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入浴無料も! ソロ温泉で訪ねたい「中国地方の共同浴場」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

歴史深い温泉地は、地元の人が毎日のように通う共同浴場(外湯)が充実しているケースが多い。

温泉街が形成される初期から存在する共同浴場は、温泉街のシンボル的存在であり、地域の人が普段から使用している湯なので、源泉の質が高い傾向がある(かけ流しが多い)。しかも、総じてリーズナブルだ。

ゆっくり湯と向き合うひとり旅(ソロ温泉)であれば、共同浴場での湯浴みも選択肢に入れたい。

そこで、鄙びた温泉地が多い中国地方の共同浴場を5カ所紹介したい。

湯原温泉・砂湯(岡山県)

湯原温泉は美作三湯のひとつで、川沿いに十軒ほどの宿が並ぶ。ダムの麓にある開放的な混浴露天風呂「砂湯」が名物で、川底から透明の源泉が湧き出す「足元湧出泉」。全国でも大変貴重な露天の共同浴場である。入浴無料。

温泉津温泉・薬師湯(島根県)

世界遺産・石見銀山ゆかりの温泉地で、往時は銀の積み出し港として賑わった。昔ながらの建物が並ぶ温泉街は、鄙びていて風情は満点。「元湯泉薬湯」と「薬師湯」の2軒の共同浴場はアツアツの湯で知られるが、もちろん源泉かけ流しで新鮮である。ひとりで湯の街情緒を感じたい人におすすめ。入浴料600円。

長門湯本温泉・恩湯(山口県)

県内最古の歴史をもつ温泉地。星野リゾートなどが中心となって温泉街の再生プロジェクトが始動し、2020年3月に共同浴場「恩湯」がリニューアルオープン。モダンな施設に生まれ変わったが、39度のぬるくてやわらかい湯は健在。湯船からは岩盤から湧き出す源泉を見ることができる。入浴料650円。

有福温泉・御前湯(島根県)

階段状のレトロな温泉街。旅館の廃業が相次ぎ、現在は旅館3軒のみだが、御前湯、やよい湯、さつき湯の3つの共同浴場があるなど、源泉の質は山陰屈指。温泉につかりながら静かな時間を過ごせる。なかでも、モダンな西洋建築風のレンガ造りの御前湯は、大正浪漫を感じさせる外観と浴場が魅力である。入浴料400円。

三朝温泉・河原露天風呂(鳥取県)

三徳川に沿って形成される三朝温泉は、日本有数の放射能泉の名湯として知られる。湯浴み客が立ち寄る名物が、河川敷にある河原露天風呂。周囲から丸見えの混浴の共同浴場であるが、一度浸かれば解放感抜群だ。温泉の原風景ともいえる湯船での入浴は、忘れがたい思い出になるに違いない。入浴無料

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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