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育児ノイローゼとマタニティブルーズと産後うつ病

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


育児ノイローゼとは、育児によって不安定な気持ちが膨らみ、イライラや無気力など精神的な不調が起こることを言います。心配性の人や体力のない人は、育児ノイローゼになりやすいと言えるでしょう。

育児ノイローゼの方には、育児の負担を軽減させ、お話をしっかり聴いてあげ、安心させてあげれば、その症状は、早期に改善されます。

ちなみに、ノイローゼとは、精神医学用語としての神経症を指し、感情に問題があり比較的軽度な状態を含んだ総称的な診断名です。診断名としては、含める幅が広すぎるため現在では廃止されています。

マタニティブルーズは出産後10日以内の産褥初期にみられるものであり、ほとんどの場合は一過性です。いっぽう、産後うつ病は出産後2週間前後から数ヶ月以内にみられることが多く、そのままにしておくと重症化してしまう危険性があります。

あるクライアントが、「私は精神的にも体力的にもタフだと思っていました。だから、私が産後うつになるとは思ってもみませんでした」と、おっしゃったことがありますが、産後うつは、精神的に弱い人や体力不足の人がかかる病ではありません。

かかる人は、精神的に強かろうが体力に自信があろうが、かかる時はかかりますし、
かからない人は、精神的に弱かろうが体力がなかろうが、かかることはありません。

何故なら、産後うつは、気持ちや体力の問題ではなく、ホルモンバランスの狂いや、自律神経の失調から発病することが多い心の病だからです。

症状としては、赤ちゃんを可愛いと思えなくて、家事や育児をする気が全く起きなくなったり、赤ちゃんの発育状態を過剰に心配したり、母親失格だと思って自分を責めたり、悲観的にしか物事を捉えられなくなったり…等があげられ、酷くなると自殺までしてしまいかねませんので、本当に要注意です。
眠れなくなったり食欲がなくなったり…等の症状が2週間以上続くようでしたら、迷わず専門家の許を訪れたほうがいいです。

産後うつは、育児ノイローゼのように、生真面目など、本人の性格傾向により発病することも多いのですが、周囲の協力や環境の変化によって発病することもあり、またホルモンバランスの狂いや、骨盤や頚椎のズレによる自律神経の失調などから発病することが少なくないのが実情です。

以上、「育児ノイローゼとマタニティブルーズと産後うつ病は、別もの」というお話でした。

繰り返します。
産後うつ病は、母子関係にくわえ、子どもの情緒やその発達に影響を及ぼすために、早期に兆候をみつけ、適切な治療や支援を受けることが大切です。特に、自責感が強い場合や希死念慮がある場合、家事・育児などに支障が生じている場合などは、産婦人科や精神科医の受診が必要です。

カウンセラーは、産後うつの方を、ひとりで悩みを抱え込ませないようにすることが大切です。

私は、カウンセラーとして整体師として、育児ノイローゼやマタニティブルーズの人や産後うつの方に会う機会が多いのですが、本人の訴えを十分に聴くことはもちろん、必要とあらば(必要であることが多いのですが)、腰も首も施術により整えます。産後うつの方は、骨盤がズレていることが多く、首もカチカチに固まっていることが多いからです。

カウンセラーとしてだけでは援助できなかった産後うつの方を、整体を施すことによって、援助できるようになったのは、私の大きな喜びです。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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