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赤面症とは、森田神経質の一種です。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、赤面症についてお話したいと思います。
赤面症とは、赤くなった顔を他人に見せることを極端に恐れる症状をいいます。
顔が赤くなることそのものではなく、赤くなった顔を他人に見せることを、極端に恐れる心の病のことです。

まあ、誰かと会うときに緊張し、顔が赤くなるということは、誰にでも起こり得ることなのですが、その赤くなった顔を見られることが凄く恥ずかしいことだと思い、次第に人と関わることを避けてしまうようになる…というのが、赤面症の特徴です。対人恐怖症ひとつ、森田神経質のひとつと言われています。

ここで簡単に整理しておきます。
1.赤面症の方は、緊張すると顔が赤くなる。
2.赤面症の方は、顔が赤くなったことを凄く恥ずかしいと思う。
3.赤面症の方は、人を避けるようなる。
以上です。

顔が赤くなるメカニズムですが、

緊張したときなど、ドキドキと鼓動が早くなることがあるかと思うのですが、鼓動が早くなることで、顔の皮膚の、すぐ下の毛細血管に大量の血液が流れ、それで顔が赤くなるというわけです。顔が赤くなること自体は、誰にでも起こり得る当たり前の症状です。

比較的、のぼせ、あがり症の人、対人関係で不安や緊張を感じやすい人が、顔が赤くなりやすいといわれています。また、恥ずかしがり屋な人がなりやすいとも言われています。さらに、対人関係の苦手意識から、不安がパターン化してしまうということも考えられます。

ただ、こういった性格傾向のみではなく、交感神経や副交感神経のバランスの乱れで起こるともいわれ、さまざまな原因で顔が赤くなります。

「顔が赤くなることは避けられないのか?」と言うと、そうではなく、
人前に出て、話すことなどを繰り返すうちに、場数を踏むということで慣れて、それで「克服した」と仰る方は大勢います。

けれど、それとは逆に、顔が赤くなることを極端に恥ずかしく思い、ますます人前に出ることを恐れ、人を避けてしまう…という悪循環を繰り返してしまうことによって、さらに「顔が赤くなるようになってしまった」と仰る人もいます。

よって、赤面でお悩みの方は、なるべく早く適切な対応をした方が良いかと思います。

では、「どうすれば顔が赤くならないようになるか?」ということなのですが、1番のポイントは、自分が顔が赤くなることを気にしないということです。「顔が赤くなる? それがどうした、文句があるか!」と開き直ることです。
そうすれば、実際に赤くならないようになりますし、たとえ赤くなったとしても、気にしてないわけですから、問題は起こってないに等しくなります。

今言ったことは非常に重要な点です。
顔というものは、気にすればするほど赤くなるので、気にしないのが1番ということです。気にしなければ、赤くもならないということを、どうぞ覚えておいてください。

顔というものは、赤くならないように努力すると、よけいに赤くなります。これを、「努力逆転の法則」と呼びます。努力家の方ほど、頑張り屋の方ほど、赤面症が治らない…というのは、何とも皮肉な事実です。

さらに、自分の顔が赤くなるという理由で、人付き合いをさけないこと。
それが、赤面症を克服するうえで重要な点です。

あと、その他の対処法としては、
腹式呼吸をしてリラックスすることです。そうすれば顔が赤くならなくなります。実際の場面で顔が赤くならないようになれば、自信がついて、さらに顔が赤くならないようになります。

それ以外には、抗不安薬などの薬物療法もあります。
薬物療法は、対症療法でしかありませんが、薬物によって緊張しなくなり、顔が赤くならないという体験を繰り返せば、やがてそれが自信となって、薬を飲まなくても、顔が赤くならなくなります。

あと、赤面症の方は、カウンセリングを受けるのも良いかと思います。
私(竹内成彦)は、赤面症の方には、来談者中心療法や認知行動療法や森田療法を使って、症状を緩和するお手伝いをしております。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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