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歴史に浸る!「関東のレトロな日帰り温泉」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

温泉旅行は、歴史を感じる旅である。歴史を超えて長い間人々を癒やしてきた温泉地には、古き良き日本の原風景が残っている。

その代表格が老舗宿などの入浴施設である。昔と変わらぬ情緒で現代人を迎えてくれる。まるで時が止まったようなレトロな雰囲気の中で入浴する体験は、最高の癒やしとなる。

今回は関東周辺で、気軽に日帰り入浴もできるレトロな温泉施設を紹介したい。

那須湯本温泉・鹿の湯(栃木県)

1300年の歴史をもつ日帰り温泉「鹿の湯」。昔ながらの湯治場を彷彿とさせる木造の浴室には41~48度の湯船が6つ並ぶ(男湯)。硫黄が香る乳白色の湯は当然かけ流し。お気に入りの泉温の湯船を選んで入浴できるのがうれしい。ゆっくりできるなら、昔ながらの湯治宿が並ぶ温泉街にも滞在したい。8:00~18:00、500円。

法師温泉・長寿館(群馬県)

みなかみ町の山中にある秘湯の一軒宿で、国の登録有形文化財。明治時代の面影を残す鹿鳴館風の「法師乃湯」は、4つ並ぶ浴槽に玉石が敷き詰められ、その隙間から源泉が自然湧出する。いわゆる「足元湧出泉」なので鮮度は抜群。混浴。日帰り入浴11時00分~13時30分、1500円。

四万温泉・積善館(群馬県)

『千と千尋の神隠し』のモデルとなったとされる老舗旅館「積善館」は県の重要文化財。周辺の湯の街情緒も見どころがあるが、昭和5年に建てられた「元禄の湯」は大正ロマンを感じられる浴舎が自慢。5つに分かれた小さな湯船にピュアな透明湯が掛け流しにされている。日帰り入浴10:00~17:30、1500円。

箱根湯本温泉・弥坂湯(神奈川県)

1951年(昭和26年)の開業以来、地元の人々を癒やしてきた共同浴場。観光客の多くは存在に気づかないが、昔ながらの番台も味わい深く、昭和の時代にタイムスリップしたかのよう。まん丸の湯船には透明湯がかけ流し。9:00~20:30、650円。

岩下温泉・岩下温泉旅館旧館(山梨県)

関東エリアではないが、東京からもアクセスのよい甲府盆地にある山梨最古の湯。明治時代から立つ旧館は国の登録有形文化財。裸電球に照らされた館内は、まるで映画のセットのような懐かしさ。自慢の源泉は泉温28度のぬる湯。春先はまだ少々冷たく感じるが、一度入ってしまうとピュアな湯は最高の気持ちよさ。加温された湯船と交互に入浴すれば血行もよくなりそうだ。平日15:00~20:00/土・日・祝日9:30~20:00、500円。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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