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源泉かけ流しばかり!「湯の質が高い東北の温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

温泉が好きな人ほど、湯の鮮度にこだわる。入浴感を大きく左右する大きな要素だからだ。

簡単にいえば、常に新しい源泉が湯船に注がれ、そのままあふれていく「源泉かけ流し」の湯船ほど鮮度が高い。反対に、源泉を使いまわす循環ろ過の湯船になると、当然ながら鮮度は落ちることになる。

ただ、「源泉かけ流し」を実現できるかどうかは、湧出量や温泉施設の湯の使い方にもよる。鮮度の高い湯に入りたいなら、「源泉かけ流し」がデフォルトである温泉地や宿を選ぶ必要があるのだ。

そこで、今回は「源泉かけ流し率」が高い温泉地を、東北エリアに絞って紹介したい。

乳頭温泉郷(秋田県)

日本が誇る秘湯「鶴の湯」を擁する名湯集積エリア。標高600~800m。秘湯感が魅力であるが、全体的に宿泊料金が手ごろな点もうれしい。各宿で源泉の色や特徴が異なりばかりか、いずれも源泉かけ流しだ。また、乳頭温泉郷の手前に位置する田沢湖高原温泉、水沢温泉なども源泉かけ流しのすばらしい湯が楽しめる。選択肢が多くて迷うほどだ。

下風呂温泉(青森県)

下北半島北端、津軽海峡に面した港町の温泉地。最果ての温泉地といった風情が温泉情緒を誘う。おもに3つの源泉があり、いずれも乳白色が美しい濁り湯。どの温泉施設もかけ流しである。日帰り温泉の「海峡の湯」では、2つの硫黄泉「大湯」と「新湯」を同時に楽しめる。イカやホタテ、ウニ、あんこうなど海産物も美味。

鳴子温泉郷(宮城県)

鳴子温泉郷は、鳴子を中心に東鳴子、川渡、中山平、鬼首の5つの温泉地で構成される。最もにぎやかなのは鳴子温泉で、湯の街情緒もある一方、東鳴子や川渡は湯治場の素朴な風情が魅力。鳴子温泉郷には高級旅館だけでなく、リーズナブルな湯治宿が数多く健在なので、宿選びには苦労しない。温泉宿や湯船の数は東北屈指だが、源泉かけ流し率はきわめて高い。

高湯温泉(福島県)

標高750mの高原に位置する温泉地で、周囲の自然環境は抜群。山に囲まれたロケーションなので、夏はちょっとした避暑気分も味わえる。乳白色に濁る湯は温泉ファンの評価も高く、地域をあげて「源泉かけ流し宣言」をしている。もちろん、すべての宿が源泉かけ流しだ。共同浴場「あったか湯」では、気軽に日帰り入浴も可能だ。

湯田川温泉(山形県)

田園地帯に8軒の温泉宿と2つの共同浴場が軒を連ねる小さな温泉地。源泉が豊富なことでも知られ、「源泉かけ流し宣言」をしている。もちろん、すべての宿が源泉かけ流し。小規模な旅館ばかりだが、リーズナブルに泊まれる宿もある。作家・藤沢周平ゆかりの温泉地で、小説を読みながら旅館に缶詰めになってみるのも楽しい。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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