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ヒステリー球(咽喉頭異常感症)とは?

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、ヒステリー球についてお話したいと思います。
ヒステリー球とは、咽喉頭異常感症(いんこうとう異常かんしょう)のことです。
ヒステリー球は、心身症の一種です。

主に、ストレスやこころの葛藤によって、のどから胸にかけて、違和感・異物感・圧迫感などを覚える心の病です。ストレス症状が、精神にではなく、行動にではなく、身体に出た状態です。

ヒステリーと言うと「キーッとなる感じ」「すぐイライラする人」というイメージが持たれやすいかと思いますが、この病気はそのような人がなるというわけではありません。ヒステリーとは、身体化障害という意味です。

通常、「からだ」に症状があれば、「身体に原因があるはず」と考えるのが普通ですが、ストレスなどの影響で、自律神経・ホルモンのバランスが乱れ、身体に様々な症状を起こすことは珍しくないことです。

自律神経失調症や更年期障害、軽症うつ病・不安障害・ストレス性障害などの症状としてヒステリー球が現れることもあります。

もちろん、実際にのどに腫瘍などができているケースもありますから、まずは耳鼻咽喉科や内科で検査し、それで異常がない場合に、ヒステリー球と診断されるというわけです。

今言ったことは非常に重要なことです。もう1度言います。「のどに異常がないにも関わらず、のどに何かがつまっている感じがする」という症状がヒステリー球です。要するに、のどに異常がある場合は、ヒステリー球ではないということです。

次に、
ヒステリー球の原因ですが、「心身のストレスや、無自覚のこころの葛藤ではないか?」と考えられています。私の長年の臨床経験から言うと、「何か言いたいことがあるのに言えない」っていう状況にあると、ヒステリー球になりやすいようです。

よってヒステリー球になった方は、「何か自分が大きなストレスを抱えていないか?」考えてみると良いかと思います。「ヒステリー球の方は、何かを我慢していることが多い」というのが私の印象です。

胸のつかえが取れるという言葉があります。ヒステリー球の方は、「バカヤロー!」と叫ぶことが出来れば、喉のつかえも取れ、スッキリするのではないかと思う次第です。

続いて、ヒステリー球の治療ですが、
薬物治療もありますが、原因になっているストレスをなくすことが1番です。
次に、ストレスをなくせないようだったら、考え方を変えることです。あと、生活習慣を整えることも大切です。十分な睡眠を取り、心身ともに、リラックスすることが出来れば、ヒステリー球は快方に向かいます。

ヒステリー球の方が行く病院は、精神・神経科ではなく、心療内科です。病院で出されるお薬は、対症療法にしか過ぎませんが、不眠や不安やうつ気分を抱えたままだと、さらに症状が強くなりますので、まずはお薬で心身の苦痛を緩和させることが大切です。

お薬は、症状に合わせて、抗うつ薬や抗不安薬を使いますが、「眠れない」と仰る方には、睡眠薬も使います。あと、ヒステリー球には、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)という漢方薬も効果的です。

カウンセリングでは、
カウンセラーは、ヒステリー球のクライアントが遠慮なく喋ることが出来る空間づくりを意識します。私がヒステリー球のクライアントに使う心理療法は、来談者中心療法です。他には、自分の心を解放させる遊戯療法とか絵画療法とかも使ったりします。認知療法に関しては、私はヒステリー球のクライアントには基本使いません。

ヒステリー球の方に必要なのは、ストレスの発散です。
そう言った意味ではお日様を浴びながらの運動療法は、お勧めです。

それから、食べ物も重要です。
出来るだけ、身体にいい物を食べ、身体に良くない物は避けるようにしてください。また、アルコールやタバコはのどを荒らしやすく、症状を強める原因にもなりますので、控えたほうが賢明です。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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