暑い季節には、避暑を兼ねて温泉地に出かけてみてはいかがだろう。

おすすめは、「川」のある温泉地。川の近くにいるだけで体感温度は下がるし、水が流れる風景や音も涼やかである。ひとり静かに、川を眺めながら時間を過ごすのも風情がある。

そこで、ソロ温泉（ひとりでの温泉旅）で訪ねたい「川のある温泉地」を５カ所紹介したい。

大鰐温泉（青森県）

「雨かとて さむれば川の音にして 尾上にすめる 有明の月」。美しい紀行文で名を馳せた大町桂月は、温泉街を貫くように流れる平川の情景を歌に詠んでいる。その平川沿いには、今も旅館や共同浴場が立ち並ぶ。歓楽的要素はないが、素朴な温泉地でゆっくり時間を過ごしたい人にはおすすめだ。

四万温泉（群馬県）

『千と千尋の神隠し』のモデルとなったとされる老舗旅館「積善館」周辺の湯の街情緒が有名だが、温泉街に沿って流れる四万川の渓谷美も魅力。渓流を望む露天風呂が名物の宿も多い。露天風呂の対岸に、野生の猿が現れることも。湯量豊富でほとんどの宿が源泉かけ流し。

塩原温泉（栃木県）

箒川沿いの谷間には11の温泉地が連なっており、「塩原温泉郷」として知られる。渓谷沿いに建つ旅館の多くは、川に面した露天風呂が名物。温泉地ごとに泉質が異なる上に、ほとんどがかけ流し。温泉通も納得の名湯だ。首都圏からアクセスしやすいのもポイントが高い。

湯来温泉（広島県）

広島市の山間部に位置する「広島の奥座敷」。数軒のみの小さな温泉地だが、目の前を流れる水内川は、川遊びで人気のスポット。四季の移ろいも体感できるエリアで、春は桜、夏は蛍、秋は紅葉、冬は雪景色を見られることも。水内川に面する「国民宿舎湯来ロッジ」は、広島では珍しい源泉かけ流し。

妙見温泉（鹿児島県）

天降川沿いに妙見・安楽温泉を中心に温泉地が並ぶ。湯治風情の宿から洗練された高級旅館まで、バリエーションに富んだ宿が併存するのが特徴で、ニーズに合わせて選択できる。川沿いにあるため、露天風呂自慢の宿も多く、ほとんどが源泉かけ流しである。鹿児島空港から近いのもセールスポイント。