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子どもが勉強しない するようになる方法

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


私は、心理臨床家です。
カウンセリングをするのが私の仕事です。休みの日以外は、ほぼ毎日カウンセリングしています。その他、講演やセミナーをしたり、こうして執筆活動もしております。

さて、小学校や中学校に私が講演会に行って話すことは、「子育ての目的を見失わないで…」ということです。子育ての目的は、子どもを幸せな大人にすることです。自分の子どもは、自分のペットじゃありませんので、ネコやイヌを躾けたり可愛がったりするのとは訳が違います。

「子どもを幸せな大人にすること」←これが子育ての目的です。

「幸せとは、何か?」←これは大変に哲学的な問いですが、私(竹内成彦)は、「幸せとは、人間関係だ」と思っています。よって、幸せになるためには、円滑な人間関係を送れるようになることが、何よりも大切だと思っています。

次に、「大人とは、何か?」ですが、これもまた大変に哲学的な問いですが、動物の世界を見るとハッキリわかります。大人とは、自分で自分のエサが獲れるようになり、子どもを産み育てるようになることです。
よって、人間で言えば、①経済的自立を果たせるようになること、②自分の家庭を持つことが、大人になった証ということです。もっとも、最近は、独身主義の方もいらっしゃるので、ここでは、これ以上、言及しません。

よって、「子育てで大切なことは、『①辛抱強い子に育てること。②自分の子どもが、友だちや家族と仲良くやっていけるようなること』です」と、私は、講演会などでお伝えするようにしています。
少々嫌なことがあっても、それを耐える力さえあれば、まずまず経済的自立を果たしていけます。そして、友だちや家族と仲良くやっていける能力さえあれば、結婚して幸せな家庭を築いていけると思います。

ってな話を、私は講演会で、90~120分するのですが、毎回、私の気持ちが萎えるような質問を、聴講者であるお父さん・お母さんからもらいます。それは、「子どもが勉強しないんですけど、どうしたらいいですか?」という質問です。

私は思わず、「勉強するしないというのは、幸せな大人になるために、そんなに大切なことですか?」と言いたくなります。言いませんが…。

で私は答えます。「子どもが勉強するかしないかは、お母さん次第です。几帳面で礼儀正しくって綺麗好きで、約束を守るお母さんの子どもは、勉強する傾向が強いです。その反対のお母さんの子どもは、勉強する傾向が弱いです。お母さんは如何ですか?」と。←今言ったことは、調査によって、科学的・統計学的に証明されています。

私は、学生の頃、家庭教師のアルバイトをしていたのですが、よく勉強する子どもの家は、きちんと片付いていて、全く勉強しようとしない子どもの家は、家の中が散らかっている、ということに、早くから気付くに至りました。

ここで、子どもが勉強しない理由を書き記したいと思います。

1.体調が悪いから。
体調不良でも、精神状態が悪くても、また疲れていても、子どもは勉強しません。
2.勉強がわからないから。
わからないことをやることほどつまらないことはありあません。勉強をしないのではなく、勉強ができないのです。
3.テレビを観たり、ゲームをやったり、YouTubeを見るほうが楽しいから。
学校や塾で勉強していた子どもは、せめて家に帰ったら、何の気兼ねもなく、思いっきり遊びたいものです。
4.親から勉強のことを口うるさく言われるから。
子どもは、「勉強しろ」と言われるとやる気をなくすものです。お友だちや他の兄弟と比べられるとやる気をなくすものです。あなたもそうじゃないですか? 仕事のことや家事のこと、育児や料理のことを口うるさく言われたら、やる気が失せたりしませんか?
5.そもそも、勉強する理由・意味がわからないから。
勉強する意義を感じられないと、子どもは、ただただ面倒臭いだけで、勉強する気にはなれません。

では、どうしたら子どもが勉強するようになるでしょうか?

1.子どもの体調を良くする。
子どもに、身体にいいものを食べさせる。規則正しい生活をさせる。忙しくさせ過ぎない。スキンシップも兼ねて、子どもにマッサージをしてあげる。
2.親自身も積極的に学び、子どもに勉強を教えてあげる。
自分は寝そべっていて、子どもに「勉強しろ、勉強しろ」と言っているようでは、子どもから軽蔑されてしまいます。親自身も勉強する姿を見せ、そして子どもに勉強を教えてあげましょう。親が教えられないようであれば、子どもと相談して塾に入れることも検討しましょう。
3.テレビを観る時間、ゲームをやる時間、YouTubeを観る時間を制限する。
このあたりは、親自身も、自分の行動をしっかり管理していきましょう。親自身が子どものお手本になることが大切です。
4.「勉強しろ」とは言わないこと。
親自身が、日頃から、自分が勉強する姿を子どもに見せていきましょう。そして、子どもが少しでも勉強したら、「褒める」という行為を忘れずにやっていきましょう。さらに、子どもの話には、しっかり耳を傾けていきましょう。
5.勉強したらどんな未来が待っているか、教えてあげましょう。
「勉強したら、どんな輝かしい未来が待っているか?」子どもたちに教えてあげましょう。子どもたちが、自分の将来に希望が持てるよう、しっかりサポートしていきましょう。
6.家庭環境を整えましょう。
たとえば、お父さんとお母さんが不仲だと、子どもは落ち着かないものです。家の中が乱雑に散らかっていると、子どもは落ち着かないもです。よって、子どもに勉強して欲しいと願うのならば、何よりも家庭環境を整えておきましょう。

勉強するような子どもに育てることは、とっても大切なことです。
でも、子育てでは、もっと大切なことがあります。「勉強しろ」と口うるさく言って、親子関係が悪くなることほどつまらないことはありません。今1度、子育ての目的を確認して、家族仲良く暮らしていってください。※ 宜しければ「子ども依存症」もお読みください。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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