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不登校児の未来(不登校児のその後)

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

私は、スクールカウンセラーを6年6ヶ月やりました。
子どもが通う小学校のPTA会長を1年やりました。
その後は、地域のいじめ不登校対策委員会の委員、および学校の評議員をやりました。

いじめと不登校に関しては、専門家として、くりかえし言い続けたことがあります。
それは、「防止と対策を、分けて考えて下さい」ということです。

消防士で、防火と消火をごっちゃに考えている人はいません。
けれど、専門家と称する人の中にも、いじめ不登校の防止と対策を、ごっちゃに考えている人は数多くいます。それは、大人にとっても子どもにとっても、益にならないことです。

続いて、
「学校は行かなくてもいい」という主張をされる方にも、「学校は行かなければいけない」と主張される方にも、知っておいて欲しい事実があります。それは下記です。(文部科学省不登校調査2014年発表)

20歳になった今、中学時代不登校だったことをどう思いますか?
1.「行けばよかった」38.9%
2.「仕方がなかった」31.7%
3.「何とも思わない」17.5%
4.「行かなくてよかった」11.8%

20歳になった今、当時を振り返って、不登校になった理由は何ですか?
1.「無気力でなんとなく」43.6%
2.「ぼんやりとした不安」42.9%
3.「いじめなど人間関係」40.6%
4.「生活リズムの乱れ」33.5%

上記は、41,000人の不登校経験者に尋ねたアンケート結果です。合計が100%を超えるのは、複数回答をした人がいたからです。ぜひ、参考になさってください。

私は、専門家として、
不登校にならないためにどうすればいいか?(防止)
不登校になってしまったらどうすればいいか?(対策)
いじめの被害者・加害者にならないためにどうすればいいか?(防止)
いじめの被害者・加害者になったらどうすればいいか?(対策)
しっかり分けて、考えるようにしています。
そして、
日々、教育指導およびカウンセリングを行っています。
お父さんお母さんとお子さんの幸せを心から祈っています。

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上記の記事は、その昔、私のブログに書いた記事なのですが、反響は非常に大きかったです。過去、最高のアクセス数を叩き出したのを覚えています。改めて、皆さんの関心の高さがわかった次第です。

上記の記事を書いたあと、たくさんの方からメールをもらいました。
比較的、「不登校経験者の4割近くが後悔しているというのは、初めて知りました。安易に『学校など行かなくてもいい』なんて言うものじゃないと思いました」「『学校は行かなくてもいい』と主張している人は、無責任だと思いました」という内容が多かったです。

次に、
10数年前に、不登校児童生徒の保護者26,000人に、アンケートを取ったことがあります。アンケートに協力して下さった保護者は、19,000人、73%の回答率です。

あなたのお子さんは、現在20歳になっているかと思いますが、今何をされていますか?
1.「働いています」54%
2.「学校に行っています」14%
3.「アルバイトしながら学校に行っています」9%
4.「何にもしていません」23%

1の「働いている」は、正社員からアルバイトまで含めます。
2の「学校」は、大学から専門学校まで含めます。
4の「何にもしていません」は、外出できる子から完全ひきこもりまで含めます。
※上記は、中日新聞のサンデー版に掲載されていたものです。

続いて、
「引きこもり」の実態に関する調査報告書(2010年)によると、成人後に引きこもりになった人のうち 50.9% が、小中学生時代に不登校になった経験があるとされていますが、これを読んで、「不登校経験者と不登校未経験者、半々の確率でひきこもりになるのか」と思われる方がいらっしゃいますが、それは大きな誤りです。
不登校経験者は、不登校未経験者より、圧倒的に数が少ないです。10分の1以下です。
にも関わらず、ひきこもりの半分以上を、不登校経験者が占めているのです。
いかに、不登校経験者がひきこもりになりやすいか、わかるかと思います。

ちなみに私は、「学校には行かなければダメだ」という立場でも「学校になど行かなくてもいい」という立場でもありません。いずれもケースバイケースだからです。私は、「不登校経験者は、大人になるのに困難を抱えることが多い」という事実を伝えたいのです。
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上記は、不登校防止の立場から物申しております。ハッキリさせておきます。
不登校防止の立場から物申すと、「学校には行かなくてもいいよ」「学校は行きたい人だけが行けばいいよ」等という無責任な言葉は、決して口にすることが出来ません。

下記は、不登校対策の立場から物申しております。ハッキリさせておきます。
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不登校児と不登校児の親御さんには、「学校が全てじゃないですよ」「自分を追い詰めないでください」「無理して学校に行くこと行かせることないですよ」という言葉をプレゼントしたいと思います。

私は、今後も、不登校防止に力を注いでいきたいと思っていますし、
不登校対策としては、不登校児童生徒、その親御さんをしっかりサポートしていきたいと思っています。
最後に、不登校防止にも不登校対策にも言えることなのですが、専門家と称する人は、何よりも、子どもと親の性格、および親子の関係をしっかり把握することが大切です。

最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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