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物欲を満たしても幸福にはなれない?

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、「物欲を満たしても幸福にはなれない?」というテーマでお話しさせていただきます。

はじめに。
私(竹内成彦)は、物欲が少ないです。欲しい物なんて、ほとんどありません。「欲しいものがあるけれど、お金がないから買えない…」ということは、ほとんどないです。欲しいものは直ぐに買ってしまいます。そう、私は物欲が少なく、そして私が欲しいものは、幸い、高くない物ばかりなのです。

さて、カウンセラーとして、以前の私は、「どうしたら不幸から脱することが出来るのか?」 そればかりを研究していました。でも、最近の私は、「どうしたら幸せになれるのか?」それを研究するようになりました。

それで最近、その答えを、自分なりに掴むことが出来ました。
今日はそれを発表したいと思います。

人はどうしたら幸せになれるのか?

① 自己成長しているという実感
自分は日々成長しているんだという実感が、自分を幸せにしてくれます。

② 人とつながっているという感覚
自分は人から愛されている、自分には愛する人がいる、自分には仲間がいる、それは大変にありがたいことだ、そういう人とのつながり、感謝の気持ちが自分を幸せにしてくれます。

③ 「なんとかなるさ」という楽観的な気持ち
これは心持ちです。「なんとかなるやと」いう楽観的な気持ち。「不安なこと等ない」という未来を心配しない気持ちが自分を幸せにしてくれます。

④ 自分は自分らしく自由で生きられているという感覚
「自分は自分らしく、ありのままに、自由に生きられている」という感覚が自分を幸せにしてくれます。

以上です。
以上の4つが、自分を幸せにする方法の全てです。

幸せな人は、必ず、今言った4つの全て、もしくは1つ2つを強烈に満たしています。
不幸な人は、必ず、今言った4つの全て、もしくは1つ2つを全く満たしていません。

あなたは如何でしょうか?

で、話は戻ります。
「物欲を満たすと、人は幸せになれるでしょうか?」
答えは、「なれることもあるけれど、なれないこともある」です。

確かに、欲しい車を買えたら、そしてそれが高級車だったら、「俺もこんな車を買えるようになったんだ、俺もこんな車を乗れるようになったんだ」と思うかもしれません。だから、一瞬は自己成長しているという実感を味わえ、幸せを感じることが出来るでしょう。

でも、その車に乗ってくれる人が誰もいなかったらどうでしょう? 誰からも賞賛されなかったらどうでしょう? きっと遠くない未来に、車を買った喜びや幸せは薄れるかと思います。また、車をローンで買った人はどうでしょう? 毎月ローンを支払い続けられるか、人によっては心配や不安の種になるかもしれません。また、ローンを支払うために、好きでもない仕事をずっと続けなければならなかったとしたらどうでしょう? 不自由な気持ちを味わうかもしれません。

だから私は、欲しかった車を買っても、物欲を満たしても、幸せになれるとは限らない…と申し上げているのです。

物欲が強い人は、見栄っ張りな人が多いです。
いい物を買って、それを人に見せびらかして、自分の自己重要感を高めたい、自分のパワー欲求を満たしたいという人が多いです。いや、そうではなく、純粋に物欲が強いだけなんだと仰る人もいます。

どちらにしても、物欲が強い弱いそのものに、いい悪いはありません。ただ、物欲を満たすために、散財したり、過ぎたる借金をするのは良くないと思います。それは、自分を不幸にするだけだからです。

私は、物欲が強い人に、今一度考えて欲しいことがあります。それは、「自分は物を手に入れることによって、どのような感情を得たいのだろうか?」「自分は物を手に入れることによって、どのような欲求を満たしたいと思っているのだろうか?」ということです。

そうすれば、「自分にとって、その物が本当に必要なのかどうか?」わかる筈です。「借金までしてて入れなければならない物なのかどうか?」も的確に判断できるようになります。

私は、カウンセラーとして、物欲を満たすために、不幸になる真似だけは、どうぞやめていただきたいなと思う次第です。

あと、物欲が強い人の中には、「買う瞬間に、言いようのない快感を覚える」と仰る買い物依存症の方がいます。買い物依存症は、心の病です。借金や不要な物を抱える前に、お早めに専門家の許を訪れることを、私はお勧めしたいと思います。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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