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別府温泉だけではない!「地獄めぐり」が楽しい温泉地5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

「極楽、ごくらく~」といえば温泉だが、温泉には「地獄」の一面がある。

火山性ガスや温泉の蒸気熱などにより草木の生えない場所や、高温の温泉が大量に湧出する源泉地帯のことを「地獄」と言う。熱源である地獄地帯は天地の恵みであると同時に、噴火などの災害をもたらす。温泉において、地獄と極楽は表裏一体である。

今回は、そんな地獄地帯を間近に感じられる極楽の温泉地を紹介しよう。地獄の風景を見てから入浴すれば、温泉が大地の恵みであることを強く実感できるはずだ。

①登別温泉×登別地獄谷(北海道)

北海道を代表する温泉街の奥に、泉源となる大規模な地獄地帯が広がる。地獄谷の散策路には温泉の川を利用した足湯などもあり、観光客を楽しませている。夜にはライトアップされ、幻想的な風景を演出する。老舗旅館の第一滝本館の湯船では、地獄谷の壮大な風景を眺めながら入浴できる。

登別地獄谷
登別地獄谷

②恐山温泉×恐山(青森県)

日本三大霊場の一つであり、イタコの存在でも知られる恐山。カルデラ湖の宇曽利山湖の神秘的な美しさが目を引くが、その湖畔には噴煙が上がる荒涼とした地獄地帯が続く。菩提寺の境内には4カ所の湯小屋があり、参拝料を支払えば無料で入浴できる。

恐山
恐山

③川原毛大湯滝×川原毛地獄(秋田県)

日本三大霊場のひとつ。草木が生えない灰色の山肌から蒸気が吹き出し、荒涼とした風景をつくりだしている。川原毛地獄を泉源とする温泉は川の水と合流し、日本一の温泉の滝「川原毛大湯滝」となる。大湯滝では川遊びと入浴を楽しむ人で賑わう。また、同じエリアにある小安峡の大噴湯も大地の息吹を実感できるスポットである。

川原毛地獄
川原毛地獄

④雲仙温泉×雲仙地獄(長崎県)

広範囲から噴き出す蒸気と熱気が圧巻の地獄地帯は、雲仙を代表する観光スポット。大叫喚地獄やお糸地獄、清七地獄など30あまりの地獄からなり、さまざまな哀史や伝説を今に伝える。江戸時代にはキリシタン殉教の舞台になった。地獄地帯を中心に温泉街が形成され、大地の恵みである温泉に癒される。

雲仙地獄
雲仙地獄

⑤別府・鉄輪温泉×地獄めぐり(大分県)

別府温泉の地獄めぐりは、さまざまな奇観を呈する自然湧出の源泉「地獄」を周遊する定番の観光コース。世にも珍しい赤色の湯が湧く「血の池地獄」や間欠泉の「竜巻地獄」、熱泥がたぎる「鬼石坊主地獄」など、温泉が魅せるそのバリエーションは感動的ですらある。山間にある明礬温泉では地獄地帯から湧出した湯を堪能できる。

竜巻地獄
竜巻地獄

高橋一喜|温泉ライター

386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3800超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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