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気分変調症とは、抑うつ神経症のこと?

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、気分変調症についてお話したいと思います。
気分変調症は、以前は抑うつ神経症と呼ばれていた心の病です。
今は、気分変調性障害とか持続性抑うつ障害などと呼ばれています。

気分変調症は、うつ気分が長期間にわたって続いてしまうのが特徴です。
うつうつとした気分が、ほとんど1日中、しかも2年以上続きます。

さらに、次のような症状のいくつかを伴います。
1.食欲の低下もしくは増加。
2.眠れない、逆に寝すぎてしまう。
3.気力が低下し、疲れやすい。
4.自尊心が低下する。
5.集中力がない、決断できない。
6.絶望感。
以上です。

気分変調症では、いま言った症状が長く続くことにより、日常生活や職業生活などで大きな支障が出てしまいます。

ここで、覚えておいて欲しいことは、気分変調症は、うつ病の軽いものではないということです。確かに、うつ病のほうが、うつ気分が強く、ベッドから起きられない等の症状を示しますが、気分変調症は、症状がダラダラと長く続き、社会生活に、支障を生じさせ続けてしまったりします。

さらに、うつ病のように、「いついつ頃から調子が悪くなった」という感じではなく、典型的には思春期前後に、気づいたら悪くなっていて、それが続いている…というような経過をたどります。

気分変調症の人は、自分に自信がなく、悲観主義で人生に希望を見出せず、興味や喜びを感じられない傾向、引きこもり傾向、慢性的な疲労感、罪悪感やクヨクヨ考える傾向、イライラしたり過度に怒りっぽい傾向、活動性の低下、集中力の低下、のような、いくつかの症状をみせます。

生涯有病率は、約6%と言われています。
要するに、100人に6人の人が、一生のうちに1回以上なるということです。

あと、気分変調症の人は、他の不安症やパーソナリティ障害と並存することがよくあります。また、薬物やアルコールなど、物質の使用障害も併発する危険性があります。

気分変調症は、小児期や青年期、成人早期など、人生の早いうちに、しかも気づいたら発症していることが多く、症状が慢性化しやすい傾向にあります。

人によって、うつ病レベルまで症状が強まることがありますが、その後はまた元の気分変調症レベルに戻ることが多いです。

次に、「気分変調症の治し方」ですが、基本、うつ病と同じです。

1.環境を改善する。
2.休養する。
3.食事療法をする。
4.光療法を受ける。太陽に浴びる。
5.運動療法をする。
6.考え方を変える。
7.カウンセリングを受ける。
8.整体院で頭と首を施術してもらう。
9.薬物療法を受ける。
10.電気けいれん療法を受ける。
11.磁気刺激(TMS)治療を受ける
以上です。

気分変調症は、うつ病と違って、薬があまり効きません。これが特徴であり、うつ病との違いです。よって、気分変調症の方は、薬が効かないからと言って、それを医者に訴え、いたずらに薬を増やさないことが大切です。

むやみに薬を増やし続けていったら、やがては、気分変調症で苦しんでいるのか、薬の副作用で苦しんでいるのか、わからなくなってしまうので、要注意です。

気分変調症の方は、どうぞ、薬物以外の方法を積極的に用いて、自分の病を治していってください。また、気分変調症は、カウンセリングがよく効きますので、ぜひ精神医学に詳しいカウンセラーの許をお訪ね頂ければ…と思います。

ちなみに私は、気分変調症の方には、来談者中心療法や対人関係療法や認知行動療法を使って、クライアントの症状を改善していくことが多いです。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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