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3800湯を巡った温泉ライターが振り返る「ソロ温泉でもう一度訪ねたい温泉地5選」【2023年】

高橋一喜温泉ライター/編集者

2023年もさまざまな温泉地を一人、「ソロ温泉」で巡ってきた。やはり気楽なひとり旅は最高である。

ということで、2023年に訪ねた温泉地の中で、おすすめのソロ温泉を5カ所紹介したい。

下風呂温泉(青森県)

下北半島北端、津軽海峡に面した港町の温泉地。最果ての温泉地といった風情がソロ温泉にふさわしい。おもに3つの源泉があり、いずれも乳白色が美しい濁り湯。どの温泉施設もかけ流しである。日帰り温泉の「海峡の湯」では、2つの硫黄泉「大湯」と「新湯」を同時に楽しめる。イカやホタテ、ウニ、あんこうなど海産物も美味。海峡の湯で食べたあんこう鍋が絶品だった。

鶴居温泉(北海道)

釧路湿原に囲まれた、人口2500人の小さな村。その名の通り、特別天然記念物のタンチョウ鶴を観察できる地としても知られる。だが、すばらしいモール泉(太古の植物由来の源泉)が湧いていることはあまり知られていない。「鶴居ノーザンビレッジホテルTAITO」「つるいむら湿原温泉ホテル」「グリーンパークつるい」などの宿泊施設で源泉かけ流しの湯を堪能できる。

金田一温泉(岩手県)

岩手県の北部、二戸市にある静かな温泉地。「座敷わらし」に出会える宿「緑風荘」が有名である。2022年にオープンした宿泊施設「カダルテラス金田一」は、温泉街の新しい顔。日帰り入浴やサウナ、プール、カフェなどが充実していて活気を取り戻した感がある。宿泊したのは2度目となる「侍の湯おぼない」。料理や温泉も申し分ないが、若女将のおもてなしには感動する。

飯坂温泉(福島県)

福島市内の歴史ある温泉地。10年ぶりの訪問となったが、相変わらず「鯖湖湯」の雰囲気と源泉はすばらしく、共同浴場が充実しているのは飯坂温泉の魅力である。風情のある小さな旅館から大型旅館まで数多くそろうが、お気に入りは鯖湖湯の隣に建つ「ほりえや旅館」。創業1882年の老舗だが、家族経営の気どらない雰囲気がひとり旅にも心地よい。

有馬温泉(兵庫県)

関西を代表する歴史ある名湯。観光客が多く、あまりソロ温泉に向かない面もあるが、あらためて訪問すると、やはり見どころの多い温泉地で満足度が高い。旅館や商店、寺社が並ぶ温泉街を散策するのは楽しく、一日歩いても飽きない。赤茶色に濁る「金泉」は、日本屈指の成分量を誇る濃厚湯。宿泊した「上大坊」では源泉かけ流しの湯をいただいた。観光客が多くても気にならない人には、あらためて見直してほしい温泉地だ。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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