温泉資源にめぐまれている九州地方は、各地に温泉地が点在する。そのぶん観光客も分散されるので、ひとり静かな時間を過ごせるのも魅力だ。

ソロ温泉（ひとりでの温泉旅）で訪れたい九州の温泉地を５カ所紹介する。

長湯温泉（大分県）

温泉宿が立ち並ぶ芹川の河川敷にある露天風呂「ガニ湯」がシンボル。野ざらしなので入浴には勇気がいるが、ほかにも共同浴場や日帰り入浴施設が充実しているので、湯浴みには困らない。

ラムネ温泉館では貴重な天然の炭酸泉を楽しめる。

湯治客用の宿が多いのも長湯温泉の特徴で、ゆっくり連泊するのもよし。

別府温泉郷（大分県）

「温泉のテーマパーク」ともいえるほど多彩な入浴施設がそろう別府は、街全体が温泉街。街中に温泉が点在するので、適度ににぎやかな雰囲気が好きな人には居心地が良い。

温泉情緒があるのは、湯煙が立ち上る景観が美しい鉄輪温泉。

ホテル、旅館、湯治宿など宿泊施設は400軒ほどにのぼる。快適な旅をしたいなら「旅館・ホテル」、温泉文化にどっぷりつかりたいなら「湯治宿・民宿系」というように使い分けも可能だ。

日奈久温泉（熊本県）

放浪に生きた種田山頭火も気に入った温泉地。昭和レトロな雰囲気が魅力の温泉街には、15軒ほどの旅館と2軒の共同浴場、日帰り専門の温泉もある。

もともと湯治場の性格をもつ温泉地なので、華やかさはないが、静かで落ち着いた湯の街情緒を味わいたい人にはおすすめ。

妙見温泉（鹿児島県）

天降川沿いに温泉宿が並ぶ。歓楽スポットはないので、温泉と自然にどっぷりつかりたい一人客にはもってこいの環境。

湯治風情の宿から洗練された高級旅館まで、バリエーションに富んだ宿が併存するのが特徴で、川沿いにあるため、露天風呂自慢の宿も多い。

飲食店や商店が少ないのが難点だが、鹿児島空港から近いのはセールスポイント。

鹿児島市内温泉（鹿児島県）

あまり知られていないが、鹿児島市内は温泉銭湯の宝庫。市内だけでも40以上の温泉銭湯が存在する。

鹿児島市内のシティホテルやビジネスホテルを拠点にして、温泉銭湯めぐりをするのも楽しい。ちなみに、鹿児島中央駅にあるビジネスホテル「シルクイン鹿児島」はかけ流しの湯船がある。

桜島のほか、繁華街の天文館、歴史スポットなど観光地としても魅力だ。