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【高崎市】ビエントアーツギャラリー展覧会★曾超『気の絵画~生、命、光、そして仮山石』3/18まで

Takasaki_asagi地域情報ライター(高崎市)

昨秋開催された「中之条ビエンナーレ2023」のパスポートのデザインは、中国人アーティスト/曾超さんのアートでした。好感度高かったですよね。

曾超さんの作品は旧廣盛酒造(中之条町市街地エリア)に展示されていました。
こちらの小部屋で曾超さんのアートに魅了された方も多かったことと思います。

旧廣盛酒造
旧廣盛酒造

今日は、ビエントアーツギャラリーで開催中の曾超さんの展覧会をご紹介します。
ビエンナーレで展示された作品も展示されていますよ。

曾超 『気の絵画』生、命、光、そして仮山石

曾 超 (ソチョウ/ZENG CHAO)
『気の絵画』生、命、光、そして仮山石

会期:2024年2月17日(土)~3月18日(月)
OPEN:12:30-18:30(最終入場18:20まで)
※火曜・水曜・木曜・金曜日定休
入場無料
ビエント アーツ ギャラリー 高崎市問屋町2-7

曾超さんは、仮山石(かざんせき)の造形を中心として作品を制作し「気の絵画」と命名しました。

曾超さん
曾超さん

中国絵画では「気」の概念が絵画面に「気韻」として反映されることを重視されます。
曾超さんは「気韻」は筆法の問題であるとし、今回の展覧会では2種のオリジナルの筆法で制作した作品を展示しています。

来場者の質問に答える曾超さん
来場者の質問に答える曾超さん

◆ 乾筆皴法 (かんぴつしゅんぽう) シリーズ

乾筆皴法シリーズは、何回も塗り重ね、筆触のカサカサとして手触りの感覚を画面上に表した作品群です。

曾超「乾筆皴法シリーズ」
曾超「乾筆皴法シリーズ」

ところで、仮山石(かざんせき)とはどんな石?と調べてみたところ、中国・上海にある有名な観光名所「豫園」の庭石が仮山石でした。

上海市「豫園」の仮山石
上海市「豫園」の仮山石

仮山石を知らずに作品を見た時には”ステキな現代アート”という印象でしたが、豫園の仮山石を見た後では、たしかに仮山石に見えます。

曾超「乾筆皴法シリーズ」
曾超「乾筆皴法シリーズ」

こちらのシリーズでは、仮山石の表面が持っている物質的なデコボコ感、起伏を具体的に表すことが重要なポイントとなっています。
曾超さんは中国古来の筆法と西洋のペインティングナイフによる描法を融合する「気刀」(チートォ) の描法を生み出しました。

このシリーズの作品は相当な油彩の厚みがあるため、完成まで1ヶ月以上の時間を要します。

曾超「乾筆皴法シリーズ」
曾超「乾筆皴法シリーズ」

曾超さんは、仮山石を描くことを通して「気による空間性と時間性」を表現しています。

湿筆皴法 シリーズ

水墨山水画の筆触の勢いをイメージして展開しています。

曾超「湿筆皴法シリーズ」
曾超「湿筆皴法シリーズ」

湿筆皴法は筆触の一貫性を保つことがポイントです。

背景となる色は1~2日で塗り重ね、仮山石の部分は一気に勢いよく30分ほどで完成させるそうです。
ペインティングナイフや筆を画面に押し付けながらダイナミックに描かれています。

曾超「湿筆皴法シリーズ」
曾超「湿筆皴法シリーズ」

曾超さんは、中国伝来の「湿筆」の筆法でペインティングナイフや筆を用いて絵具を押し付けながら描く描法として「気筆」(チービ)を見出しました。

曾超「湿筆皴法シリーズ」
曾超「湿筆皴法シリーズ」

曾超さんが「気筆」を見出すヒントになったのは”スノーボードで雪面に描いたシュプール” です!

「これが筆法になったらいいんじゃないかな」と2017年から試み、2019年には湿筆皴法シリーズとなりました。

曾超「湿筆皴法シリーズ」
曾超「湿筆皴法シリーズ」

柔らかなタッチで描かれた新作には、制作場所の六合村の山の稜線も描かれています。

曾超「湿筆皴法シリーズ」
曾超「湿筆皴法シリーズ」

曾超さんは「気韻生動という概念が最も重要」と考えています。

【気韻生動】
芸術作品に気高い風格や気品が生き生きと表現されていること。また、絵画や他の芸術作品などに、生き生きとした生命感や迫力があり、情趣にあふれていること。
▽「気韻」は書画など芸術作品にある気高い趣。気品。「生動」は生き生きとしているさま。また、生き生きとして真に迫ること。
(引用:goo辞書

曾超さんの展覧会『気の絵画』生、命、光、そして仮山石 では確かに気韻生動であると感じました。
皆さまもぜひビエントアーツギャラリーに足を運んで、曾超さんの素晴らしいアートをお楽しみください!

ビエント アーツ ギャラリー
ビエント アーツ ギャラリー

【詳細情報】
ビエント アーツ ギャラリー
公式HP. .公式Instagram

OPEN:土・日・月曜 12:30~18:30(最終入場18:20まで)
入場無料
住所:高崎市問屋町2-7(ビエント高崎1F西側)(GoogleMap
駐車場:あり 無料

地域情報ライター(高崎市)

住むなら高崎!環境も便利さも安全性も最高!と満足しつつ、知らない土地へ旅に出ることが多かった過去十数年。Stay Homeを経て改めて地元高崎に注目してみたら魅力的で気になるスポットがたくさん増えていてびっくり! これからは高崎を旅するように歩いて、地元の魅力をひとつひとつ味わい尽くします。

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