多いようです。

我が家で実践した方法は枠を決めてしまうというやり方です。我が家で一番大きい収納が1階にある押入れでした。

その中には布団や季節家電、私の思い出のモノなども入れていましたが必要なモノ以外を整理し残りのスペースを全て夫に与えることにしました。

(ここで大事なポイント!自分も彼のために妥協する姿を見せる事)

その際に一つルールを決めたのです。それがこの押入れから溢れたら必ず処分すること。ここに入るまでなら好きなように入れてもOKというルールです。

自分だけのスペースというのは大人でも子どもでも嬉しいもの。与えられた空間をキレイに収納したくなったのでしょう。整理収納に無頓着な夫が収納グッズを駆使して趣味のモノを並べ始めました。

そして枠からはみ出すと処分しなければいけないので優先順位を付けてしまうことができるようになりました。

成功へのゴール!ラベリングで一目瞭然!

ある程度整理しておさめることができるようになったら最後は定位置管理です。

ラベリングは「子どもじゃないんだから…」と抵抗を示す方も多いですが、ラベルがあるのとないのではかなり生活のしやすさが違うことを断言します!

この効果はじわじわと感じるものなので一度やってみてほしいです。

家族の片づけで一番大切なこと。

実は片づけで大事になってくるのが家族間のコミュニケーション。

誰かが一人で片づけたいと頑張っても、ほかの家族にその想いが伝わっていないと気持ちだけが空回りしてしまいなかなか進めません。

片づけに正解はなく、その家で暮らす家族みんなが居心地がいいと感じることができていれば私は100点だと思っています。

片づけられない、捨てられないといった問題には必ず理由があるもの。

誰かの考えや価値観を押し付けるだけでもうまくいきませんし、相手の思いを汲み取り妥協する必要も出てきます。

その為にはとにかく家族で話し合うこと。

多くのお宅の片づけサポートをさせていただいて思うのは、家の中のトラブルは家族間のコミュニケーション不足から起こっていることがほとんどだということ。

誰か一人が家事を背負うのも、誰かを責めるのも違っていてお互いを尊重しつつできることを見つけて協力し合うことが大事だなと思います。

整理収納はトライ&エラー。まずは行動を起こす!早速何か実践して試してみて下さいね!

筆者:高桐久恵(たかぎりひさえ) 整理収納アドバイザー
岐阜県で講座やセミナーのほか、個人宅の片付けサポートを行う。
生前整理アドバイザーの資格も持ち、収納よりも整理に特化したサポートを心がけています。
Instagram(@restart.138)ではお片付けビフォーアフター画像や元バスガイド時代の漫画も描いています。

整理収納アドバイザー

新しい自分に出会うお手伝いを!の言葉をモットーに今の自分を変えたい方のサポートをしています。整理収納アドバイザー1級、整理収納アドバイザー2級認定講師、生前整理アドバイザー、発達支援教育士。講座セミナー受講者 1600人以上/片付け作業実績 1500時間以上/岐阜県大垣市在住。小学生2人の男の子ママ。

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