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サザエさん症候群(明日の仕事が憂鬱)

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


サザエさん症候群という名の心の病があります。
これは、日曜日の夕方頃、テレビ番組のサザエさんが終わる頃から、「ああ、明日からまた仕事かぁ」と、気分が暗く落ち込ませるノイローゼ=神経症のことです。

ちなみに、サザエさん症候群は医学用語ではありません。

私は、20数年前、ある大きな会社のサラリーマンをやっていたのですが、当時の私は、正にサザエさん症候群でした。

その頃の私は、仕事が嫌でたまらず、日曜の夜になると、明日の仕事のことを考え憂鬱になるのがわかっていたので、それで、日曜の夜は遅くまで遊び歩くことが多かったです。その結果、月曜の朝は、寝不足で起きるのがしんどくて、さらに会社に行くのが嫌になっていました。正に悪循環ですね。

ちなみに人生は、悪循環と好循環しかありません。
どうせなら、好循環をキープしながら生きていきたいものですよね。

さて、「仕事が辛い、行きたくない、仕事を辞めたい」と仰る人へ、
心理カウンセラーである私からのメッセージですが、「どうしてあなたは、仕事を嫌だと感じるのですか?」ということです。

私の場合は、仕事の内容がつまらなく、同僚とも気が合わず、そして上司がバカにしか思えなくて、それが嫌で会社に行きたくなかったのですが、
じゃあ、そもそも、「何でその会社を選んだのか?」ということになるのですが、私の場合は、「給料がいい」というのと「休みが多い」という理由で、その会社を選んだのですが、今思い返すと、そんな理由で選んだのが失敗でした。

会社というのは、人生の多くの時間を費やすところですから、やっぱり、自分の好きな仕事をするほうが、幸せに生きられる…ってものです。

話を戻します。
人間関係で嫌で、それで仕事に行きたくないと仰る人は、少し考えたほうがいいです。というのは、会社を辞めて別の会社に行っても、所詮、人間関係は避けられないからです。

先ほど私は、「同僚や上司とそりが合わなかった」と言ったのですが、私は「遅れず休まず働かず」というサラリーマン根性が染みついていた人たちがどうにも苦手だっただけであり、人間関係が特に悪かったというわけではありませんでした。私は、上司とも同僚とも、普通に円滑に、人間関係を維持構築する能力は有していたのです。

だから、「人間関係が辛くて、仕事に行くのが嫌だ」と仰る人に対しては、「まずは人間関係を円滑に、維持構築する能力を身につけてみてはどうか?」と提案したいと思います。

次に、「仕事の内容がつまらない」というのであれば、転職するのはアリかと思います。転職して、自分の本当にやりたいことをやればいいと思います。そうすれば、仕事に行きたくないという気持ちは消える筈です。

続いて、「会社に行きたくない、人から使われたくない、サラリーマンをやめたい」と仰るのであれば、独立自営の道もありだと思います。ただ、独立自営は大変です。独立自営で苦労している私が言っているのだから間違いないです。独立自営が大変なのは、いきなり食えなくなる可能性が大だからです。

私は最終的に、サラリーマンをやめて独立自営の道を歩み始めたのですが、サラリーマン時代に感じていた不満はなくなったのは良かったのですが、常に「食えなくなるかも」という不安との戦いになりました。そう、不満から不安に変わったという感じです。

不安より不満がいいと仰る人は、そのままサラリーマンんを続ければいいと思いますし、不満よりも不安がいいと仰る人は、独立自営の道を歩めばいいのではないかと私は思います。

あと、ブラック企業につとめているのであれば、即刻会社を辞めたほうがいいです。
自分がブラック企業に身を置いているかどうかよくわからないと仰る人は、1度友人にでも相談してみると良いかと思います。それで「やめたほうがいい」と言われるようであれば、積極的に転職を考えたほうがいいです。何も考えず、誰にも相談せずに、ずっとブラック企業に通い続けるのが1番良くないです。そんなことをしていたら、身も心もズタズタになり、それこそ過労死してしまうので、本当に気をつけねばなりません。

「相談できる適当な相手がいない」と仰る方は、カウンセラーの許を訪ねてみてはどうかと思います。そういう場合は、社会経験があるカウンセラーのほうがいいです。大学の学生相談室にしか身をおいたことがないとか、病院でしか働いたことがないというカウンセラーだと、ちょっと心もとないです。

続いて、
「仕事には行きたくないけれど、かと言ってそう簡単にはやめられない」と仰る方へ、
どうしたらいいか? 具体的にアドバイスを申し上げたいと思います。

心理カウンセラーである私からのメッセージです。

あなたが仕事が辛いのは、ひょっとすると脳の調子が悪くなっているからかもしれません。だから、仕事に行きたくないと思うのかもしれません。

ひょっとすると、脳の調子が良くなったら、仕事が辛いとか、そんなこと思わなくなるかもしれません。だから、まずは脳の調子を整えてみましょう。

具体的には、
① 良質な睡眠を取ること。しっかり寝ることです。
② 身体に良い物を食べ、身体に良くない物を避けることです。食べ過ぎにはくれぐれも注意してください。そしてアルコールも控えてください。
③ 適度な運動をすること。
④ 太陽の光に浴びること。
⑤ 仕事のある日ない日、仕事のあるなしに関わらず、規則正しい生活をすること。
以上の5つです。

今言ったように、大切なのは、まずは自分の脳を整えてみることです。z
そうすれば、会社に行くのが嫌な気持ちがグンと少なくなるかもしれません。
ぜひ、試してみてください。

その他に、
お医者さんに相談してお薬を処方してもらうという方法もございます。
これも、選択肢のひとつとして、頭の片隅に置いておくといいでしょう。

ここで注意事項が2つあります。
ひとつめは、薬を飲む気がないくせにメンタルクリニックへ行くのは時間の無駄だということです。世の中には、お薬を飲むつもりがないのに、病院へ行く人が大勢います。私から言わせてもらえば、それは大変に不思議な行為です。正直、何しに行くのかなあ…と思ってしまいます。それは、水の中に入る気がないくせに、プールへ行くのと同じであり、無駄な行為です。どうぞ、病院はお薬を出すところだということを認識して欲しいと思います。

続いて、ふたつめの注意事項です。
お薬を飲んでも効かなかったら、お薬以外の方法を考えることです。ここが非常に重要です。お薬を飲んで、効かないことを医者に訴え続けるのは、非常にマズいです。そんなことをしていると、お薬の量ばかりが増え、結果、副作用に苦しめられるだけに終わってしまいます。

ですから、しばらく薬を飲んで効かなかったら、「自分の場合は、脳が弱って仕事が嫌になっているわけではないんだな」と認識することが大切です。どうぞ、いたずらに薬が効かないことを医者に訴え、必要以上の薬を飲まないよう、注意してください。

続いて、
仕事に行きたくないと仰る方へのメッセージですが、「どうして行きたくないのか?」「自分にとって仕事とは何なのか?」よくよく考えてみると良いかと思います。

次に、会社の先輩でも友人・知人でもカウンセラーでもいいので、誰かに相談してみることです。相談相手は、説教してくる人ではなく、あなたの話をしっかり聞いてくれる人、そんな人がいいです。そうすればあなたの頭の中が大変に整理されるかと思います。話を聴くのが上手な人に相談すれば、「自分がどうしたいのか?」「今、何をどうすればいいのか?」わかるようになるというわけです。

他には、自分の気持ちや考えを紙に書き出してみると良いかと思います。紙に書く。そしてそれを自分で眺めて見る。そうすれば、客観的に自分のことを知ることが出来ます。自分の本心に気付くことが出来ます。

私は、20数年前に、会社を辞めて、プロのカウンセラーとして独立起業したわけですが、「会社をやめたこと」「独立起業したこと」「カウンセラーになったこと」を後悔したことなど1度もありません。大変ないばらの道を選んでしまったなぁという思いはありますが、本当にあの時、やめて良かったなあと思っています。

「仕事が辛い、仕事に行きたくない、会社を辞めたい」と仰る人に対しては、「まずは脳を整え、信頼できる人に相談し、よく考え、悔いのない人生を歩んでいってください」というメッセージをお伝えしたいと思います。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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