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燃料費高騰のあおり!巌立峡ひめしゃがの湯(岐阜県下呂市)が一時休館へ。炭酸泉が人気の日帰り温泉

高橋一喜温泉ライター/編集者

年明け早々、温泉ファンにとってはショッキングなニュースが飛び込んできた。岐阜県下呂市にある飛騨小坂温泉郷の日帰り温泉「ひめしゃがの湯」が2023年1月末をもって一時休館すると同施設のホームページ(外部リンク)で発表した。

皆様方に親しまれてきました、「巌立峡ひめしゃがの湯」は、この度、諸般の事情により令和5年1月末をもちまして一時休館することとなりました。

ひめしゃがの湯
ひめしゃがの湯

ひめしゃがの湯といえば、全国的にも貴重な炭酸泉の名湯として知られる。

内湯と露天に注がれる黄金色に輝く濁り湯は38度とぬるめの設定だが、体中にびっしりと炭酸ガスの気泡がくっつくほど。最初は冷たく感じるが、徐々に体の芯までポカポカと温まってくるのが炭酸泉の特徴だ。あまりに気持ちよいため、1時間は平気でつかっていられる。

筆者はこれまで3800を超える温泉に入ってきたが、ひめしゃがの湯は5本の指に入るレベルの極上炭酸泉だと思っている。

炭酸泉は敷地内の飲泉所で飲むこともできる。ちょっと苦味のある炭酸飲料水といった味わいだ。

ひめしゃがの湯の飲泉所
ひめしゃがの湯の飲泉所

さらには、館内の食事処では温泉を使った湯豆腐やしゃぶしゃぶをいただくこともできる。温泉で湯豆腐にすると豆腐がまろやかな味わいになるという。

納豆喰豚鉱泉しゃぶしゃぶ定食
納豆喰豚鉱泉しゃぶしゃぶ定食

今回の一時休館は昨今の燃料費高騰が一因になってしまったようだ。炭酸泉の宿命でもあるが、源泉の温度が低いためにボイラーで加温する必要があるからだ。

「一時休館」ということなので、当然再開が期待されるわけだが、今年はさらなら燃料高騰が見込まれることからしばらくは難しいかもしれない。もっといえば、燃料費高騰は温浴業界全体の問題でもあるので、今後ひめしゃがの湯のように休業や廃業に追い込まれる温泉施設が相次ぐ可能性もある。

2023年1月31日までは営業している。あのすばらしい炭酸泉に入れなくなる前に訪ねてみてはいかがだろうか。

高橋一喜|温泉ライター
386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3800超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信中

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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