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無料カウンセリングと無料相談の長所と短所。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


私のカウンセリングルームは、愛知県名古屋市にあります。
有料カウンセリングルームです。今は、無料のカウンセリングはやっておりません。

世の中には、無料カウンセリング無料相談があります。
「いのちSOS」や「よりそいホットライン」や「いのちの電話」や「こころの健康相談」が上記に該当します。他にも、人生上のお悩み相談だけではなく、美容整形から、脱毛、結婚、ダイエットなど、様々な無料カウンセリングや無料相談があります。
私は、心理の道が長いので、多くの無料カウンセリングや無料相談の存在を知ってはいるのですが、トラブルになるといけないので、ここではあえて名前は出さないでおこうと思っています。

下記に、無料カウンセリングや無料相談の長所・利点を記したいと思います。
1.電話代や交通費はかかるかもしれないが、無料(タダ)なので、お財布に優しい。
もっと無料カウンセリングや無料相談の良さを書きたかったのですが、私には、上記以外の長所や利点を見出すことが出来ませんでした。
これは、当然と言えば当然です。無料カウンセリングや無料相談が本当に良ければ、世の中にある有料カウンセリングルームや有料相談所は、すぐに潰れてしまうことでしょう。

続いて、無料カウンセリングや無料相談の短所・欠点を記したいと思います。
1.電話がつながらないことが多い。予約が取れないことが多い。
2.受付日や受付時間が制限されていることが多く、利用しづらい。
3.カウンセリング回数や相談回数に制限がかけられていることが多い。
無料なのは、初回の1回限り…ということが多い。
4.カウンセリング時間や相談時間に制限がかけられていることが多い。
無料のカウンセリング時間、無料の相談時間が短すぎる…という不満はよく聞きます。
5.無料の回数内、無料の時間内に、問題解決に至ることが少ない。
6.毎回同じ人に話を聴いてもらえる訳ではないので、
継続使用の場合は、またイチから同じ話をしなければならないという煩雑さがある。
7.カウンセラーや相談員が、ド素人の場合がある。
8.直ぐに、他の、有料カウンセリングルームや有料相談所を紹介される。
9.「有料カウンセリングや有料相談を利用しなさい」と脅迫・強迫されることがある。
10.個人情報を売り飛ばされること、個人情報をばら撒かれることがある。
お客さんの住所や電話番号やメールアドレスを取得する目的で、無料カウンセリングや無 
料相談をしている業者もいます。どうぞ気をつけてください。

ちょっと怖いことばかりを書きましたが、上記は、いずれも私が経験したことです。
無料カウンセリングや無料相談を利用したばかりに、大変に不愉快な思いをしたり、非常に怖い思いをしたり、迷惑電話がバンバンかかってきたり、迷惑メールがどんどん送られてきたことがあります。
よって私としては、どうせなら、やはりお金を支払って、信頼のおけるカウンセラーや相談員から、カウンセリングや相談を受けたほうがいいのではないかと思う次第です。

ちなみに、ここで、
心理カウンセリングと相談の違いを下記に述べたいと思います。

カウンセリングとは、人間関係のことです。
ただの人間関係ではありません。援助を目的とした人間関係です。
そして、道具はコミュニケーションになります。

よって、「カウンセリングとは、コミュニケーションを通して、相手を援助する目的とした暖かい人間関係である」というのが、「カウンセリングとは何か?」の答えになります。他にもいろんな答えがあるし、いろんなカウンセラーがカウンセリングについていろいろ言うかと思いますが、上記が最大公約数的な答えになります。

カウンセリングの
長所は、どんな問題でも取り上げることが出来る。
短所は、本人の気付きを待つことが多いので、結果が出るのが遅い…ということです。

相談とは、情報提供のことです。
相談員が、相談者に知識や情報を与えることを言います。
よって、必ず、相談者より相談員のほうが、知識が多いことが求められます。

長所は、結果が出るのが早い。「ああ、なるほどね。そういうことか」と、一発解決です。短所は、相談員が知らないことを聞かれると困ってしまうということと、相談者自身が「わかっているけど出来ない」ということについては無力ということです。例えば、「お酒は身体に悪いし、周囲にも迷惑がかかるのでやめたい」という相談に関しては、相談員に出来ることはほとんどありません。

よって、世界一賢い人は、誰にも相談することが出来ませんが、カウンセリングを受けることは出来ます。何故なら、カウンセリングは、情報提供や知識の伝達ではなく、暖かい人間関係だからです。


さて、無料のカウンセリングルームや無料の相談所に
電話した人や行った人は、その後、次の行動のいずれかを取ります。
1.「もう2度と、カウンセリングルームや相談所は利用しない」と誓う。
2.「他にもっと、良いカウンセリングルームや相談所はないか?」と思い、
  実際に探し始める。
3.気に入って、そこのカウンセリングルームや相談所を、今後も利用するようになる。

願わくば、1だけは避けて欲しいなあ…と思います。
世の中には、良いカウンセリングルームも良い相談所もありますから…。


次に、
無料のカウンセリングルームや無料の相談所を
運営していた人は、その後、次の行動のいずれかを取ります。
1.クライアントや相談者を、有料のカウンセリングや有料の相談につなげられないため、馬鹿らしくなってやめる。
2.カウンセリングおよび相談の仕事が、思いのほか厳しいことに気付き、精神的・体力的・経済的にもたなくなって、無料のカウンセリングや無料の相談をやめる。
3.有料のカウンセリング、もしくは有料の相談が忙しくなって、無料のカウンセリングや無料の相談をやめる。
4.クライアントや相談者に、上から目線で説教を垂れることが出来る魅力に惹かれ、快感を覚え、無料のカウンセリングや無料の相談を続ける。
5.クライアントや相談者に喜んでもらえることが嬉しくって、社会貢献だと思って、無料のカウンセリングや無料の相談をし続ける。

カウンセリングや相談は、「無料だと効果が得られにくい、結果が出にくい」と言われていますが、私は、あなたが、無料にせよ有料にせよ、カウンセリングルームもしくは相談所を利用することによって、良い体験をすることを心から祈っています。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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