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カウンセラーは、なぜアドバイスしないのか?

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


カウンセリングを知らない人は、
「カウンセラーは、アドバイスする人だ」と思っています。

カウンセリングを学び始めた人や、カウンセリングを間違って学んだ人は、
「カウンセラーは、アドバイスをしてはいけない」と思っています。

カウンセリングをたくさん学んだ人や、カウンセリングを正しく学んだ人は、「カウンセラーは、アドバイスすることもあるが、アドバイスしないこともある」ということを知っています。

世の中には、未だに、「カウンセラーは、アドバイスしてはいけない」と教えているカウンセリングスクールがあり、私は大変な憂いを感じています。

このようなスクールでカウンセリングを学んだ人は、本当に不幸だなあ…と思います。これ以上、不幸な人が増えないことを私は祈ります。と共に、微力ながら、その間違いを正すべく、これからも正確な情報発信をしていきたいと思います。

私は、長期的に見ても短期的に見ても、アドバイスがクライアントの役に立つのなら、積極的にアドバイスしています。けれど、アドバイスがクライアントの役に立つとは限らず、かえって状態が悪くなりそうなときは、アドバイスしておりません。そしてそういうことは、少なくない…というのが実情です。

そう、カウンセラーは、
クライアントから求められても、アドバイスしないことが多々あるのです。

それは、どんな時か?
1.アドバイスが一時しのぎにしかならず、悩みの根本解決にならないとき。
2.アドバイスすることによって、クライアントの依存心が増長されそうなとき。
3.頭ではわかっているけれど、感情的には納得していないときや行動には移せないとき。
等々です。

この文章をお読みあなたは、
「カウンセリングの目的は、カウンセラーが、クライエント自身が持っている力を引き出し、クライエントが、自分で問題に立ち向かい、解決していけるよう援助することだ」ということを知っておいてください。

だからと言って、「クライアントは、カウンセリングで、カウンセラーに対し、アドバイスを求めてはいけない」ということではないので、そのあたりは、どうぞ勘違いなさらないようにしてください。よって、アドバイスが欲しいのであれば、遠慮なくカウンセラーに、その要望を伝えてみては如何でしょうか? 賢くて優しくて腕のいいカウンセラーなら、きっとあなたの要望に応えてくれることと思いますよ。※答えると書かず、あえて応えると書きました。

私も、クライアントからアドバイスを求められたら、
心理学的な知見や自分の経験、クライエントの置かれた状況や心理状態などを考慮して、具体的な対処法や別の視点での考え方などを、提案することもありますから…。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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