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ミソフォニア(音嫌悪症)の人は、鼻すすりをする人に殺意を覚える。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


日本人は、鼻をすする人に対して寛容です。
人前で鼻をすすっている人に対して何も言いません。

それもあって、人前で鼻をすする人が今も昔もあとを絶ちません。
人前ではおならをしない人が、人前で平気を鼻をすすったりしています。

鼻をすすることは、日本ではそうでもないかもしれませんが、基本、失礼にあたるということを知っておいてください。そして、鼻をすすることによって、大変な苦痛を覚える人がいるということを知っておいてください。

私は、名古屋でカウンセリングルームを開設しているものですが、ミソフォニア(音嫌悪症)の方が訪ねて来ます。
ミソフォニアの方は、特定の音に対して、非常に強い嫌悪感を持つものなのですが、特に鼻をすする音を嫌うことが多いです。

「近くに鼻をすする人がいると気が散って本も読めません」
「近くに鼻をすする人がいると殺意を覚えます」等とおっしゃる人は、少なくないです。

ミソフォニアの方は苦しんでいます。
「気にし過ぎだ」「気にするな」「神経質な奴だ」なんて言葉で片付けないであげてください。

ミソフォニアは、医学的な障害なのです。神経が原因と思われる障害なのです。
特定の音に対して否定的な感情(怒り、逃避反応、憎しみ、嫌悪)が起こされる障害なのです。

音の大きさや小ささは、基本、関係ありません。
音そのものが苦痛なのです。そこが聴覚過敏との違いです。

ミソフォニアが酷くて、外出さえもままならない人もいらっしゃいます。
どうぞ、そのことを理解してあげてください。

上記は、当事者として、心理カウンセラーとして、私からのお願いです。

最後に、
鼻水が出やすい人へお願いです。
鼻水が溜まったら鼻をかんでください。悪気がないからいいってもんじゃありません。
いつまでもいつまでも、鼻をすすり続けないでください。

そして、ミソフォニアの人へのメッセージです。
苦しんでいる人は、自分だけじゃないんだということを、どうぞ知っておいてください。
ミソフォニアの治療法は、まだ確立されていません。いつの日か、治療法が確立される日を夢見て、一緒に頑張っていきましょう。
あと、耳栓など、自分を守る物を持つことも忘れずに…。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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