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「仕事始めがしんどい人」にオススメの入浴法。温度を〇〇度に変えるだけ!【温泉マニアが伝授】

高橋一喜温泉ライター/編集者

今日もしくは明日から仕事という人は多いだろう。連休明けはいつにもまして仕事へ行くのが億劫に感じられるかもしれない。

そんな人におすすめしたいのが、いつもの入浴を少し工夫してやる気アップにつなげる方法だ。

入浴で「戦闘態勢」になる

まずは、基本的な体のしくみから説明しよう。

人間の身体の働きを調整する「自律神経」は、「交感神経」と「副交感神経」の2つからなる。

緊張や興奮をつかさどる「交感神経」と、体をリラックスさせる「副交感神経」は、バランスよく機能することで心身ともによい状態を保てる。

これら2つの自律神経は入浴時の温度によっても切り替わる。

42度以上の熱い湯に入ると、緊張や興奮状態の「交感神経」が優位に立ち、戦闘態勢となる。

一方、37~40度のぬるめの温泉だと、体をリラックスさせる「副交感神経」が優位に立ち、落ち着いた気分になる。

日常のストレスを解消するために温泉に入るのであれば、ぬる湯のほうが効果的だ。筆者はぬるい湯につかったあとは決まって眠くなるが、これもリラックスしている証拠だろう。

もちろん、交感神経と副交感神経のどちらが優れているかという問題ではない。あくまでもバランスが重要だ。

ストレス過多で、常に緊張状態を強いられる現代社会では、交感神経ばかりが活性化して、副交感神経がうまく働いていないケースも多いという。

2つの交感神経のバランスが大きく崩れたときに症状としてあらわれるのが「自律神経失調症」である。仕事でストレスを受ける人ほどかかりやすい病気とされる。

オンとオフのバランスが重要

こうした「交感神経」と「副交感神経」の知識が頭に入っていると、仕事のオンとオフのスイッチを意識的に切り替えることができる。

筆者は温泉宿にこもって長期間仕事をすることがある。いわゆる「温泉ワーケーション」だ。

滞在中は泉温の異なる湯を使い分けて、自律神経をコントロールするようにしている。朝は少し熱めの温泉に入ったり、熱めのシャワーを浴びて交感神経を優位にする。

反対に、リラックスしたいときや就寝前はぬるめの湯にゆっくりつかって、副交感神経を優位にする。

泉温の異なる湯船を使い分ける
泉温の異なる湯船を使い分ける

これは温泉にかぎらず、日常生活にも応用できる。

「さあ、これから仕事をするぞ」というときは、事前に42度以上の熱めの湯に入っておく。精神と緊張を高ぶらせる「交感神経」を刺激することによって、体がシャキッとし、脳の働きもよくなる。当然、仕事も捗るだろう。

朝、出勤前にシャワーで熱めの湯を浴びるのも効果的だ。水圧の刺激効果もあり、「元気に一日のスタートを切れそうだ!」といった気分になる。

入浴時の温度設定に注意を払うと、休み明けの「なんだか気が重い」という憂鬱さも吹っ切れるはずだ。ふだん朝風呂の習慣がない人も、朝から風呂に入ったり、シャワーを浴びたりしてみてはいかがだろうか。

ただし、これらを実践する際、注意すべきことがある。特に冬場は急に熱い湯に入ると血圧が上昇し、ヒートショックを起こしてしまう危険性もある。事前に脱衣所や浴室内を暖めるなどして急激な温度変化が起きないように気をつけたい。

高橋一喜|温泉ライター
386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3800超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信中

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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