素朴な風情を残す東北の温泉地は、観光客も多すぎず、ソロ温泉（ひとりでの温泉旅）とも相性がよい。

そこで、ソロ温泉で訪ねたい東北の温泉地を５カ所紹介する。

肘折温泉（山形県）

山あいに湧く静かな温泉地だが、伝統的な湯治場の景観が今も残る。長期の湯治客が多いのも特徴で、日用品や食料品をそろえた商店もある。早朝、温泉街に朝市が立つのも見どころのひとつ。比較的、宿泊料金も安く抑えられているので、ゆっくり連泊して湯治気分を味わいたい。

蔵王温泉（山形県）

標高880メートルに位置する歴史ある温泉地。白布温泉、高湯温泉とともに「奥羽三高湯」のひとつに数えられる。スキーリゾートとしても人気で、秋は紅葉、冬は樹氷が絶景。温泉街には小さな民宿、ペンションから温泉旅館まで100軒ほどの宿泊施設があり、ニーズや予算に合った宿を選べる。質の高い共同浴場が３つあり、なかでも川原湯共同浴場は足元湧出泉。

飯坂温泉（福島県）

風情のある小さな旅館から大型旅館まで数多くそろうので、自分の好みや目的に合わせて宿を選べる。鯖湖湯をはじめ共同浴場が充実しているのも魅力で、湯めぐりをするのも楽しい。東京から新幹線等を利用して２時間強で到着するのも便利だ。

鳴子温泉郷（宮城県）

鳴子温泉郷は、鳴子を中心に東鳴子、川渡、中山平、鬼首の５つの温泉地で構成される。最もにぎやかなのは鳴子温泉で、湯の街情緒もある一方、東鳴子や川渡は湯治場の素朴な風情が魅力。鳴子温泉郷にはひとり旅も受け入れてくれる湯治宿が数多く健在なので、ソロ温泉にはもってこいの温泉地だ。

百沢温泉（青森県）

津軽富士こと百名山・岩木山の麓にわく小さな温泉地。岩木山をご神体とする岩木山神社のまわりに宿が点在する。いずれも鶯色に濁った源泉がかけ流しで、湯の質を重視する人にはおすすめ。弘前市からも近いので、弘前城などの散策とセットで訪れるのも楽しい。